表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と影の乱舞  作者:
7/7

性別

盥のお湯で湯浴みさせ、僕はリーアお姉さんに赤ん坊を渡す。受け取ったリーアお姉さんは、さっそく赤ん坊にお乳を飲ませ始める。トシばあちゃんは道具を片付けつつ、赤ん坊の様子に気を配る。僕はそんな二人を見つつ、預かった魔力を体に馴染ませる事に集中する。金庫を開け、少しずつ魔力を取り出し体に巡らせていくが、ちょっとでも気を抜くと魔力が暴れだす。

「うーん。思っていた以上にじゃじゃ馬な魔力だなぁ。魔力はその人の本質を写す鏡と言われるけど、どっちにしてもお転婆かやんちゃ坊主決定かな」

漸く魔力を体に馴染ませた僕は、思わず苦笑混じりにリーアお姉さんを見た。

「えっと、どういう事?」

僕の言葉に、不思議そうな表情をしたリーアお姉さんの問いにトシばあちゃんは面白そうな笑みを浮かべてこっちを見る。

「あ~、リーアお姉さんは知らなかったんだ。その子、聖族だよ。魔族や聖族は産まれた時はまだ性別が決まってないんだ。正確には未分化なんだけど」

「そうなの?」

「うん。契約者と引き合って初めて性別が決まるんだ。契約者の魔力を感じ取ると体が変化するんだよ。それまでは、自分の好きな性別で過ごすけど契約者の魔力を感じて変化する時は、大抵異性になるんだ」

「ルクスは今男の子よね?」

「今のところはね。まあ、契約者のその子も聖族でまだ未分化だから暫くはこのままかな。その子が守護者としてデビューする時に決まるかな」

「そうすると、名前が難しいわね。どちらでもいけるのにしないと」

「そこまで深く考えなくてもいいよ。僕のルクスも通称だし」

「そうなの?」

「うん。女性としての名前は、リシェルだし。まあ、無理やり読んでだけどね」

「ひょっとして、綴り一緒で読み方変えただけ?」

「そうだよ。だからインスピレーションで決めたらいいと思うよ」

僕の言葉に、満腹になったのか眠り始めた赤ん坊を抱いたリーアお姉さんは、優しい笑顔で寝顔を覗き込み名前を考え始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ