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01  /想い出の日々よ、愛しき人よ *

挿絵(By みてみん)


この物語は、先に連載し完結しました「千年の夢幻」の約二千年前の物語となります。

両方の物語には一貫して「ユーデリウス」と「ルイーザ」の両者の関係が根深く出てきます。


 古きよき時代だった。

 何故なら、善きにつけ、悪しにつけ、人々が情熱を持って命を賭けていたからだ。

 運命がその強大な力を持って介入しても、人は享受しただろう。

 と言うより人が運命を求めていたのかもしれない。

 


 ――この頃頻繁に観る、覚えの無い光景(ゆめ)

 女がただ立ち尽くし見守る中を、

 男がゆっくりと無言で、血を流しながら微笑み崩れていく

 

 そして女は言う――

 

 “愛してました”

 “愛してたのです――”

 “ユーデリウスさま……!”

 

 己のしでかした事に慄きながら、泣き叫ぶ女は、

 風に舞うように、腕を大空へ広げる


 愛の証に女は身を投げたのか

 

 わかるのは――


 わかるのは、私はその時そこにはいなかったはずだ、

 ということ

 

 だが、彼は死してなお、運命の輪を廻し続け

 逆らう術を持たぬ私に、より強い呪縛を投げかける

 

『星を往く船、海を渡る船には、

 羅針盤を操る水先案内人達が乗るだろう。

 嵐に迷い、その航跡が失われることのないよう、

 彼らが祈り求めるたび彼らが名を口ずさむたび、

 船の標を打ち立てる守護神が寄り添わねばならない……

 その船は、至高者が造りたもうたものであるからだ――』




挿絵(By みてみん)



 ルイーザはけだるい夢の中から、醒めつつあった。

 過労からくる軽い発熱のせいか、夜着がわずかに汗ばんでいる。

「……」

 仄かな明かりの灯る、ひと気のない寝室で何を言おうとしたのか、乾いた唇を微かに動かしては、疲れが癒されてないように再び目を閉じた。

 暫くして扉の外を柔らかな足音と、抑えたような廊下を踏みしめる足音がし、やがてそれは扉の前にたどり着き、小声で低く囁き合い、遠慮がちにガチャリと重々しい扉が開かれた。

 入ってきたのは二人だとわかった。

「……ルイーザ様…」

 恐る恐る掛けてくる声は、ルイーザの屋敷にいる侍女である。

「ルイーザ様」

 彼女はもう一度言った。



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