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3 パンフレットはよもう

 一週間も待たずに聖サンドリヨン魔法学院からの入学案内が届いた。ホームページと変わらない内容の変な写真パンフレットに、受験料支払いの振り込み用紙と受け付け用紙があり、おまけのように普通のコピー用紙に日本政府からのお知らせと印刷された紙が入っている。この政府からのお知らせ以外は普通過ぎるくらい普通だった。


 さて何をお知らせしてくれるのかと読んでみると魔力測定について予備検査をしようというもの。予備検査とはなんぞやと読むと、入試の前にこの謎パロメーターであった魔力を測ってくれるイベントだった。各県庁所在地に指定された日時に行けば実力を測ってくれて一回五百円かかる。魔力とやらがない人間に受験するなというための試験なのかもしれない。あってもなくても予備検査も受験もするけどねと読み進めると、この予備検査の領収書が受験日当日の魔法学校の学食使用券になるという注意書がある。




 魔法学校の学食。なんて魔力を含む食べ物だろう。パンフレットの学食の写真が載った頁をめくる。クリーム色の柱にオレンジ色の壁が公立にはない空気を漂わせる食堂だ。写真の中ではラーメンを啜る笑顔の男と謎のトゲトゲフルーツだか野菜をトゲトゲしたままフォークに刺して笑っている女のモデルがいる。あのトゲトゲ、絶対魔法連合産の新食材だ。味どころか食感もわからない。


 食べてみたいな。あのトゲトゲを一口食べる権利が受験料と予備検査で二万五百円。中学生にはお高いがいつ市場に流れるかわからないトゲトゲはそれだけの価値があると認める者は多いはずだ。


 あんまりにも気になって「魔法学校」「食堂」「トゲトゲ」でネット検索してみる。ヤーレ東京の学食にはないメニューらしい。連合西部の独特の食材だろうか。あんまりにも変な写真が多すぎるせいか魔法学院パンフ杯というネタコラージュの頁にうっかり迷い混んでしまう。あかん。こんなクソコラ見るくらいなら勉強せねば、あかん。

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