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黒の旅  作者: 岩城ぱれす
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エピローグ

 あれから二ヶ月、人類はまた繁栄した。いや、正確に言うと繁栄もなにもなかった。

 あの時、あの装置から撒かれたマリノの水の塊には、アクアウスを元の人間に戻す以外に、被害を受けた建物や人間をすべて元に戻してしまうというチート性能だった。なので、今は聞かなくてもわかると思うが、人類の人口は消滅する前と同じ人口に戻ったのだ。

 だが、一人戻らない人物を俺は知っている。

 マリノ・アスル。俺の、フリード・ビンジャーのただ一人の旅仲間でもあり、恋人だった人物。マリノは自分を犠牲にして世界を再生したのだった。これ以上ない名誉だとは思うが、未だに悔いが残る。あの時、なぜ止められなかったのだろうと。

 そうそう、アンリの事も話しておかなければならない。アンリはあの後、自分の本当の名前を知りに行った。そして、本当の名前がわかった。

 ジャッカル・バーン。それが本当の名前だったそうだ。本人は知った時嬉しがってはいたものの、自分の事を自分で、『アンリミテッド・ゲームズ・カンパニ・ガール・ストライク・ネオ・スターダム・オブ・ザ・サン・ドラゴエル』と言っていた。そして俺もその名前を言えるようになった。マリノの足跡を俺とアンリでこれからも守っていかなければならない。

 そして、世界が再生された後、俺は静かに小説家をしている。今回あったこの出来事を題材にした小説を今執筆中だ。アンリは、一流企業で働いている。ついこの間、部長就任を果たしたそうだ。イケメンかつ全てがパーフェクトのアンリだからこそできることだ。

「ん、誰からだ?」

 机の上に置いておいたケータイが振動し、電話がかかって来た。誰からだろう。あまりケータイは使ってないので操作が不慣れだが、電話に出た。

「もしもし」

『ああ、俺だ俺』

「誰だ?」

『そうキレるな。俺だ、アンリだ』

「何の用だ?今執筆中なんだが……」

『悪い悪い。まあ、短いから聞いてくれ。お前の所に花贈ったから、ちゃんと受け取ってくれ。暖炉に燃やすんではなく、な』

「なぜ、花を贈る?お前はもらう側だというのに」

『まあ、いいじゃねえか。じゃあな、こっちも忙しいから……』

「なぜ忙しい時に電話をよこそうと思ったんだ?」

 アンリはたまによくわからない行動をしてくる。今のもその一部だ。

 それより、なぜ花を?小説がベストセラーになったわけでもないというのに、なぜ?

 そのとき、家のインターホンが鳴り響いた。多分これが例の花だろう。

「話し終わった矢先に来たな」

 俺は万年筆を机に置き、玄関に行った。

「はいはい、受け取りますよ」

 俺はそう言いながら、玄関のドアを開ける。

「ヴェントガーデンです。アンリさんから頼まれてきま――」

「……っ!」

 配達員は、黒のシャツにジーンズをはいており、ピンク色のエプロンをしており、店のロゴが入った帽子をしていた。が、俺の目はその配達員に見覚えがあった。

 俺は配達員を抱きしめた。その振動でかぶっていた帽子が地面に落ちた。配達員はびっくりしていたが、すぐに言葉を交わしてくれた。

「気づきましたか?」

「ああ、忘れるわけないだろ……。ずっと、ずっと、会いたかった……」

「私も……会いたかった……恋人でもあり……夫でもあるあなたに」

 そう、あの時一緒に旅をし、困難を乗り越え、時には争い、時には一緒に泣きあった。その全てを過ごした本人、マリノが俺の前にいたのだった。

「なれたんだな、花屋に……」

「フリードも……静かに暮らせてるんですね……」

 俺とマリノはそう言いあい、そして、


 永遠の愛を誓い合った。


この物語は黒くて、黒くない恋の旅話……それは、いつまでも続いていく恋の話……

今回で本編は終わりです。長いようで、短かったですね。

そりゃそうですよね、限定連載なので(笑)。

終わり方としてはだいぶ変えました。こういう終わり方ではなったのですが、

ハッピーエンドで終わらせたかったので。

次の回で終わりです。次はキャラ設定などをあげます。

それで本当に終わりです(悲)。


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