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黒の旅  作者: 岩城ぱれす
4/7

黒の旅Ⅲ

 マリノと出会ってから三週間が経った。

 あれから、アクアウスとは結構出会う。やはり、『眠れる大地』に近付いているだけあって出現率が高い。それと、マリノの融合化はあれ以来起きていない。無論、分離化も起きていない。一応、マリノの体にはアクアウスが一体融合されている。無論とは言ったものの、いつ分離化が起きるかは分からないので、厳重に注意して行動している。

 そして今、俺達二人がいる所はトルコだ。トルコの廃墟、今は砂漠と化している所だ。そのド真ん中で休憩中だ。空は相変わらず真っ黒い雲が覆っていて、ジャンパーを着ていても寒い。

「大丈夫かマリノ? 今日はもう歩くのはやめるか?」

「いや、問題ない。気を使わなくても大丈夫」

「そうか……マリノがそう言うのなら進むが、つらくなったらいつでも言ってくれよ」

「ありがと、フリード」

 マリノは、お湯を飲みながらそう言う。

 相変わらずの、安定の低いテンション。出会ってからこのテンションだけは全く変わらない。もう少しテンション上げてほしいね。

 ここで約10分休憩をし、出発した。


 出発してから、一時間半が経とうとしていた。先ほどの砂漠地帯を抜け、今は草木が多少生い茂る平原に出ていた。ここにもかつて町だった形跡がチラホラうかがえる。錆つき根元から折れている信号機、植物によって侵略されたレンガの家、デコボコになり小さな川が流れている道路などいろいろな跡が残っている。

「こうして見ると古代の遺跡を歩いているようだな」

「ええ、ここもアクアウスによってやられたように見える」

 とマリノが言うが本当の事だ。屋根の上から豪快にえぐられている家や月面にある小さなクレーターのようにあいた地面などアクアウスが暴れた形跡が見られる。たまにだ。たまに、壊れた家の陰から人のものと思われる遺体が見える。

 こういう暗い事を考えるのをいい加減やめたいので、俺は一つの話題を出す。

「そういや、目的が達成したらマリノはなにをするんだ?」

「私は……その……」

 流石に恥ずかしいのかわからないが、マリノは話すのをためらった。まあ、俺がマリノの立場だったら俺も恥かしいな。なんで俺はそういうのを考えて話題を出さないのだろうか……。

 そう俺が少しばかり後悔していると、

「花屋さんを……したい……」

「おっ、かわいい仕事だな」

「……」

「そんなに照れるなよ……」

 照れているマリノを見ていると、自分の何かが発動しそうだ……って、なにを考えているんだ俺は!馬鹿じゃないのか!

「フリードは?」

「あ、俺はこの旅が終わったら、どうするかな~。とりあえず、ゆっくり暮らすとでもするかな」

「そう……なら、私と――」

 マリノが言いかけた時だった。近くで爆発音のような大きな音が鳴り響いた。音の振動で、木々がざわめき、壊れた建物がさらに崩れ壊れていった。

「なんだ、今の!?」

「わからない、でもすごく近くで起きた」

 そして、またその爆発音は起きた。今度は空に土煙が昇るぐらいの衝撃だった。

 この感じは……誰かがアクアウスと戦っているのか?だとすれば、俺達以外の人間に会えるかもしれない。この機会、逃すわけにはいかない。

「行くぞ、マリノ! 俺達以外に生存者がいるかもしれない!」

「ええ、わかった」

 俺はマリノの手を引き、爆発音が聞こえた方に走り出した。


 爆発音が聞こえた方向に走り出してから約五分、人らしきものに出くわしていない。それどころか、アクアウスにも出くわしていない。

「くそ、どこにいるんだ」

「フリード、あそこ」

 マリノが指さす方向には、木々が生い茂っていたが、その隙間からアクアウスの水の体が見えた。どうやら二体いるようだ。そしてどちらもでかい。この二体を相手にしている人間など本当にいるのだろうか。

 俺とマリノは交戦中と思われる方向に足をのばし、うかがってみた。

 そこで起きていたことはまったく想像もつかなかったことだった。

「なんだと……こんなことがあるのか……」

「初めて見た。アクアウス同士が、戦っている……っ!」

 そう、そこで起きていたことは、アクアウス同士が争っていたのだった。どちらも、ドラゴン型だ。見てすぐ分かった。背中からバカでかい翼が生えていて、がっしりとした足に太い爪。ただ、足にしても翼にしても水でできているため、迫力に欠ける所はあるが。

『グオォォォ!』

『グビエェェェ!』

 どちらとも雄たけびを上げ、戦闘を開始した。

 噛み付き、殴り、蹴り、ひっかき、とにかく何でもありの戦闘だ。見る限りどちらが有利なのかは分からないが、若干頭部に角がないアクアウス(以下角ナシ)が不利になっている。

「フリード、あれを見て」

 マリノが何かに気付き、教えてくれた。俺はすぐに教えてもらった方を見る。

「あれは……人間! しかも、親子だ!」

 角ナシの後ろには母親とその子供がいたのだ。母親は完全に腰を抜かし、その場から動けない状態になってしまっている。

『お前達、早くここから逃げろ! ここは俺が押さえておく!』

 角ナシがその親子に、なんと喋って指示をした。だが、母親は動かない。いや、動けないのだった。

『グオォォォ!』

 角があるアクアウス(以下角アリ)が角ナシを投げ飛ばす。そこから、親子に向かってくる。子供だけでも逃がそうとしている母親だが、子供はまだ歳が二歳ぐらいの子だ。意味など分からないだろう。

「助けに行くぞ、マリノ」

「わかったわ、フリード」

 俺とマリノは親子を助けに懸命に走った。が、もう遅かった。角アリはそのまま母親にかぶりつき、口にくわえた。

「いやぁぁぁ!助けて! 助けて!たす――」

 母親が悲鳴を出しながら助けを呼ぶが、もう遅い。そのまま角アリに上半身と下半身を離されるように噛み切られ、食べられていった。そして、地面に下半身が落ちる。下半身の周りは血で染まり、匂いにつられたのかバード型アクアウスが群がった。

「グオォォォ!」

 そしてまた雄たけびを上げた。残された子供は下半身だけの母親の死体をただじっと見つめている。

「せめてあの子だけでも……」

 と、マリノは言うと子供の所まで一人で走り出し行ってしまった。

「待て、マリノ!一人じゃ危険だ!」

 俺もそう言い、マリノを追いかける。今のマリノは何をするかわからない。もしかしたら、また融合化をするかもしれない。今度は自分の意思で。

 しかし、マリノが助けに行ったのも意味なく、目の前で処分は下された。

『グオォォォ!』

 角アリは、さっき母親を襲った勢いで、子供を襲った。子供はすぐさま口に運ばれ、鈍い音をならし、食べられていった。

「そんな……そんな……」

「落ち着け、マリノ……落ち着くんだ……」

 俺はようやくマリノに追いつくとマリノを落ち着かせるため、マリノの手を握りながらそう言った。

「また、人が……自分のせいで……人が死んだ……」

「マリノのせいじゃない……遅かっただけなんだ……」

 マリノの体が光出すが、俺は励ますのをやめない。ここでマリノも死んでしまったら最悪の事態になる。マリノ、融合化だけはするな。しないでくれ。頼む。


「うっ……うあぁぁぁ!」


 だが、ダメだった。守れなかった。

 マリノは融合化を開始し、周りにいる全てのアクアウスを吸い込み始めた。

『グガオォォォ!』

『『『キエェェェ!』』』

 角アリ、そしてバード型もマリノの体に吸い込まれ、融合化されていった。

「うっ……うっ……ううっ……うっ……うっ……はあ……はあ……はあ……はあ――」

 マリノは融合化した後、気を失わず意識を保ちながら、息遣いも荒くふらふらではあるが、融合化されなかった角ナシの所まで行き、膝から倒れ込んでしまった。が、そのまま角ナシに語りかけた。

「ごめんなさい……守れなかった……あの人も……あの子も……ごめんなさい……」

『いや、いい。お前達はよくやった。助けに行っただけでも、よくやったと私は思う。だからそんなに自分を責めるのはやめるのだ、マリノ・アスルよ』

 角ナシから驚きの情報がでてきた。角ナシは今確かに、マリノの名前を、しかもフルネームで答えたのだ。

「角ナシ、なぜマリノの名前を知っている?」

『それはだな、私はマリノ・アスルに融合化されたアクアウスだからだ』

 ここでまたも、角ナシから驚きの情報が話される。融合化されたアクアウス……もしかしてあの時の実験の……。

「もしかして……あなたは……」

『そうだ、あの時の実験で一番最初に融合化された私だ。久しぶりだな、マリノよ。ずいぶん成長したじゃないか』

「あの子……あの時のあの子……あなたはまだあの時のまま……」

 マリノはホッとしたのか驚いたのかわからないが、そのまま横に倒れ寝てしまった。

『まだ、時間旅行は続いているようだな』

「お前はどこまでマリノの事を知っているんだ?」

『そう言うお前はどこまで知っている?』

「俺は、実験に利用されていたということだけだ。時代を巡るというのも聞いたが……」

『では、マリノがアクアウスという事はわからないか?』

「なにっ!?」

 そんなことマリノから聞かされない。今初めて知ったことだった。俺は角ナシの話を聞く体制になった。

『マリノ自身も知らないようだが……まず最初に知ってもらいたいのは、我々アクアウスは人間に作られたということだ』

 なんとアクアウスは人間が作った生物だったという事が判明した。

 もしかしたら、マリノは両親の血を受け継いでいないのかもしれない。

「角ナシ、じゃあマリノには両親の血は入ってないのか?」

『いや、入っている』

「じゃあ、どうしてアクアウスと言えるんだ?」

『マリノは女性の子宮内で育てられたのではない。人工子宮のなかで作られたのだ。作り方としては、卵子とアクアウスの遺伝子情報が入った精子を受精させて作られた』

 それってもう母と父の子ではなく、母とアクアウスの子になっているとしか思えない。いや、でも、それでもマリノは……

「それでも、マリノは人間なんだろう?」

『いや違う。マリノは最初は人間だと誰もが思ったが、アクアウスの遺伝子情報が強すぎて、ほとんどがアクアウスに寄った体になっている。寄っているからと言って、水の体を持っているわけではないがな』

 アクアウスに寄った体……これをマリノが聞いたらどうなるのだろう。俺はそんなマリノを見ているしかないのだろうか?

『で、話を戻すが、我々は人間によって作られた。じゃあどうやって作られたかというと、人間の物質をほとんど水にし作り変えた。だからわかってほしい。私達アクアウスは元は人間だった』

 アクアウスは元は人間。俺の耳から頭にその言葉が入るまでは一秒かからず入って来た。

 じゃあ、今まで俺が殺してきたアクアウスは……全員人間だったということなのか?だったら俺はどれだけの命を奪ったことになったのだろう……。

「俺は……今まで……」

『そんなに落ち込むな。アクアウスになり自我を保っている奴らはほとんどいない。自我が保てない奴らはただの化け物だ』

「それでも……あいつらは人間だったんだろ!それなのに俺はころ――」

「そんなことない」

 俺が言いかけた時だった。気を失い倒れていたマリノが起き、俺の腕をつかんでそう言った。もしかしたら今までの話を全部聞いていたのかもしれない。

「マリノ……」

「そんなことない。フリードは私を守るために殺してくれた。だからそんなにせめないで」

 マリノは俺を励ますようにそう言った。

 そうは言われても、俺はやっぱり殺した。何匹も、何十匹も殺した。そのことに変わりはない。

「でも……俺は殺して――」

「殺してない!」

 自分を責め続ける自分に、マリノは怒鳴った。普段の細い声に芯が入った声で俺を怒鳴った。マリノの目は訴えるように涙目になっていた。

「もう自分を責めないで。お願い……」

 マリノは俺にそう言うと、下を向き黙り込んでいった。

「……わかったよ。責めるのはやめる。だが、もう俺は戦わない。それでもいいか?」

「……うん」

 俺はマリノにそう聞くと、マリノは少し間を開けて返事をした。

 こんなことを言う自分が本当に悔しくて仕方がない。これからはマリノを守れないのかと思うと胸が痛む。俺は、約束を破ったのだ。あの時誓った約束を、簡単に破ったのだ。

『これからお前達はどこに行くのだ?』

 俺とマリノが暗い感じになっている所に、角ナシが話をしてきた。それに俺はこう答える。

「眠れる大地に行くが」

『ほほう……なら好都合だ。私もそこに行かなければならない。もう一人の私を倒すために』

「もう一人の私?」

 角ナシは確かにそう言った。そう話した。

 もう一人の私とはどういうことなのだろう。双子ということなのか?自分と同型ということなのか?

『そうだ、もう一人の私をだ。私は、元は単体だった。が、マリノに融合化をされた時に、分離したのだ。正義と悪に』

「何故分離したんだ?」

『たぶんだ。人間の中にある良い心と悪い心が私と反応し、それが分離に影響したのだと思う。あまり私も知らないが』

 たぶんとは、アクアウスの口からそのような言葉が出てくるとは思わなかった。自分の事が把握しきれてないと思うといろいろと厄介だな。

『今、もう一人の私は眠れる大地にいる』

「何故そう言い切れるんだ?」

『あいつと私は意思が繋がっている。だから、考えていることも、どこにいるのかもわかるというわけだ』

 意思が繋がっているのか……。意思が繋がっているのがわかるのなら、分離した時の事も正確にわかるもんじゃないのか?そこの所がホント厄介だ。

『とにかくだ。私はもう一人の私を倒さなければならない。そして、お前達も私と同じく眠れる大地を目指している。ならどうだろうか。私と一緒に行かないか?』

「どうするマリノ?俺はいいが……」

「……あの子が悪い子になったのも私のせいだから行く」

 マリノは俺の質問に対し、冷静にしっかりと答えた。帰って来た答えはOKだ。もうこの話の中で決まっていたらしい。そうとなれば早速眠れる大地に出発しなければならない。

『さあ、乗れ二人とも。早くここから出発するぞ!』

 角ナシはそう言うと、俺を口でくわえ背中に放り投げた。

「なあっ!」

「フリード大丈夫?」

『すまない、力加減ができなくて』

 角ナシは俺に謝罪の言葉を言い、長い首を前に向かせた。マリノは、自分で背中に這い上がった。できれば俺もこう言う感じで乗りたかった。未だに背中が痛い。

『では、行くぞ。フリードと言ったな、マリノをしっかり支えろ』

「お、おうわかった」

 俺は角ナシに言われるがまま、角ナシの首に捕まるマリノを背中から抱きしめ固定した。

「少しの間がまんしてくれ」

「大丈夫、私もこういうのがしてみたかったから」

「なにか言ったか?」

「……何でもない」

 マリノが何かを言ったような気がしたが、気のせいだったらしい。

 そして、角ナシは勢いをつけるようにバカでかい翼を羽ばたかせ天に飛んだ。

「おお、すげぇ」

「どんどん加速していく……」

『目的地まで三十分あれば着く。それまで景色でも見ていてくれ。それか聞きたいことがあれば聞いても構わない』

 角ナシが何か言っているが、今の俺達はそれどころではない。マリノはしがみつくのに精いっぱい。俺はそんなマリノを支え固定するのに精いっぱいだ。こんなにスピードが出るとは思わなかった。普段、戦闘機とかはこれより早いスピードで移動していると思うと、科学の力が偉大に思えてくる。そして今の状態なによりきついのが寒さだ。体感温度、マイナス五度は出てるな。寒すぎる。マリノが凍え死なないか心配になる。その前に俺が凍え死んだら意味がないのだが。

「そういえば、あなたの名前は?」

『私の名前か? そんなものはない。呼びたければ勝手に名前でもつけてくれ』

「では、あなたの名前は……」

 マリノの事だから、おそらくあまりつけられてない名前とかをつけるのだろう。セバスチャンとかな。それともコンプレックスとかな。

「アンリミテッド・ゲームズ・カンパニ・ガール・ストライク・ネオ・スターダム・オブ・ザ・サン・ドラゴエル……というのはどう?」

 めちゃくちゃ長い。確かに、あまりつけられない名前だが、長すぎるだろう。俺が聞きとったのは一部だけだぞ。アンリミテッド・ゲームズ・カルパッチョ・カール・ストライ……わからない。というか絶対間違えた。

『気にいった。いいだろう。アンリミテッド・ゲームズ・カンパニ・ガール・ストライク・ネオ・スターダム・オブ・ザ・サン・ドラゴエル、それが私だ。私の名前だ』

 何気に気にいっている!しかも、名前をすらすら言えているのがすごいんだが……。

「よかった気にいってくれて。ありがと、アンリミテッド・ゲームズ・カンパニ・ガール・ストライク・ネオ・スターダム・オブ・ザ・サン・ドラゴエル」

『いや、こんなに素晴らしい名前をくれた君は本当にいい人だ。ありがとうマリノ。この、アンリミテッド・ゲームズ・カンパニ・ガール・ストライク・ネオ・スターダム・オブ・ザ・サン・ドラゴエルと言う名前を名付けてくれて』

 ダメだ。俺の耳が衰えていない限り、この二人?は、完全に名前を覚えている。マリノと言い、アンリミテッド……といい何者なんだこいつらは。

 こんな感じで、飛んでいる時だった。奇襲を受けた。最悪の事態がここで起きたのだった。防ごうとしても防げなかった。なぜならそれは、

『つ、翼が……』

 アンリ(アンリミテッド)の翼が突如いきなり爆発しボロボロになったのだ。

 翼がボロボロになり、当然のように地上に落ちていくアンリ。俺達はそんなアンリの首に捕まっているしかなかったのだった。


『大丈夫か、お前達?』

「ああ、大丈夫だ」

「同じく私も」

 とりあえず全員大丈夫だった。地面がクッション性のある草むらでよかった。唯一の怪我はすり傷程度だ。

『お前達は早く行け! ここは私が食い止める!』

 アンリは、四本の脚で立ち上がると、首を高く上げ、鉄壁のように立ちふさがった。

「アンリ、お前だけじゃ無理だ!俺も――」

「来るな! お前はマリノを連れて目指せ! 眠れる大地を!」

 アンリは威嚇するように尻尾を振りそう言うと、前を向いた。

 アンリの言うとおりだ。たぶん、アンリは俺が戦えないことを知っていて、来させなかったのだろう。そうなれば俺ができることはただ一つ――

「アンリ! 絶対に来いよ! 生きて待ってるから! マリノ行くぞ!」

「でも、アンリミテッ――」

「大丈夫だ! アンリならきっと……」

 俺はマリノの腕を引き、そのばから離れるように走り去った。

『(それでいい、フリード。私もそっちに行くからな、絶対に!)』

『キエェェェ!』

『来たか! もう一人の私が送った追手! 私は逃げも隠れもしない! さあ、かかって来るがいい! 全身全霊で!』


三話目になりました。

三話目ですが、もうだいぶ終わりに近づいてきました。

もう少し続きますが、付き合ってください。


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