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第30話


遅くなりました´д` ;

御代さん視点と葉月ちゃん視点です


「おい」

「なんです」

「ふざけてんのか」

「いえ」

「・・・はぁ」


(最近、会っていないようだとは思っていたが、ここまで落ちるとは正直、予想外だな。)


「・・・嬢ちゃんはどうしたんだよ」

「なんのことです」

「ここ数日、嬢ちゃんの姿は見ない、お前は仕事に身が入ってない、どう考えても何かあったとしか考えられないだろ。けんかでもしたのか」

「何もありませんよ・・・何も・・・」


その態度に何かあったということは察する事ができるが、何があったのかまでは判断できない。

本人達同士の問題だと言ってしまいたいがそれを言うには目の前の男(とうご)は不安定すぎる。


「何もないならしっかりしてくれよ、このままのできじゃ会議にも回せない」

「・・・・・・・分かってますよ」


呟いた東悟に内心ため息をつき、御代はしなければならないことを頭に思い描きながら家を後にした。


(嬢ちゃんに会いに行くか・・・)


東悟の様子にお節介だと分かっていながらも御代はそう決意した。



***


家まで送るという木之瀬の申し出を断り、葉月は街灯の薄暗い明かりが照らし出す夜道を一人歩いていた。

なにより、このまま木之瀬と共にいたら今以上に彼に縋ってしまいそうで、葉月そんな自分が怖かったのだ。

一時の慰めと引き替えになくすものは大きい。


『優しさに甘えればいい。俺はそんなお前に付け込んでるんだから、それくらいのことで嫌いになったりしない。もっと器用になれ』


帰り際、告げられた言葉を思い出し、葉月は唇を噛んだ。

木之瀬のことは嫌いではない。

上司として尊敬しているし、頼りがいもあり、好きか嫌いかと問われれば、好きだ、と答えるだろう。

けれど、それは人としてであって、男としてではない。

だから、こんな中途半端な想いを抱えたまま誰かを・・・木之瀬を利用するなど葉月にはできない。

そんな自分は不器用なのではなく、臆病なのだ。

そう、今だって前に進もうと決心したにもかかわらず彼からの拒絶が怖くて、いつまで経っても膝を抱えて泣いていたあの頃と同じで・・・前に進もうとしない、臆病で恐がりなままだ。


「よぅ、嬢ちゃん、こんな時間に一人歩きは感心しないな」

「・・・御代さん」


マンションのエントランス、待ち構えていたように御代が声を掛けてきた。


「何か用事ですか」

「東悟のことだ」


いきなり核心を突いてきた御代の言葉に葉月は笑った。


「なんだ」

「いえ、だいぶ直球だな、と」

「遠回しな言い方をしても仕方がないだろ」

「そうですね」


確かにこればっかりは遠回しに話しても何も始まらないだろう。

そういう点では御代の言葉は正しい。

ただ、言うなれば、お節介だ。


「何が聞きたいんですか」

「東悟に何を言った」

「私が何かしたことが前提なんですね・・・・・・好きだと、言いました」

「いつ」

「10日ほど前です」

「それで」

「それ以降、会ってません」

「はぁ・・・場所を変えるぞ」

「はい」


どこに行くのかも告げないまま、御代は葉月を促し歩き出した。






東悟さんまたしても出番少ない・・・

最近、木之瀬さんに出番喰われまくりだな、おい!(・Д・)ノ

そして、ダンディー御代、動きます!

そして明らかになる過去・・・(@ ̄ρ ̄@)

(はたして、明らかになるのか・・・)

それは、作者にも分かりませーん(何処までも行き当たりばったりなもので・・)


でも、読んで下さっている皆様の為に、頑張ります!!


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