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第24話


東悟さん視点・・・

暗いです。



急ブレーキの音

純白の雪に広がる紅

降り注ぐ淡い月光

静寂に満ちるそこに漂っていたのは死そのものだった。


「・・・っ・・・はっ・・・」


目覚めた東悟は浅い呼吸を繰り返す。

周囲を見渡しそれが夢なのだと認識する。

寝汗のせいで体に張り付いたシャツに不快感を感じつつ、髪に指を差し込み、何かを探すように手を伸ばす。

無意識のうちに行ってしまったその行動に自嘲する。

視線を向け、誰も居ないことを確認するとひどい孤独感に襲われた。

一人で眠るには広すぎるほどのベッド。

以前はそんな風に感じたこともなかった。

それが当たり前であり、このベッドで眠ることなどほとんど無かったからだ。

何よりどんなに女性と関係を持とうと行為の後に共に寝ることなど皆無だった。

だからだろうか、葉月と共に眠るようになった今、それを広いと感じる。

彼女のおかげでここしばらく見ていなかった夢を見た。

縋るぬくもりがないことがこんなにも己を恐怖させることだと気づいてしまった。

自分がそんな当たり前を得てはいけないということを嫌というほど理解しているというのに。

変わらない日常、そんなのは嘘だと思う。

何故ならばさまざまな日々の破片を乱暴に積み上げた日常ほど、危ういバランスを保っているものはないからで・・・

それは、些細なきっかけひとつで、バラバラと音を立てて崩れ去っていくものなのだ。


「・・・」


遮る雲ひとつない空から青白い月の光が室内に降り注ぐ、静寂に満ちた室内。

自分の呼吸の音だけがこだまする。

再び眠りにつくことを早々に諦め、ため息を零すと東悟はベッドから出た。

台所から水の入ったペットボトルを取り出し、仕事部屋としている部屋に入ると、机の引き出しから薬を取り出し呑む。

そのまま倒れこむように椅子に腰掛け、背もたれに背を預けて瞼を閉じる。

意図的につくられた闇に過去が迫りくる。

もはや、逃げ出すことすら許してくれないそれに、逃げることをあきらめたのはいつのことだったか。

記憶に埋れたそれは遠い過去のようにも、昨日のことのようにも感じる。

彼女(はづき)との距離もまたそうだ。

誰よりも近くにいるようで、自分と彼女は誰よりも遠い。

触れられる距離は近いけれど、

心に触れるには遠い。


否、自分は恐れているのだ。

誰かの心に触れる、そのこと自体を・・・

人を愛する、そのことを・・・






自分で書いていてなんですが、暗い、暗すぎるぞ東悟!!!

ちらつく東悟さんの過去、いったい何があったのでしょうね。

こんなこと書いといてなんですが書ききれるのか・・・心配(お馬鹿)

まぁ、どうにかします。

夜中にこんなもの書いていると、作者の方が病んでしまいそうなので、東悟さんの過去は垣間見える程度に今回は抑えておきます。

もはや書くのがしんどいから・・・


まだまだ寒い日が続くと思いますので、くれぐれも体には気をつけてお過ごしください。(健康ってすばらしい!!!)




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