第22話
まったく違うものを投稿していましたすいません((((;゜Д゜)))))))
「・・・」
気づけば、リビングにいた。
正直、葉月はどうやってここまで帰って来たのかすら覚えてない。
告白された・・・その記憶はある。
「・・・」
ペタリと床に座り込むと、ひんやりとした感覚が足元から駆け上がる。
断らないといけない・・・・・・
それは分かっている。
自分は木之瀬が思っているような女ではない。
ただ・・・本音を言えば、彼との、名前のつかない曖昧な関係・・・いつ終わるとも分からないそれを続けていくことが・・・苦しいのだ・・・
(弱くなったなぁ・・・)
膝を抱えてうずくまる。
木之瀬と付き合えば普通の恋愛ができる。
今みたいな苦しい思いをしなくても良い。
そんな考えが一瞬頭に浮かんだ。
「・・・ばかだな・・・」
比べられるものではない。
なにより、そんな風に思うこと自体、木之瀬に失礼だ。
「ふっ・・・くっ・・・」
ドロドロとした感情が体中を渦巻く。
そのことが苦しくて、苦しくて、葉月は嗚咽をかみ殺して泣いた。
(こんな感情、知りたくなかった・・・)
どれくらいそうしていたのかは分からないが、ほんの少し開いたカーテンの隙間から淡い月の光が差し込んできていた。
床に体を横たえ、葉月はそれをぼんやりと見つめる。
「月が明るいのは、夜、悲しんでいる人を慰めるため・・・か・・・・・・・」
呟き、そのとおりなのかもしれない・・・と思う。
室内を包み込むような優しい光に葉月は確かに慰められている。
「・・・」
そのことにまた、涙が出てきた。
どうしようもない自分の心から目を背けるように葉月は瞼を閉じた。
己の体温により仄かに温かくなった床に額を押し付ける。
そうして、無意識のうちにぬくもりを求めて手を伸ばしてしまいそうになるのをどうにかして押し込める。
「・・・」
こんなにも自然にぬくもりを求めてしまう・・・そうして気づいた・・・側にいすぎた・・・・と
そして、
もう・・・引き返すことの出来ないところまで囚われているのだ・・・とも
でも・・・
それでも、葉月はそのことを認めたくない。
認めてしまえば、きっと、葉月は最後の最後で彼に縋ってしまう。
この手に出来ない。
そのことが分かっているのならば、多くを望んではいけない。
それをしてしまえば、最後に手元に残る過去に苦しくなるだけだ。
そこまで考えて、葉月は自身の思考に蓋をするかのように泣きすぎた疲労のために襲ってくる眠気に身をゆだねた。




