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第19話


「泣くのは私、か・・・」


ぐるぐると先ほどの御代との会話が頭の中をこだまする。

そうして思うのだ。

もしもあの日、出会ったりしなければ・・・こんなにも苦しい想いを再びすることもなかったのではないか。

『恋い焦がれる』そんな感情を呼び覚ましてしまうこともまたなかったのではないか・・・と。

想いが消えないのならばいっそ彼から離れてしまえば、この想いは時間とともに昇華されるのだろうか。

そこまで考えて、それは無理だと自嘲する。

そんなことが出来たならば葉月はとっくの昔に東悟(かれ)の元を去っている。

今の関係をどうにかするには葉月が一歩踏み出さねばならないのだ。

けれど・・・

踏み出すということは彼の心に触れるということ。何かをひた隠そうとしている彼のそれに触れるということは、同時に今のこの関係を手放すということにつながってしまうだろう。


(そんなこと出来ない・・・)


葉月にはもう一度手にした温かなぬくもりを自ら手放してしまうような選択肢を取ることはまだできない・・・否、そんな覚悟など無いのだ。


(自分はいつからこんなに弱くなってしまったのだろう)


それでも、いずれ彼が葉月の手を放すとき、自分はきっと彼を引きとめはしないだろう。

これは予想ではなく確信だ。

・・・どんなに思っていても、手放さないといけないものが時があるということを葉月自身知っているから。それに、離れ行く彼に縋ったところで葉月の手に残るものなどない。

ならば、幸せな思い出だけこの手に残して離れられたほうがずっと幸せだと思うのだ。


「・・・空が高いなぁ・・・」


闇夜に一人寂しく浮かぶ月を見て、かわいそうだともうらやましいとも思う。そして、それを掴むように手を伸ばすと、一回りほど大きな細く長い骨ばった手が葉月の手に重ねられた。

いつ触っても冷たいその手の感触に葉月は苦笑する。


「冷たいですね」

「では・・・温めてくれますか」


ちらつく御代の言葉を振り払うように小さく首を振り、「いいですよ」と葉月は重ねた手を握った。





葉月ちゃんがどんどん深みに嵌っていく~~~(涙)


優柔不断な男はいけませんね!!!

情けない男になりつつあります、東悟さん。

書いてて悲しい・・・(初期設定はこんなキャラではなかったはずなのに)



さてさて、今年も残すところ後一週間ほどとなってしまいました。

絶対に完結できません!(威張るな)

まぁ、年始末は皆様何かと忙しいと思います。

かくいう作者も掃除とか掃除とか掃除とかをしなくてはいけません・・・(嫌いではないんですよ、ただ・・・やる気スイッチが入らないとしようと思わないだけで・・・)

一年の汚れを落とし気持ちよく新年を迎えるためにするんですけどね!!

皆様もがんばってください!いろいろと!


次話の更新はもしかしたら時間が空くかもしれませんがどうか、作者のことを忘れたりなさらないでくださいね!




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