復活のスチャラカOLお泊り編(四百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「積読」と「空耳」をお借りしました。
律子はスチャラカなOLであるが、何故か同じ会社で一番のイケメンの藤崎君と付き合っている。
今日は藤崎君が久しぶりのお泊りなので、律子は黒の下着を身に着けている。
「相変わらず、りったんの部屋、散らかってるね」
藤崎君はそんな律子の下心も知らず、爽やかな笑顔で言う。
「これでも結構片づけたつもりなんだけど」
人の忠告を聞かない律子であるが、愛する藤崎君に指摘されるとさすがに焦るようだ。
「僕と一緒に書店に行った時に買った小説がそのままだね。もう一ヶ月くらい経つでしょ?」
藤崎君はベッドの宮に山積みの文庫本を見て言った。
「趣味は積読です」
律子は苦笑いして言い訳にもならない事を言う。
「そんな事よりさ、早くお風呂に入りましょ」
大胆発言をする律子。藤崎君は聞いてなかったみたいで、
「何か言った?」
「何も言ってないよ。きっと空耳だよ」
念押ししてまで一緒に入ろうとは言えない律子。
黒の下着が無駄になりそうである。