イメチェンして幼馴染に再会したけどオレは幼馴染をバカにして結果嫌われた⁉︎
オレの名前は、河田 湖亜。
今、高校入学早々学校でオレを知らないやつはいないってくらい、オレは有名だ。
まわりからは、ヒソヒソと声が聞こえてきます。
やらかし魔で有名なわけでは、ありません。
サッカーが上手いってことで、有名になっております‼︎
「河田くーん♡」
「河田ー‼︎」
もうさ、男女問わずモテモテですやん。
で…
モテすぎて、目的達成できず…です。
なんの目的かといいますと…
そもそも、オレは幼馴染の水紀 綾果に三年ぶりに再会して、キュンさせるつもりなのだ。
あの幼馴染のモッサかった湖亜が…あの湖亜が‼︎
めっちゃイケメンに進化して、わたしを迎えにきたのね♡的な再会を狙って。
そもそもオレは、小学六年までモッサイもっ際祭り開催中でした。
運動なんてめもくれず、ゲームとお菓子しか脳内になく、美になんてこれっぽっちも気にしない生き物でした。
しかし…
幼馴染の綾果は、とにかく明るく爆発的な笑顔でみんなが取り囲むくらい大人気でした。
…まぁ、見た目も抜群だったしさ。
ツヤツヤポニテで、運動もできて頭もよくて鼻すじスーっで、笑顔を絶やさずニコニコで、性格もいいんだから、そりゃね…
てかさ、スポーツ万能で色白ってのは…これはもう反則ですね。
意味がわからないってやつ。
あと、ポニテがサラサラすぎて髪っていうより、アクセ?ってくらいキラつゆつゆだくでしたよ。
絞ればキラキラの宝石がほろほろ舞い踊るくらいキラつゆでした。
いや…そもそもそんなキレイな髪をみて、心躍らせていたのは、このオレッす。
そんな綾果を赤ちゃんのときから、ずーっと一緒に過ごして隣にいたんだから、そのすごさはよくご承知しておる。
そんな幼馴染に憧れて、離れれば離れるほど愛おしくて、羨ましいくて、尊敬しまくって、オレも六年生の引っ越しを機に、運動、ビジュ、勉強を頑張って、今ここにいます‼︎
同じ高校になったのは、偶然ではない。
そもそも綾果は、昔からこの高校に行きたいって言っていたんだ。
綾果の憧れの母親が、この高校の卒業生だから。
綾果の母親は、看護師さんをしていて、とてもかっこいいのだ。
オレも一度だけ、綾果と病院で綾果の母親が働いている姿をみて、心から尊敬したことを今でも思い出す。
綾果も、そんな母親をみてきたからこそ、素敵な女性になったのだろう。
早く綾果に会いたい‼︎
三年ぶりの綾果のキラキラした笑顔を、オレに向けてほしい‼︎
そんなおもいで、入学式から一日後…やっと綾果に出会えた。
「綾果‼︎よっす‼︎」
綾果に声をかけると、綾果は…
綾果は…まさかの…ムシ?
なんなら、眉をひそめ軽くオレを睨んだ?
えっ?
綾果…?
綾果で間違いないよね⁇
髪型こそ、ポニテからボブになっているけど…
完全に綾果なのに…
なのに、どうして…
唖然としているオレを放置して、綾果は行ってしまった。
冗談だよーぅって…戻ってきたりは…しない?
え…
冗談…なんだよね?
…
…
数分後…
ポツン
…
冗談じゃなかったっぽい…。
あれ?
もしかして、オレのこと気づかなかったのかもしれないね。
あの有名な湖亜さまが、まさかこのわたしにお声がけするなんて…ってさ。
だから、気を取り直して次の日、もう一度話しかけてみたんです。
「綾果ー」
って。
そしたら、綾果がまさかの…
「なんですか?」
ってさ、敬語…
なんなら、軽くキレてるっぽい?
「オレ…オレだよ。河田湖亜」
「…だから、なんですか?」
「なっ…オレだよ?」
綾果は、けげんそうな顔をしたあと、
「あなた、さぞかし有名なのかもしれませんが、あなたとわたしは、なんの関係もありませんし、なにより気軽に話しかけてこないでください‼︎」
と、一喝されてしまいました。
…
え…
小学生のころは…あんなにみんなに笑顔で…いつもニコニコだったのに…
なんで?
この三年間で、どうしてどうなってなんなんだよ⁉︎
…
あ、オレが有名になりすぎて嫉妬でもしてるのかな?
…
そもそも、そんなうつわの小さい人間じゃなかったような…。
あー、恥ずかしいのか?
オレがこんなに有名でイケメンになったから、照れ隠しってやつ?
…だといいけど。
おそらく違う…っぽい。
オレは、父親の転勤で三年間綾果と離れてしまい、しかも戻ってきた場所は、もう綾果の隣の家ではない。
そもそも、オレたちはマンションだったのだけれど、今回戻ってきた場所は…まったく別のマンションだった。
転生したら、別の場所だった…いや、転生してねぇ…
てか、
転校したら幼馴染が別の人格だった…
あ、もしかしてただの似てる人だったのかな?
フルネームきちんと確認してなかった。
綾果にきちんと確認したらいいんだよ。
連絡先…
知らねー…
そもそもあのころ、いっつも連絡なしに隣だったから、行き来してたけど…
携帯なんか持ってなかったし…
…
てかよ、やっぱりあの人
綾果で間違いないんだよなぁ…
…なんか綾果は、容姿はそのまま美しいのだけれど、心がないようにみえた。
昔は、あんなにキラキラで皆から親しまれる存在だったのに…
なのに、どうして…
夜の自主練で全力疾走して、綾果の笑顔を思い出しては、心のない綾果の表情を思い出す。
どうして…どうして…
…
綾果のまわりには、いつも友達がいたのに、今はポツンだね?
「おい、綾果…一緒に飯食おうよ」
「いや」
…
でも、オレはめげない。
裏庭のベンチにポツンの綾果をみつけて、隣に座った。
そしたら、綾果が泣き出してしまった。
え…
落ち着いてから、理由を聞いてみた。
すると、男子はかっこいいからって、男子からのいじめってあんまりないけど、女子はかげで色々やってくるんだそうな。
ましてや、そんなモテ男といたら、なおさら妬まれてまた陰湿ないじめにあうから、わたしに構わないでと。
それを聞いたオレは、
「おまえほんとどんくさいなぁ。そんなんじゃモテないぞ。まったく」
と言ってやった。
綾果は、驚いた顔をしていた。
その日から、オレは綾果いじりをした。
「よう、クソッタレ」
とか、
「アホ、元気か?」
とか。
すると、自然に女子が
「ねぇ、ひどくない?大丈夫?綾果ちゃん?」
と、綾果を気にしてあげるようになった。
一方でオレは、いいのは顔だけと、言われるようになった。
それでも構わない。
綾果が笑って暮らせるのなら。
それからオレは、三年間女子からモテることは、なかった。
そのまま卒業して、数年後…
オレは綾果と病院で再会することとなった。
オレは、医者になった。
綾果がたぶん看護師になるから、オレは医者になろうかなと目指し、ここまで頑張れた。
だから、どうした?って言われたどうもないんだけどね。
「つぎのかたどうぞ」
…
固まったよね。
「綾果…じゃん」
「そうだよ。わたし、この病院の婦人科に勤務してるの。偶然湖亜をこの前みかけてね。今日は、湖亜にお礼ついでに診察してもらいたくて」
「え?お礼ついでに?」
「そうよ。わたし、卒業してからも胸がずっと痛くて…治らないの。治してよ」
……
「じゃあ、とりあえず心拍みてみるね。」
…
「うん、音は乱れてないね。じゃあ、心電図とろうか」
「必要ない」
「え?最近とったばっかり?」
「ううん。この痛みは湖亜をおもうとおきるやつなの。高校のとき、わざとわたしを庇ったでしょ。バカ…」
…
「え、それって…」
「なんで黙っていなくなるのよ?もう、わたしの前からいなくならないでよ…」
綾果…
「綾果…ずっとオレのせいで心の痛みを抱えていたんだね。でも、もう大丈夫。処方箋出しておくね。」
オレは、そっと連絡先を書いた紙を綾果にわたした。
綾果は、言った。
「この病院は、赤ちゃんがうまれる他にも、愛がうまれる病院でもある?」
と。
だから、オレは
「もちろんだよ」
とこたえた。
おしまい♡




