入学試験2
朝が来た、今日が試験だ。目が覚めて、身支度を済ませる。
宿の朝食も済ませ、宿をあとにする。
この宿も良かったな。いつかまた行きたいな。
宿から王立学園までは徒歩20分くらいで着いた。意外と近いんだな。
さすがは王立だな、受験者数がおかしい。こんな人が多いところ初めてくらいだぞ。
貴族もたくさんいるっぽいな。平民の俺からしたら落ち着かないな。
そう思いながら受付へ行く。
「すみません、これ、受験証明書です」
「結構ギリギリだったね、君は…実技試験が先で筆記試験が後か、緊張するかもだけど頑張ってね」
受付は在校生がやっているのか、大変そうだけど、めっちゃ優しいな。
やっぱりこういうところも王立はすごい。
そこから10分ほど経ち、アナウンスが流れてきた。
『実技試験の方は、王立魔法学園競技場までお越しください』
そして俺は競技場に向かった。
これはデカいわ。競技場。
ありえないくらい大きいな。さすがは王立、さす王。
中には少なくとも200人はいる。多すぎ。
これからどんな実技試験が待っているのだろう。
毎年傾向はあるらしいが全く予測がつかない。
そんな事を考えていると、周りが騒がしくなってきた。
「おいおい、あれ見ろよ」
隣の奴が話しかけてきた。どうしたんだ?
みんなの目線の先には一人の女性がいた。
「どうしたんだ?あの女の人ががどうかしたのか?」
「マジかお前…ちゃんと見ろよ!あの人の胸にある紋章、ありゃ三大公爵家のうちの一家、ティーノ公爵家のものだぞ!」
まじか、三大公爵家があることは知っていたが、紋章までは知らなかったな。
「そうなのか…」
やはり良い教育を受けてきたのだろう。公爵家のお嬢様は余裕ありげだ。
「皆さん、静粛に」
急に上から声がした。
上を見ると、一人の老紳士が浮いていた。って浮いていた?すごいな。
「私の名前はグレオス。一応学園長をしている。これから実技試験を開始するので説明を行う」
が、学園長だったんですかあなた。しれっと出てきすぎですよ。
学園長の説明によれば今年はある先生と一対一で木刀を使い戦うらしい。その先生は防御に呈し、どちらかが木刀で頭を叩いたら終了のようだ。ちなみに全然魔法も使っていいらしいが俺には無関係なことだ。
そして試合中は全実技受験者から見られてるらしい。嫌だな。
どうやら木刀での実技試験は前例にないらしく、受験者達からどよめきが起こっていた。
そんなこんなで実技試験は始まった。
最初の子は緊張していて挙動がおかしかった。そりゃそうなるよな。こんなに大勢に見守られながら100%なんて出せねぇよな。
そうして何十試合が過ぎ、ついに次が俺の番というところまできた。
「おいおい、ついにか」
「やっぱりすごいのかなぁ」
「どんな魔法がつかえるのか見ものですね」
また騒がしくなってきたと思ったら、どうやら公爵家の子の試合が始まったらしい。
おいおい、俺の前公爵家マジか、ハードル上がりすぎだろ。
公爵家の子の試合はさすがとしか言いようがなかった。先生相手に最初の方は優勢だったのだ。流石に最後は1本取られていたが。
次は俺かぁ。
「公爵家の次なんてお前ついてないな」
「そんな事先生が言っていいんすか?」
「ふふふ、お前からは緊張が見られないからな」
そんなにかなぁ、してるけどな。
じゃあ、『セーブ』
「じゃあいつでも来い!」
「はああ」
1回目
一瞬で1本取られた。
これは何回ループすれば1本取れるのか…心配になってきたな。
40回目
「いつでも来い!」
なんとか5秒耐えれるようになってきた。
100回目
だんだん先生のパターンがわかるようになってきた。あと何百回とかで1本取れるのではないのか?
500回目
あとちょっと!あと少しだ!
521回目
ついに、ついに魔法を使わずに1本取ったぞ!
気狂うかと思ったわ。
見ていた受験生達から驚きの声が上がる。
「なんだ?何をしたんだアイツ」
「公爵家の子でさえ1本取れなかったんだぞ」
「お前、魔法を使ってなかったな、何をした?」
どきっ
うわ、勘鋭いな。
「いやぁ、別に他の人より木刀の使い方を心得ていただけですよ」
「いや、そういうレベルじゃねぇ、お前のそれはまるで未来視?かなんかだった。少なくとも俺の今までやってきた試合でもこんな綺麗な終わり方はねぇ」
「いやいや…」
この人鋭いな、怖い。
「お前、筆記試験もちゃんと受かって来いよ。おもしろそうだ」
「筆記試験もって、まるで実技試験は受かってるみたいじゃないですか」
「ふふふ、これで受かってないと思うか?」
「わからないですよ」
その様子を公爵家のお嬢様はじっと見つめていた。
遅くなりました!
すみません。




