イエスヒューマン、ノータッチ。
人間は弱い。
あまりにも弱い。
ちょっとした事で割とよく死ぬ。
でも基本動物なので地味にしぶとく死ななかったりする。
かと思えば何もなくてもわざわざ自ら死んだりする。
例えるなら気難しすぎて意味わからん個体差ありすぎの園芸品っぽい。
要するに、観賞用限定でなんの役にも立たんのに思うようには育たない。ていうか基本咲かん。
弱くて弱くて弱々しすぎて、手入れしようがしまいがお構いなしにあっという間に死ぬ。
それが神々にとっての人間という生き物だ。
しかも可愛がっても懐かない。
なのに手をかけた神以外の雑っぽい作りものの張りぼてをありがたがって狂信的に崇め奉ったりする。
こいつ、ほんとにこないだ俺の手を噛みやがった狂犬と同じヤツか?
そんな神々の嘆きはあちらこちらでよく上がる。
結果、神々は人という生き物を極限まで見守ることにした。
どうせ50年から100年くらいですぐ死ぬ生き物である。
争い合う事もあり、助け合う事もあり、まあ見ているだけでも結構楽しい。
お気に入りを作って保護しようとしたら周囲全部殺しちゃった☆なんていう超絶不器用な神も少なくない。
というかかなりいる。
小さすぎんだよ人間。おまけによっぽどでなきゃ見分けもつかん。
たまに見分けのつく推しを推してたら他の神と戦争になったとか、推しが酷い目にあって大陸沈めたとか、推しが国を支配して他のモブが奴隷扱いになったとか、シャレにならん事もよくおきた。
弱い生き物が弱いなりに一生懸命生きる様をみんなで愛でよう。
いろんな事があった挙句に神々はそんな感じで人への対応を一致させたのだ。
弱い生き物が善を行おうと必死になる。
弱い生き物が悪の限りを尽くす。
互いを喰い合う。
互いを支え合う。
環境を汚す。
世界を変える。
なんて可愛らしいんだと神々は微笑ましくその様を見守った。
自分たちの愛しい世界で愛しい生き物たちが好き勝手に必死に動く。動いてなんかやらかす。
その全ては神々の手のひらの上。
人間は神々の愛をいっぱいに受けて傲慢に伸び伸びと、健やかで醜いバタ足をするように生きていた。
その日までは。