第二審 憧れを今
マ
「カルラ検事って天王なの?」
「ええ、てか私は天子で天王は私の父ゴーゴンね」
カルラ・ゴーゴン。そういえば裁判中に見たような気がする。
「魔王様の方が強い‼」
「なにおう」
「やるかあ」
ぷよぷよとカルラ検事が喧嘩を始める。
「魔王様‼ 天王様を倒して魔王帝国を作りましょう‼ 王道帝国を‼」
「王道、帝国……」
王道帝国
邪道王国ギャクサイ
正道皇国
外道大国
「それも良いかもなあ」
要するにガリレイのハーレム帝国を築き上げることが可能という訳か。そこには当然カルラ検事やぷよぷよもいて、皆が裸でガリレイを
「気持ち悪い地の文はやめなさい! 国はあげるから!」
びしばしと、カルラ検事の鞭が舞う。ん? いや、待てよ。
「今なんて? クンニしてあげるから?」
「気持ち悪い聞き間違いはやめなさい! エデンの檻⁉ 国をあげるって言ったのよ!」
「いや、国は今ゴーゴンに。あ、そうか」
「え? 何何? は? ん? つまり? 要するに?」
何となく察したガリレイと、全くピンと来ないぷよぷよは、カルラ検事に先を促す。
「お父様! 私に玉座を譲りなさい!」
「ああ、いいよ」
ゴーゴンはレイに玉座を譲る。
「意外とあっさりしてるのね」
「いや、てかお前もなかなか判断が早かったな。あと二、三十話くらいはごねるかと」
「門倉作品のスピード感を舐めないことね!」
レイはゴーゴンに鞭を振るう。ゴーゴンは心地良く打たれていく。こここそがVIPの席なのだから。
「VIP名乗る奴などいないのだ。扉の向こうにも、な」
「お父様……」
天王の座を譲ったゴーゴンの顔には、若干の憂いのようなものが感じられた。レイが背負ったものは、国だけではないのかもしれない。もっと巨大で、大切なものなのかもしれない。
「宴だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」
モンキー・デーモン・ルシファーが猛る。彼はテーブルに出された料理を伸縮する身体でどんどん消化していく。
「うんめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ‼ 最高だぞサン・Gいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい‼」
「糞召し上がれ、糞船長」
サン・Gと呼ばれた料理人は、モンキーの言葉に応じる。何の宴か、というと。まあ言うまでもないかもしれないが、
「新天王カルラ・レイ様だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」
「召し上がりなさい、豚共」
ほぼサン・Gと同じようなことを言っているが、つまりまあそういうことだ。
「私こんな美味しいもの、食べたことありませんよ!」
ぷよぷよはサン・Gの料理を気に入る。
「ぷよちゃーん! どんどん食べてねー!」
「はい! ありがとうございます、サン・Gさん!」
サン・Gが出す料理を、ぷよぷよもモンキーみたいな吸引力で消化していく。いや、お前はゴム人間ではないのだから無理はするな。と思うガリレイだが、しかし本当に美味しい。麦わらの一味の連中は毎食こんな美味しいものを食べているのだな、と考えると何だかネトフリでワンピースを観たい気分になってきた。
ギ