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第7話 ジュリエッタ視点①

ジュリエッタ視点の話になります

「何? 騒がしいわね……」


 屋敷の外がなにやら騒がしい。何か人が大勢話をしているような、そんな感じのうるささだわ。

 窓から外の景色を眺めてみる。あれ、警察? なんで屋敷に警察が来てるのよ!

 私は書斎にいたお父様を呼びに行った。書斎の扉を開こうとすると、ちょうどお父様が書斎から出て来た所でどうやらメイドが呼びに行ってくれていたらしい。


「お父様! 警察が!」

「ああ、今からいくよ。どうやらシュネルについて話があるらしい」

「お姉様のコトぉ?」


 何かしら。お姉様が何かしでかしたのかしら? あのグズなお姉様の事だからきっと何かしたに違いないわ。ソアリス様もおかわいそうに。

 私はお父様と一緒に玄関に向かう。扉がメイドの手により開かれると、警察の男達が現れた。


「結論からお尋ねします。ここの屋敷にシュネル夫人はいませんか?」


 は? この屋敷にお姉様はいないわよ。


「娘はいませんよ。ソアリス様の屋敷にいないのですか?」


 と、お父様が聞く。お姉様はソアリス様の奥方なんだからアイリクス伯爵家の屋敷にいるのが普通じゃない?


「離婚届を置いて出ていったそうです」

「なんですと?! 娘が?!」

「はい。そうです」

「なんと……娘が申し訳ありませぬ」

「今からそちらを調べさせて頂きます」


 警察が私達を押しのけて屋敷へと入ってくる。ちょっと!


「やめなさいよ! 勝手にしないでくれる?」

「いや、調べないといけませんのでね。ソアリス様からも言われていますので」


 ソアリス様、なんて事してくれるのよ!

 警察は私やお父様が止めるのを聞かずにドカドカと屋敷中を探し回る。クローゼットを乱暴に開けたりかつてお姉様がいた離れもしらみつぶしに調べられた。

 しかしお姉様は見つからない。見つかるわけが無いのよ。


「見つからなかったか……」

「ああ……」

「ねえ、バティス兄様の屋敷にいるんじゃあないの?」


 そう警察に話しかけてみる。


「バティス様の屋敷を調べましたが、シュネル様は見つかりませんでした」 


 バティス兄様の屋敷にもいないなんて。じゃあ、本当に家出したのかしら?

 でも、あのお姉様が家出なんて出来るのかしら。

 警察は屋敷から出ていった。ようやく静かになったので私は屋敷の自室に戻る。


「ふう……」


 それにしてもお姉様は本当にのろまで馬鹿だわ。

 私はジュリエッタ。幼い頃から何不自由無く過ごしてきたし欲しいものは大体手に入ったわ。

 お父様は本当に私を可愛がってくれた。私はお母様と似ているから私を好きなんだって。私が一番ってお父様はよく言ってくれる。

 だから私が一番でないといけないの。お姉様が持っているものは全部私のものにしないとね。だからソアリス様も私のものにする。彼の子供を産めばソアリス様は私のものになるんだから。


(そうよ。お姉様は離婚届を出した。後はソアリス様が離婚届にサインをすれば離婚は成立する。そうすれば私がソアリス様の妻になれる!)


 だからソアリス様には早く離婚届にサインしてもらわないとね!


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