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黒界異人伝・生命の戦争  〜転生20年後の戦い〜  作者: 明鏡止水
一章・流れる血

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特別訓練·術

「今回、技は今の2つだけです。

次は術をお見せしたいんですが」


「いいけど…あなたの属性って何なの?」


「氷です」


「氷…

わかった。やってみて」


「はい」

アレイは少し後退し、術を放った。

「氷法 [フローズンクラスト]」

冷気の霧が現れ、キュリンを包みこんだ。

奴は少し棒立ちしていたが、やがて扇を構えてぐるんと一回転して霧を打ち払った。

「…拘束系の術ね。

どれくらいの時間で凍らせられるの?」


「10秒ほどだと思います」


「ちょっと長いわね…

もう少し短い時間で凍らせるようにしたほうがいいと思う。

あと、欲を言えば、術自体の威力を高めて即死の術にするといいと思うわよ?」


「そうですよね…

私も即死に持っていこうと思ったんですが、魔力が足りないのか上手くいかなくて…」


「あなたの場合、魔力が足りないなんて事はないでしょう。ただ練習不足なだけ。

頑張って鍛え続ければ、必ず上手くいくはずよ」


「そうですか…

あ、次行きますね」


「はいはい…いつでも来なさい」

アレイは今度は手を構えて小さな球を作り出した。

溜めるタイプの術か。

2秒ほど溜めた後、

「氷法 [凍てつく大地]」

水色の波動を撃ち出した。

波動の下の部分が少し地面にかすっていて、そのかすった部分が瞬間的にがっちり凍りついていたのには驚いた。

これもまた、キュリンは扇でガード。

少し後退していたが、結局は打ち消していた。

「どう…でした?」


「今のは…奥義?」


「いいえ。

白銀河という術を使おうとした時、突然閃いたんです」

別の術を使おうとして閃いたという事は、派生術か。

「へえ…今のはなかなかだったわよ。

普通の術にしては、かなり強力だわ」


「本当ですか!?」


「ええ…

私が扇で防いでも少し後退させられたのだから、結構な威力よ。

これはそのまま使ってもいいだろうけど、もう少し手を加えて奥義にしてもいいレベルでしょうね。」


「…私の、奥義…?」

奥義とは、異人が使う技や術の中でも強力なものの呼称。

…ということになってるが、実際の所は個人で作った技や術の強力なものの呼び名だ。

まあ、平たく言えば自分だけの技や術、ってとこだ。

異人同士の戦いではよく使われている。…というか、戦いではこれがなくちゃ始まらない、と言ってもいいレベルだ。

勿論俺もいくつか持っている。

もしかして、アレイは持ってないのか?

「あら、あなたは奥義を持ってないの?」


「一応持ってはいます。

最近編み出した物で、実戦で使った事はないですけど…」


「なら、見せてくれない?」

アレイは少し考え、

「わかりました」

と答えた。

そして…


「技と術に一つずつあるんですが…」


「できれば両方見せてちょうだい」


「…わかりました。

奥義解放。

弓技 [鼠(ねずみ)の矢]」

放たれた一本の矢。それは空中で分裂し、横に広がった膨大な数の矢となって飛んでいく。

技名にある「鼠」の意味がよくわかる。

キュリンは、自分に向かって飛んできた矢を全て落とす。

「数本だけでもなかなかの威力ね…

このまま次のも見せて」


「はい。

奥義…

氷法 [グレイシャル·イロージョン]」

猛吹雪が巻き起こり、瞬間的に辺りが雪に覆われる。

そして雪と氷が弾け、消えたとき…

キュリンは、扇を顔の前に構えてガードしていた。


「どう…でした?」


「…まともに食らってたら体が消し飛んでたわ」

なるほどな。

瞬間的に相手を雪と氷に封じ込め、それを弾き飛ばす事でダメージを与える。

それが、今の術の本髄らしい。

キュリンがああ言うという事は、かなりの威力がありそうだが…

「てことは、威力の方は…」


「かなりいい感じ。少なくとも、普段使いする奥義としては十分過ぎるほどの威力よ。

これなら、セレンやシャレオも頷いてくれるでしょうね」


「…!

じゃあ、戦闘で使っても大丈夫なんですね?」


「ええ。あとさっきの弓の奥義もそうだけど、改良の余地が大いにある。

ここまでとは思わなかったわ。

…アレイ、いつの間にかずいぶんと強くなってるじゃない」


「ありがとうございます。

キュリンさんに強いって言って貰えるなんて…」


「私も嬉しい。ずっと待ってたのよ…」


「え?それってどういう…」


「ううん、大した事じゃない。

それより…」

奴はこっちを見てきた。



「次は、あなたの番よ」




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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど、アレイの技は隙が多く威力が高い感じか コンビで戦うといい感じになるね!!
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