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黒界異人伝・生命の戦争  〜転生20年後の戦い〜  作者: 明鏡止水
三章・影の雷

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雪中の戦い

最初に、ワーグルがアリス三世に飛びかかった。

「[ロッドクラッシュ]」

ワーグルの武器は、杖のようだ。


今のは防御を下げる効果がある技だけど、アリス三世は大して気にしていないようだった。

そして彼女は、

「[ライフオブデス]」

メバロが放った即死技を容易く避け、反撃を見舞った。


「[つばめ返し]」


そこに、私も魔弾で追撃する。

「[スレイブレイト]」


「ぐっ…!」

メバロは脇腹を押さえながらも、術で反撃してきた。

「[ダークワーム]…!」


黒くて細長い虫のような闇。

それが、私達に牙を剥いて襲いかかってきた。


「[コバルトスタンプ]」

樹さんが虫を潰し、その直後にアリス三世がメバロを斬った。


「[ネクロヘルズ]…!」

複数の頭蓋骨の形をした悪霊…ヘルズを召喚して、メバロは倒れた。

「尚佗の護りのあらんことを…」



そのヘルズは、一斉に私達に向かってきた。

でも、アリス三世が全て斬り捨ててくれた。


「お見事ですな!」

樹さんが、感嘆の声を上げた。



「おのれ…ならば次は私が!」

エリムが、術を放った。


「雷法 [霹靂の怒り]!」

これは、龍神さんが結界を張って防いだ所を、樹さんが水を吹き出してふっとばした。


エリムは、術を放ってすぐに弓技で追撃してきた。

「弓技 [マルチボルト]!」

私がよく使う技だ。

これには、私が前に出て結界を張り、矢を全て受け止める。

そして、カウンターで技を決める。


「弓技 [レイヴンバレット]」

単発だけど、強力な技だ。


エリムが怯んだ隙に、術を放つ。

「氷法 [異空氷晶]!」

エリムを氷に封じ込め、砕いてダメージを与える。


さらに、そこに樹さんが追撃してくれた。

「奥義 [青の渦巻き(ブルーカルネージ)]!」

渦潮のような水流を引き起こし、エリムを吸い込む。

そして、空中にワープさせて地面に叩きつける。


「うぶっ…!」

エリムはにわかに血を吐き、

「我が魂は、偉大な尚佗と共に…」

形式美とも取れる捨て台詞を残して息絶えた。



さて、ワーグルはというと…

「我が部下を二人とも倒したか…侮れぬ奴らめ。

だが、私はそうはいかぬぞ!」

と叫んで、例のリヴィーもどきを2体召喚してきた。

さらに、

「闇法 [マルチシャドー]」


闇の術を使って、二人に分身した。


「[デッドマンズ・ドミナス]」


「[闇色の雪]」

それぞれが術を使う。

黒い雪が降り出し、同時にリヴィーもどきが襲ってくる。


まずい。この雪は、闇の力が宿った雪だ。

地面に積もれば、闇属性以外の者は力を奪われるし、一定以上体につけば、闇の力で動きを封じられて身動きがとれなくなる。

しかも風も一緒に吹いてきたので、飛ぶ事も出来ない。


「雪…!?なんで黒いんだ!?」


「樹さん!龍神さん!この雪は危険です!」


「闇の力を持つ雪ですね…すぐに奴を倒さねば…っ!」

アリス三世に、リヴィーもどきが襲いかかる。


それは左手に氷をまとわせ、剣のようにして斬りかかってくる。

「まるで氷の使い手だな…」

そう言っている樹さんには、電気を右手にまとった個体が襲いかかる。


「電気はごめん被りたいな…!」

さらに、そこにワーグルが魔弾を飛ばしてくるので、本当に攻める隙がない。


「このままじゃ、まずい!アリス三世、何か策はありませんか!?」


「っ…」

彼女は、ワーグルの放つ魔弾をしゃがんで避け、

「龍神さん、樹さん!異形どもの相手をお願いできますか!?」

と叫んだ。


「ああ…なんとか!」


「やってやるさ!」

彼らの勇ましい返事を聞いて、アリス三世は安堵したようだった。

「では…アレイさん!私達で、奴の術を止めましょう!」


「…!はい!」

そして、私は二人のワーグルを見る。


左のワーグルが異形を操り、右のワーグルが魔弾を飛ばして妨害してきている。

「私は左を仕留めます!アレイさんは、右側を!」


アリス三世は左のワーグルに飛びかかった。

奴はしっかりこっちも見ているようで、結界を張って防いできた。

「私を倒しても無駄だぞ?奴らも消える訳では無いからな」


「それでも、お前のコントロールがなくなれば幾分有利になる!」

アリス三世は刀を振りかぶり、

「奥義 [刀舞・黒魔幽玄]」

四人の分身を生み出して、一斉にワーグルを攻撃した。


…そうだ、見ている場合じゃない。

私もやらなきゃ。


魔弾を飛ばしている方のワーグルを捉え、弓を引く。


「弓技 [神速射ち]」

無数の矢をものすごいスピードで射る、とにかく手数で攻める技だ。

「ふん…」

奴は魔弾を放ってきたけど、それをかき消してもなお余るほどの数だ。

予想通り、奴に何本もの矢を当てる事が出来た。


「ぬっ…」

奴が驚き、動きを止めた所を狙って術を使う。


「氷法 [ブリザードレイ]」


ワーグルは多少ダメージを受けつつも、すぐに反撃してきた。

「闇法 [昏き日の虹]」


暗い色の虹のような柱を地面から打ち出してきたので、横に飛び込んで回避する。


倒すことはできなかったけど、注意を引いて龍神さんたちの方に魔弾を飛ばすのを阻止できたのは大きい。


続けて、奴は奥義を使ってきた。

「奥義 [悪魔狂宴『バエル・オブ・ベレス』]」

異形かアンデッドかもわからない怪物を2体呼び出し、私に差し向けてきた。

それらは、それぞれ牙と爪で私を襲ってくる。

けれど、大丈夫だ。


「星術 [シューティングスター]」

光の力を宿す星を打ち出す術で、2体とも簡単に撃ち落とした。


「な…おのれ!」

ワーグルが驚いている所に、私は奥義を放つ。


「奥義 [エイムスターアロー]」


ワーグルの胸に、無数の星の力を込めた矢を撃つ。


「尚佗の加護があらんことを…」

ワーグルは倒れ、消滅した。


でも、まだ分身したうちの片方を倒せたに過ぎない。

残りの一人を倒さなければ。


国·都市·施設紹介

ポーム

大陸の北方に位置する、「冬の森」と呼ばれる森の中にある小さな町。人口は400人ほど。

森全体が強力な氷と闇の魔力に覆われているため一年中雪が降り、常に薄暗い。

このことから、夜雪の町とも呼ばれる。

自然環境は厳しいが、年中オーロラを見られる数少ない場所である事から、観光客も少なくない。

数万年間続く黒い吸血鬼の伯爵一族によって代々治められている。


アリス・テパ・エルギール・ラパーヌ三世

永遠の雪に閉ざされた厳冬の町ポームを統治する黒い吸血鬼の一族の現当主。[存在]の異能を持つ。

人々には「アリス三世」または「アリス伯爵婦人」と呼ばれている。

領主らしく淑やかな性格と容姿だが、その戦闘技術は非常に高い。

武器は刀。属性は黒と氷。



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