表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

週一投稿目指して頑張ります

彼女は優しい少女だった。

困っている人には手を差し伸べ、泣いている子には笑いかける優しい少女。


同じく優しい母親と、家族を大切にする父親に育てられた。


小さな村だが友達は多く、幸せそうに暮らしていた。


けれど突然、少女の両親は消えてしまった。


村の人達は少女に何があったのか聞くが、彼女は泣いてばかりで何も話さない。


「両親とその子供が森に入っていくのを見た。けど戻ってきたのは子供だけ」

「前の日まで、3人仲良く暮らしていたのに。可哀想」

「きっとショックで何があったのか話せないんだわ」

「私たちが彼女のめんどうをみてあげよう」


だが優しかった村人は突然、態度を変えた。


「血まみれになった服が森で見つかったらしい」

「服からして彼女の両親のものだ。森のバケモノに襲われたんだろう」

「じゃあどうして少女だけ森から帰って来られたのだろう」

「きっと本物の彼女はバケモノに殺されているんだ。」

「今の少女は人間の皮をかぶったバケモノだ」



少女が話しかけても、周りは離れていく。

少女が笑いかけても、周りは恐れる。


少女は一人ぼっちになってしまった。


………………………………………………………………


満月の夜だった。

少女は両親を思って眠れない夜が続いていた。

すると、ドアをノックする音が聞こえた。


久しぶりに訪ねてくる人に心を躍らせつつも、少しの恐怖心からゆっくりと扉を開ける。


そこに居たのは真っ黒な髪に青い瞳の青年。

さらに、黒い衣服に身を包んだ彼は吸い込まれそうな闇のように感じた。


見ず知らずの青年に少女は思わず息を呑む。


「はじめまして。君がエリカかな?」


青年の優しい声に小さく頷くと、彼は少女の目線に合わせて背をかがめた。

これが青年なりの、怯えさせないようにするための対処なのだろう。


「僕の名前はジフ。今日から君と暮らす友達です。」


「…友達…?」



これは優しいバケモノと人間の話。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ