支援特化と初めての共闘
遅れてすいません。今回出来はあんまりかなぁって思います。すいません。
しかも短いです。批判は、甘んじてお受け致します。あんまり酷いようなら修正します。内容は絶対変えないんでそこは大丈夫です。
しばらく歩いていると、一度は私を追い詰めた狼さんことウルフがいた。
「あ、ウルフですね。どうします?」
「……んー、私の支援にどれだけの効果があるか調べたいから、通常攻撃と支援ありの攻撃を比較したいかな。まぁ、リングにしたいことがなければだけどね」
「分かりました……それで、その、スライムはずっと付けておくんですか?」
「え?当たり前じゃん」
「そ、そうですか」
道中スライムさんを発見したら、懐いてくれたのでずっと頭に乗っけてる。テイムとかでは無いと思うけど、離れることも襲うこともないのでペット扱いみたいになってる。
スライムさんめっさ可愛い。
「それじゃ、まず動けなくするね」
「はい」
行動不能にするためウルフに無造作に近づきながら、装備していた【黒霧刀】に手をかける。
「ガウッ!」
警戒していたウルフは私が近づくと一思いに襲いかかってきた。
そして射程に入った瞬間スキルを発動する。
「【死神流 刀剣術 一の音 誘う鈴の音】」
チリン。そう音が響くと赤いエフェクトが舞い。ウルフのHPは一割ほど削れ。その身は動かなくなった。
「終わったよー」
「それって麻痺ですか?」
「んーん。電気系統の拘束。私も最初受けた時麻痺だと思ったんだけど、拘束だった」
「へー」
まぁ、普通に私状態異常効かないし。拘束だったら納得。でもあの時麻痺って言ったら黒鎧さん正解って言ってなかったっけ?知らなかったのかな?自分の技なのに知らないってのも変だけどね。
「まぁ、これ速いし高確率で行動不能に出来るけど、威力が低いからそこは難点かな。と、それより。早く攻撃してみてー」
「はい、分かりました。スキルはどうします?」
「使わないで」
「はい」
そう言ってリングはウルフの近くまで歩いていくと地面に横たわるウルフに向かって拳を振り下ろした。
綺麗なフォームで降ろされた拳は、直撃。ドンッと、衝撃波すら発しそうな音を響かせウルフのHPを六割ほど削った。
「おー!結構削れるね」
「プリンさんほどでは無いですけどね。私も結構STRに振ってるのでそれなりにダメージは出ますよ」
「そうみたいだね」
時間、もしくは一度の攻撃で拘束は解けてしまうので続けざまに【ポイズンカッター】を放ちウルフを討伐した。
「よし。じゃあもう一匹探そう」
「はい」
そして、もう一度見つけたウルフを同じ手順で動けなくしてから。
「〖パーフェクトパワー〗」
STRを上げる支援魔法をかけた。
すると。
ドンッ。と先程よりも大きな音を響かせた攻撃は、ウルフのHPをすべて消し飛ばした。
「「すごい」」
「これって少なくとも与えるダメージ1.5倍だよね」
「そう、なりますね。これが、支援中全ての攻撃にかかるんですから、正直化け物ですね」
「ま、私は支援特化型だからね!」
それくらい凄くないと困る。
「これが、支援魔法の中で一番レベルが低い魔法なんですからチートですよね」
「うん。まぁ、そう考えるとそうなのかな」
現状。私が持ってる支援魔法はこの〖パーフェクトパワー〗系統だけだけど、これは聖属性魔法の中じゃ一番レベルが低い支援魔法だからね。これからもっと支援した時の上がり幅は大きくなる。
「……はぁー。これで、攻撃力も化け物なんですから、ほんとに恐ろしい」
「でも、攻撃力に関しては下がっていくからいいんじゃない?」
「んー。どうでしょう」
神官。という職業はレベルが上がれば上がるほど攻撃魔法が苦手になり、支援魔法が得意になるらしい。もちろん、レベルと同時にステータスも上がるので、攻撃力が下がることは無いが。
例えば、レベルに差があり。同じステータス値の神官がいたとしたら、攻撃力で勝つのはレベルが低い神官となる。
魔導士はその逆。だから、神官と魔導士の攻撃力の差はより大きくなる。と言っても、職業で得られる恩恵はさほどないのでそこまで露骨に差は出ないが。高レベルになっていくにつれて私の攻撃に耐えれる人は多くなると思う。
「でも、そうなるとプリンさんの当面の目標は新しい攻撃手段の確立と、支援魔法を増やすことですね」
「そうだね。リングの目標は……とにかく強くなること、かな?」
「そうですね。早く追いつかないと」
「頑張って」
「はい」
そうやって色々話しながら討伐を繰り返しているとリングが言葉を切り出した。
「……あの、この辺から別行動にしませんか?」
「えっ!?なんで!?」
「プリンさんに、追いつくためですかね」
「追いつくため?」
それなら別に一緒でも良くない?
「んー。なんと言えばいいのでしょうか。こう、勘が囁くんです。別行動した方が良いよって。そうすれば、きっと追いつけるよって」
「あー、なるほど」
リング、いや遥の勘はすごく当たる。それはもうすごく当たる。当たらなかった方が珍しいくらい当たる。
でも
「ゲームでは勘でないんじゃなかったっけ」
「はい、そうだったんですけどね。なぜか今は降りてきてるんです」
確か、ゲームではその勘が働かない。なぜかは知らないけど、ゲームの中で勘が働くことはないって。
「だったら尚更別行動するべきだね!」
「いいんですか?」
「もちろん!一緒に遊べないのは辛いけど、それでリングが強くなるなら全然大丈夫!」
「ありがとうございます」
初めてゲーム内で勘が働いたんだから。それに従う他ないよね。
「それじゃあ、私はスライムさんとその辺ぶらついてるから。頑張ってね」
「はい!……プリンさん」
「ん?なに?」
「ぜったい、ぜーったい。追いついて、追い抜かして、やっつけてやります。覚悟しといてください」
真剣な表情でそんなこと言われたらさ。
「いいよ。やれるもんならやってみな」
「はい!」
そう返事をするとリングはかなりの速度で森の中に消えてった。
「ゲーム。ほんと好きなんだろうなぁ。でも、私だって負けてやんないからね」
そう呟くとスライムさんと一緒にフィールドを歩いていった。