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支援特化と学校

ふ、ふふ。ノリで書いてたら朝の五時。そして今日は九時から十七時までバイト。


ヽ(*´ω`*)ノオワタ

「ん……」


……えっと、いま、どういう状況かなぁ?なんで、目を開けても暗いのぉ?


……あー……げーむ、してたんだっけぇ。じゃあ……


カポッと、ヘルメット型のVRゴーグルを外すとあかりが目に入り少し眩しく思えた。


「うっ、眩しぃ」


……えっと、ゲームしてて、それで……勝って……意識失って……それで……


「……スライムさん」


あー、ダメダメ。私らしくない。確かに悲しいけど、いつまでもなよなよしてちゃダメだし。切り替えてこう、切り替えて。


「……ん?いま、何時?」


……九時かぁ……九時。くじ?


「……学校」


バッ!と布団から脱出すると高速で着替え始める。


やばいやばいやばい!遅刻だ!思っきり遅刻だよ!


「ちょ、おかぁさーん!なんで起こしてくれないのぉ!」

「あらあら、起きたの?」

「起きたよ!遅刻だけどね!」

「てっきり、学校ないかと思ったわ」

「そんなわけないじゃん!というか、遥は?」


この母親は当てにならないからいつも遥が起こしに来てくれるはずなんだけど。え?自分で起きる?無理だよ?無理に決まってるじゃん。


「確か、生徒会が何とかぁとか言ってたわねぇ」

「じゃあどう考えても学校あるじゃん!」

「……あぁ、それもそうねぇ」


くっ、このゆったり星人め!


「ご飯は、どうするのぉ?」

「食べないよ!食べれるわけないじゃん!」

「あらあら、そんなだからいつまでたっても小さいのよ?お胸とか」

「うるさい!今はいいでしょ!私がちっこいのは!あー、もう、行くからね!バイバイ!」

「行ってらっしゃい、気をつけてね」

「うん!」


あー!怒られるぅ。絶対怒られるぅ!何かいいわけ考えないと。


そう思案しながら全力で歩道を駆け抜けた。


「……で?なにか言い訳は思いついたか?お寝坊さん?」

「……えっとですね?その、黒鎧さんと戦ってたんですよ!疲れてて、仕方なかったんです!」

「そうか」

「スライムさんも一緒に戦ったんです。きっと先生もスライムさん見たら心落ち着きますよ。だから、ね?そんな怒らないでください。シワ、増えますよ?結婚したいでしょ?三十路なんですから、もっと寛大な心をですね───」

「おい、有瑠真」

「はい?」

「歯、食いしばれ」

「あっ、ちょ、ちょっとまっ───」


ゲンコツが飛んできた。


「うぅ、痛い。女の子殴るとか、ひどい」

「……あれは、どう考えても七海さんが悪いですよ」

「うぅ、遥かまでぇ、ひどいよぉ。私悪くないもん。悪いの黒鎧さんだもん」


酷い責任転換である。まぁ確かに。大元の原因は黒鎧さんとも言えなくもないが。


「その、黒鎧さんってなんですか?昨日何があったんですか?」

「ん?えっとねぇ────」



「なるほど、つまり持ち前の豪運で地雷を全て無かったことにして極大の成果を得たと」

「え、違うよ!?そんなこと言ってないよ!?」

「要はそういうことでしょう。というか七海さんが言ったのってほとんどスライムのことだけじゃないですか」

「あぅ、遥が冷たい」


遥が冷たい。先にやった事怒ってるのかなぁ?それとも全投げしたから怒ってるの?でも全投げしたこと言ってないし。


「ま、それにしても、良かったです。ちょっと無理やりやらせた感はあったので、そこまで楽しんで貰えてとても良かったです」

「……無理やりやらせたの自覚あったんだ」

「そりゃ有りますよ。七海さん優しいので、はしゃいどけばきっとやってくれるだろうとは思っていましたし、誕プレなのも断りずらくするためですから」

「……遥、恐ろしい子!」


そこまで計算してたなんて!恐ろしい。


「まぁでも、はしゃいでたのも一緒にやりたかったのも事実ですけどね」


小声でつぶやく声はなんて言ってたかわかんなかった。追求すると照れるのでしないけど。


「……あ、そういえば許可取れた?」


確かゲームするの親の許可がいるんだったよね。めんどくさいよなぁ。まぁ、いつもはこっそりやってるみたいだけど、さすがにVRMMOは黙ってやれないからね。許可いるみたいだった。


遥って、お嬢様だからねぇ。強制されるのイヤで家出したこともあったっけ。懐かしい。


「はい、ちゃんと取れましたよ。適当に弱みぶつけたらあっさり折れたので助かりましたよ。これで今日から一緒に出来ますね。とは言っても。七海さんは随分と進んでしまったようですが」

「そんなつもりは、なかったんだけどね。成り行きで」

「すぐに追いつきますから、待っててくださいね」

「うん、待ってる」

「……そこは、追いつかせないよ!とか言う場面だと思うんですが、まあ、七海さんらしいですね」

「そうかな?」


先に始めちゃったんだし、待つのは当然だと思うけど。


「あ、待ち合わせどうする?」

「それなら、同時にログインすれば近くに出ると思うのですけど、それじゃダメですか?」

「あー、それは無理かな?ほら、寸前まで黒鎧さんと戦ってたから」

「あー、なら無理ですね」


確かボスモンスターとの戦闘後はログアウトしてもそこからスタートだった気がするから、合流は無理だね。


「それなら、入ったらすぐ連絡するので、場所決めて会いましょう」

「連絡ってできるの?フレンド登録とかしなくていいの?」

「大丈夫です。現実で連絡先交換しといたらゲームの中でも連絡できるので」

「そうなんだね、分かった」


便利な機能だなぁ。やっぱりあのゲームの運営さん優しいよね。すごくいいと思います!


「それでは、ゲームの中で会いましょう」

「うん!一緒に頑張ろうね!」

「はい!」


そんな満面の笑み。久しぶりに見たなぁ。ほんとゲーム好きだよね。遥は。


そう思いながらも、自分の胸の中はワクワクでいっぱいだった。



楽しみだなぁ。あぁ!早く放課後ならないかなぁ!






そして、この後、化け物は二人になる。












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