シールdeイタズラ:蛛井の場合②
「ねーねー寺沢ー、蛛井はあれなにしてるのぉー?」
「しっ!蜂須賀は見ちゃダメよ!」
(今日はいつも以上に誰にも話しかけられませんねぇ……。まぁ静かでいいんですけど。)
そんなメンバー達の様子を影から覗くロアとボス。
「……まぁ、あんな感じっすね!これできっと仲良くなれるっすね!」
そんなこと全く思ってないだろう。
「本当にいい性格をしているな。まったく……。」
そう言いながらボスはニヤリと笑ってロアに小型の隠しカメラ数台と、その他の機材を渡す。
「ちょっ、ボスわかってらっしゃるぅー!」
「お前には期待している。せいぜい楽しませてくれよ?」
ボスの顔はすごく楽しそうだ。
「フゥー!マジでボスに一生ついてくっすよ!!」
「ふんっ。」
そんなやり取りがあったつぎの瞬間。
「い~や~~!!なんですかこれぇー!!」
遠くから聞こえる蛛井の叫び声。
やっとバレたようである。
「ぶっは!まじっすか!今かよ!タ・イ・ミ・ン・グ!」
ーーーーー
「まったく……、酷い目にあいましたよ。今日私に触れたのはロア君だけですが……、あの小娘が私の部屋に入れる訳ありませんからねぇ。」
用心深い蛛井は少し部屋を空ける時でさえ、毎回しっかりと施錠するのだ。
スペアキーはあるにはあるが、ボスが管理しているため持ち出すことは不可能なはず。
そしてさすがにお茶目さに定評のあるボスでもこんな事はしないだろう。
蛛井のお気に入りのエッチな本を切り抜き、本人の背中に貼り付けるなど……。
まぁ、確かにボスはしていない。
絶賛協力中ではあるが。
「まぁ、考えても仕方ありませんね。疲れましたし、癒しタイムと洒落こみましょうか。ふひひひっ。」
そう言って本棚に隠してあったアッハーンな本を手に取る。
ハラリ
するとそこから一枚の紙が落ちてきた。
「ん?なんですかこれ。なになに……
『ロリ巨乳ものとかさすがいい趣味してらっしゃる!ウェッウェッ ボスに報告して予算計上してもらいましょm9(^д^)やったね!経費で落ちるよ!(^ω^三^ω^)』……。」
これはひどい。
手書きの顔文字がさらに馬鹿にしている感をかもしだす。
もう一度言おう、ことはひどい。
「……ロ~ア~!!!!よくも私にやってくれましたねぇーー!!」
その声をこっそり聞いていたロアは
「ヤッベ。蛛井さん激おこプンプン丸っすよ、たーいへーん!ふへっ。」
「その顔でな~にがたいへんだ。まぁあとは俺様がなんとかしておいてやろう。」
そう話す二人の顔にはそれはそれは悪どい笑みが浮かんでいた。