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シールdeイタズラ:蛛井の場合①

トントン


「ん?なんです?」


「蛛井さん、お茶とかいるっすか?」


ロアはなにやら難しそうな作業中の蛛井に声をかける。

一応雑務兵というか、雑用係みたいなところもあるので職務の一環だ。


「あぁ、ロアさんですか。今はいりませんねぇ。」


「そっすか。することとかないっすか?」


「それも今はありませんよ。ロアさんは仕事熱心ですねぇ。」


「あざーす。」


「そうですねぇ。今度新薬ができたときにでも被験者になってもらいましょうかねぇ。ヒヒっ。」


「あ、そーゆのは専門外なんで。」


一応先輩である蛛井の言葉をさらりと拒否する姿勢はさすがである。

肝が据わっているというかなんというか。


「んじゃ、ボスのとこ行ってくるっす。」


そう言いながら蛛井の元を去り、少し離れたところでロアは振り返る。


(うっし!大成功じゃね?気づかれてないっす!)


その視線の先には蛛井の背中。

そこにはヒラヒラとアッハーンな写真の切り抜きが貼られていた。

そこそこ際どい特殊な写真だ。

もちろんこれは蛛井自身のもので、先日ロアが家探しした際に見つけたエッチな本の切り抜きだ。


「あの姿はマジでやっべぇっす。ボスに報告しよ。」


「あ、ロア!ボスが呼んでたぜ。……って何笑ってんだ?」


そう声をかけてきたのは須藤だった。

須藤にイタズラを仕掛けた時から数日経ち、なんとなく仲良くなったので『新入り』呼びから名前呼びにかわっていた。


「あ、コー先輩。なんでもねーっすよ?」


チラッ


そう言いながら蛛井の方に目をやり、須藤の視線を誘導する。

ちなみに余談ではあるが須藤がロアの呼び方をかえた時に、ロアからの須藤の呼び方もかえたらしい。

そしてイタズラというものは誰かの反応があってこそ面白いと考えている。

なるほどクズである。


「うっわぁ……。なにやってんだアイツ。」


「ぶはっ。」


ドン引きの須藤と爆笑のロア。

対照的である。


「……?どうした?」


「ふへっ。あー、ほっといてあげましょうよコー先輩。きっと何かの事情があるんすよ……。」


そう言いながらできる限りの悲しそうな視線を蛛井に向ける。

諸悪の根源が何を言ってるんだ。


「そ、そうだな。ボスのとこにいくか。」


「そっすね!」

ボス:名前は不明。

50代半ばくらいのイケオジ。

身長は2m近くある。

オールバックの髪にメタリック紫のスーツを華麗に着こなす。

金のごっつい装飾をつけている。

お茶目でチャーミングな性格で面白いことが大好き。

正義のヒーローたちのこともつつくと面白いから絡みにいくという愉快犯。

ただ頭も切れるし、運動能力などもピカイチというハイスペックなので須藤なんかからはとても尊敬されている。

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