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シールdeイタズラ:須藤の場合

「すどーせーんぱーい!」


トンッ


ロアの手のひらが軽く須藤の背中に触れる。


「あ?どうしたんだ新入り。」


「へへっ、なんか手伝うことないっすか?」


ヘラりと笑うロアに悪意はないように思える。

実際にないのだろう。

ロアはこの悪の組織に似合わないほど純粋な須藤を気に入っていた。

なんだかすごくかわいいと思っていたのだ。

それにNo.2なので一応上司である訳なのだから、ちゃんと慕っている。

ただNo.2といえどこの組織最年少なので敬ってはいない。

だいたい10代後半か20代前半だろうか。

よけいにかわいく思ってしまうのも無理はないだろう。

どちらかといえば、愛でるに近い。


「あー、今はとくにないぜ。ありがとな。」


須藤も須藤で慕ってくるロアの頭をクシャクシャと撫でる。

須藤はNo.2ではあるものの、他のメンバーからはあまり慕われていない。

最年少というのもあるが、その悪の組織に似つかわしくない純粋な性格とちょっぴりおバカなせいもあるのだろう。

だからロアの自分に対する態度が嬉しいのか須藤はとりわけ優しい対応をとる。

まぁ、その背中の上部にはヒラヒラと値引きシールがなびいているわけなんですがね。


(うーん。自分ちっちゃいからうまくシールが貼れなかったっすねー。)


そんなことをロアが考えていた時。


ドンッ


「うわっ!?」


後ろから現れたボスが須藤の背中をだいぶ強めに叩いたのだった。


「よう、須藤ちゃん。がんばってるぅ?」


「あ、は、はいっ!ボス!!」


「おーう、いいお返事。今日も期待しているぞ須藤。しっかり働けよォ?ロアも……な?」


そう不敵に笑ってボスは去っていく。


「もちろんです!ボス!!」


激励してもらった須藤はたいそう嬉しそうである。


「須藤先輩、ボスってカッコイイっすよねー。」


「あったりまえだぜ!」


そうボスの後ろ姿を見送る須藤の背中には、先程よりもしっかりと貼られた値引きシールがあったことはロアとボスしか知らない。


ーーーーー



しかしその後相手は純粋培養された鈍感須藤なのでシールにはなかなか気が付かない。

同じようなことが数度繰り返された後……


「ぷはっ。やだ須藤ったら背中に何つけてんのよ。」


「え?え?」


「3わりびきだぁー。」


「オススメ品ってのもあるわね。」


「須藤はしゅっかされちゃうのー?」


「お値打ちだからねぇ。」


「う……売らないでくださいボスぅー!!」


という会話が同僚たちとされていた。

寺沢ルカ:オネエ言葉で喋る青年。

赤髪パッツンのイケメン、だいたい20代半ば。

身長は180cmくらい。

言葉遣いはオネエだが別にそういう趣味ではない。

本人曰く言葉遣いがお上品なだけだそう。

スペックを全て顔に持っていかれたような人なので戦闘能力はほとんどないやられ役。

一応この物語の中では常識人枠である。


蜂須賀フミ:喋る言葉がなぜか全てひらがなに変換されるどちらかいえば少年。

身長は165cmくらい。

頭のできはあまり良くない。

緑髪でいわゆる目に痛いカラーの原宿系ファッションを着こなす。

基本的に大きめのサングラスをかけているが時々はずしている所も目にする。

ロアからすると須藤に次ぐかわいい担当だそうだ。

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