夏だ!海だ!全員集合!!⑥
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さて、今起こった出来事をありのまま説明しよう。
何があったかというと、まずは須藤によるミスリードでロアの方へボスが向かってしまう。
実際そこには寺沢がいたのでミスリードという訳ではないのだが、須藤としてはロアにぶつけるつもりは全くなかったためミスリードとしてかまわないだろう。
そしてタイミングが良かったのか悪かったのか……。
まぁ、悪かったのだろう。
ボスが真後ろに来た瞬間振り返ってしまったロア。
眼前に広がった赤はボスのフンドシの前部分だった。
そして……、悲劇は起こってしまったのだ。
そう「ズムッ」という効果音はロアがボスの股間に埋もれた音だった。
ちなみに海に入った後だったため褌は、じっとりと水気を含んでいた。
さらにそれプラスあたたかさと柔らかさがロアの顔面をおおった。
これはひどい……。
そして思い出してほしい、ロアの装備は10℃以下だ。
足などにロアの装備が触れたボスはその冷たさに驚き、持っていたスイカをロアの顔の両側からスパァンッとしたのだった。
最後の声は近藤だ。
暑さにやられて、ぐったりボーッとしていたが騒がしさにより覚醒したようだ。
そして目にしたのは大切な仲間の惨状。
しっかりとロアがボスの股間に埋まった瞬間も目撃していたぞ!
ここまでが今起こったことの全てだ。
ちなみに原因を作った須藤は顔を赤くしたり青くしたり、大忙しのようだ。
他のバッドエンズメンバーは揃ってロアに同情の眼差しを向けている。
当たり前だ。
股間に埋もれただけでも大ダメージだろうに、スイカ果汁にもまみれてるのだ。
ひどい目に合わされているはずの蛛井と寺沢でさえ同情的だ。
ロアはもう涙目で俯いている。
「だ……、大丈夫かロアー!」
そして再びの近藤。
大丈夫なわけがない。
その声に反応したロアが
「タケルリーダー……。」
そうつぶやき、フラフラと近藤の方へ向かっていく。
その身体はスイカの果汁でびちょびちょの真っ赤だ。
そして近藤の元へたどり着くと、その膝に崩れ落ちるように泣き出すロア。
「うっ……ぐすんっ。」
けっこうガチ泣きである。
しかしそこはロア。
転んでもタダでは起きない。
しっかりと近藤に果汁を擦りつけるように縋り付いている。
そしてもう一度言おう。
今のロアの表面温度は約10℃だ。
果汁の水気も合わさり、さらに冷たく感じられるはず。
しかしそこはさすが、セイバーズのリーダー。
あまりにも可哀想なロアを前にしているからか、平静を保っている。
ただ単に炎天下の中ずっと置いておかれたため冷たいものに飢えていただけかもしれないが……。