表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/31

バッドエンズin会議室⑤

「あ、あの……、ボス?」


自分の取り皿をボスに持たれていることに困惑している須藤が声をかける。


「んー?須藤には俺様直々に取り分けてやろう。」


それに対してボスは何のことも無いように答える。

少し楽しそうに。


「……っ!ありがとうございます!!」


そんなボスに感激したようにお礼を述べる須藤。

その姿をロアはニヤニヤ見つめていた。


「あ、寺ちゃん達のは自分が取り分けてあげるっすよ。」


そう言って取り皿を渡してくれと手を差し出す。


「え……。」


「私は遠慮しますよ。」


寺沢も蛛井も芳しくない返事をする。


「なんでっすか?」


きょとん顔で聞くロアだが、それはそうだろう。

さっきの今でロアに任せるのはどう考えてもダメである。

そんなことはロアもわかっているため、しつこく言うことはしなかった。

もう各々食べ始めているしね。

食べ始めているのだが如何せん量が多い。

皿の料理が一向に減っていなかった。

まぁこれもロアの計算のうちなのだが……。


メンバーが食事を始めてから少しした頃、ロアは動きだす。

飲み物の時のターゲットは寺沢と蛛井であったが、今回は須藤と蜂須賀、それに長代だ。


「シン先輩!まだまだおかわりいるっすよね?取ってあげるっすよ!」


そう言ってロアは長代の取り皿に、わんこそばのように追加の料理を盛っていく。

長代は全然嬉しそうではないが、そんなこと知ったことではない。

ちなみに山盛り五皿目だ。

さすがにそこまで大きくない取り皿でも山盛り五皿はきつい。

たとえ食べ盛りと言われる年齢でも、だ。

それを蜂須賀にもしている。

蜂須賀は四皿目だ。

だいぶ苦しそうにしている。

さっぱりとした酢の物とはいえ、南蛮揚げや酢豚などの油の多いもの、あんかけ焼きそばのようにガッツリ炭水化物もあるのでお腹にたまる。

地獄である。

須藤は須藤でボスに同じことをされている。

そりゃあ断れるはずがない。

しかし実はボスとロアは打ち合わせ等はしていない。

一応事前にイタズラを仕掛ける了承だけは取ったものの、何をするかまでは種明かししていなかったのだ。

さっすがボスファインプレーだ。

さすがのロアも三人同時には、骨が折れたであろうから。

その三人はもうさっきから無言である。


「ねぇロア〜、ぼくもうおなかいっぱいだよぅ〜

。」


「俺も……だ。」


「え?ちょっとよく聞こえないっすね。」


二人の声は都合よく聞こえないふりをする。


「……せめてのみものほしいよー。」


それはそうだ。

蜂須賀に渡されていたのはハチミツの原液。

料理を流し込むことも出来なければ、喉を潤すこともできない。


「あ、はい。どぞっす。」


その言葉にロアがコトリとテーブルに置いたのは、なみなみと注がれたハチミツだった。


地獄は終わらないよ!!!!

少しでも面白いとか続きが気になるなど思っていただけたら、ブクマや、評価してくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ