バッドエンズin会議室④
「お待たせしたっすよー!」
そう言ってドアが再びガラガラと引いてきた台車には10を超える大皿が乗っていた。
「何をもってきたの……?」
「絶対ろくなもの持ってきてませんよ。」
ロアの日頃の行いのせいで信用がないようだ。
「なんてこと言うっすか!失礼な!」
そう言いながらロアはプンスコしている。
「もう、蛛井さんなんか放っておくっす!じゃじゃーん!!」
そう言ってロアは大皿の上に被せてあった蓋を次々と取っていく。
そこに現れたのは、大盛りのなかなかに美味しそうな料理の数々。
「寺ちゃんが料理に使えって言ったから、お酢を使った料理を作ってきたっすよー!」
そしてこのドヤ顔である。
うーん、殴りたい。
テーブルに並べられた料理の数々はしっかりお酢の入ったものではあるが、彩りも良く、種類も豊富だ。
酢豚にアジの南蛮漬け、タコの酢の物、ピクルスやあんかけ焼きそばまである。
手先は器用なので料理はお手の物だ。
「わー、おいしそう!」
「ほぉ。」
「あら、いいじゃない。」
それぞれに感心したように声を漏らすが、納得していない様子の者が二人ほど。
「なんでこの量の料理がこの短時間でできるのよ。」
「えっ?だって、料理に入れろ的なこと言われるの予測ついてたっすもん。だから、事前に用意してたっす。」
「はぁ?じゃあ、なんでアタシ達に酢入りのお茶を飲ませたのよ!!」
叫ぶ寺沢。
それに対してロアは
「だってその方が面白いっすもん。」
そう、悪びれもせずに言う。
とんでもない野郎である。
「きぃーーっ!」
甲高い声を上げて怒りを爆発させている。
蛛井にいたっては呆れてものも言えないようだ。
そんな彼らをニヤニヤ見つめていたボスが一言。
「もういいか?食うぞ。」
まさにボス様さまである。
自由だ。
そんなボスの声を皮切りに、各々取り皿に取り分ける一同だが、須藤の取り皿は何故かボスが持っていた。
おっとぉ??
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