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シールdeイタズラ:正義のヒーロー達の場合④

斎藤と速川が近藤の椅子にシールを仕掛けてからしばらくの後。


「タケルリーダー、お茶が入ったんで座って休んでくださいっす。」


「ん……、ああ、ありがとう。」


ロアはここ、セイバーズでも雑務係として働いていた。

それを利用して作業をしていた近藤を椅子に座らせる。


ニヤァ


近藤が椅子に座ったことを確認すると、それはそれは人様に見せられないようなゲスい笑顔を浮かべるロア。

誰も見ていないことが救いである。


「はい、これお茶っす。」


そう言ってロアは近藤の前にお茶を置く。

見た目はただのお茶である。

だから何の疑いもなく……


「ありがとう、いただこう。」


ゴクリ……


「ブッフォッ!!」


飲んだお茶を勢いよく吹き出した。

それを見ていた斎藤、速川以外のメンバーは


「近藤!?どうした!」


「ちょっと、大丈夫!?」


焦ったように声を上げる。

そして橋本は吹き出したお茶を持ってきたロアに掴みかかる。

まあ、そうなるわな。


「おいてめぇ!近藤に何しやがった!やっぱり悪の組織(バッドエンズ)のまわしもんか!!」


ガンッ


そう言われて、壁に叩きつけられる。


「うぐっ……。な、何もしてないっすよぅ。ふぇぇ……。」


今にも泣き出しそうな声で反論するロア。

なーにが「ふぇぇ」だ。

今回ももちろんロアが原因である。


「ごほっ……。やめろ橋本。」


復活した近藤が橋本に声をかける。


「近藤!大丈夫なのか?」


「ああ。……ロア。」


「なんですか?」


きょとりと何もわかっていないような顔で聞き返すロア。

うん、腹立つね!


「これは、なんだ?」


そう言って飲みかけのお茶を指す近藤。

静かに怒っている。

当たり前だよね。


「え、お茶っすよ?」


「味がものすごく苦いんだが?」


「そりゃあセンブリ茶っすもん。健康に超良いんすよ!日々忙しいタケルリーダーの健康のためにいれたんすけど……、ダメでしたか?」


目に見えるようにしょんぼりするロア。

瞳をフルフルさせるオプションつきだ。

まあもちろん演技なんだけれど。


「う……む。」


それに対して女の子に免疫の無い近藤はタジタジだ。

おーい、それ演技だから!

ついでに橋本も


「あー、疑って悪かったよ……。」


チョロい。


「えと、じゃあ自分は下がるっす……。」


「ああ。」


ロアはそのまましょんぼりしながら部屋を出ていく。

それを気まずそうに近藤と橋本は眺めていた。


「ちょっと悪いことしちゃったみたいだね。リーダーのためにしてくれたみたいだったんだな。」


「そう、だな。」


楠木はロアのことをフォローするように言い、近藤もそれに答える。

そんな事実はないんだけれどね!

そして下がったロアがどうしたかと言うと扉のすぐ後ろで待機していた。

この後近藤が立ち上がるのを見届けるために。


(にしても、うまいこと勘違いしてくれてるっすねー。)

悪の組織の名前:バッドエンズ

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