シールdeイタズラ:正義のヒーロー達の場合③
「カズ先輩!カケル先輩!」
ロアはここ数日で仲良くなった二人を見つけて駆け寄っていった。
「お、ロアじゃん!」
「どうしたの?」
とくにこの年若い二人の青年とは馴染んでいた。
ものすごーく馴染んでいた。
それはこの二人が若く、新しいことに柔軟に対応できることもあるが、なんと言ってもノリがいい。
とくに悪ノリが。
ロアと仲良くなるに決まっていた。
ロアもロアで演技力というか適応力は高いのでなおのこと。
ちなみにロアのここ、正義の味方でのキャラクターコンセプトは素直あざといとしているので、まだ目立ったイタズラは仕掛けていない。
素直あざといとか真逆もいいところだ。
「えっとぉ、実はお二人に相談があるんす。」
「なになに?」
「どうした?なんかあったの?」
さっすが正義の味方、やっさしー。
「自分、タケルリーダーとあまり馴染めてないみたいで………。お二人に協力して欲しいんすよね。」
その言葉をできる限り瞳をフルフルさせてうったえる。
なんて奴だ。
「あー、リーダーまだロアのことちょっと警戒してるよね。」
「まぁそうだよね。」
その言葉にロアはですよねーと思いながらも、しょんぼりしたように振る舞う。
それを見た二人は優しく
「大丈夫大丈夫!」
「もちろんオイラ達協力するからさ!」
やだ超優しい。
てゆーかチョロすぎぃ。
「じゃあ、このシールをタケルリーダーのお尻に貼りましょう!」
「え。」
「いやなんでだよ!」
鋭いツッコミを入れてくれる斎藤。
まったくもってその通りである。
「誰かと仲良くなるためにはイタズラすればいいって、デイビッドさんが言ってたっす!」
「誰だよデイビッド!!」
「さあ?」
「適当かよ!」
「カズ先輩キレッキレっすね!」
「誰のせいだよ誰の!」
そう言いながら斎藤はロアの頭をグリグリしている。
もちろんあんまり痛くないように。
それを速川は楽しそうに笑いながら見ている。
実に平和である。
そして結局ツッコミはいただいたものの、二人ともノリノリで協力してくれることになった。
「じゃあ、さっそく作戦会議っすよー!」
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「なーカズ。」
「んー?なに?」
「これさー、バレたらオレ達も怒られんじゃね?」
「かもね。でもまぁ、これも新入りちゃんのためだよ。」
そう言いながら、リーダーの椅子になにやら仕掛けている二人。
冷静に考えればこんなことで仲良くなれる訳がない。
けれどもロアの事を幼い新入りだと考えている二人は頑張ってくれる。
「さて、取り付けも終わったし、ロアに教えてやるか。」
「おー。」
リーダー:名前が決まりました
近藤タケルです
速川カケル:見た目チャラ男、20代前半
金髪で所々黒が混じる
175cmくらいで細マッチョ
足がめちゃくちゃ速い
正義の味方の組織名:セイバーズ




