シールdeイタズラ:正義のヒーロー達の場合①
「ロア、お前のイタズラや演技力には目を見張るものがある。」
そんなことを唐突に言い出したのは我らがボス。
というか目を見張るっていうか、なんていうか……。
ただ単に遠慮とか良心とかがないからじゃないかなー。
「まじっすか!あざっす!!」
ロアもロアでボスに褒められたから嬉しそうだし。
「そこで……だ。」
いきなり真面目な調子になるボス。
「それを正義のヒーロー達に仕掛けて、引っ掻き回して来い!」
「サーイエッサー!とりあえずどんなことしたらいいっすかね?」
「そのあたりはお前に任せる。」
「そっすかー!んじゃぁこういうの仕入れて欲しいっす!」
そう言ってロアは欲しいものリストを渡す。
なにやらすでに準備していたようだ。
用意のいいことで……。
「ほーお?わかった。では取り寄せ次第行ってくるように!」
そうしてロアの潜入活動がはじまったのだった。
ーーーーー
正義の味方の基地付近
(さてと、とりあえず基地の近くまで来たものの……。どうするっすかねー。)
あまり基地に近付きすぎると、怪しまれてしまうため迂闊に近寄れない。
まぁロアに考えがあるようなので任せてみようか。
「とりあえず軽く怪我とかしてみるっすかね。組織にやられたっていう体で。あ、組織のマーク付いたワッペンは外さないと……。」
ペリッ
余談ではあるが悪の組織にも、正義のヒーロー達にもエンブレムがある。
わかりやすいように。
便利なご都合主義の世界なので。
エンブレムさえはずしてしまえばロアは一般人と変わらないだろう。
なにせ新人であり、尚且つ戦闘要員ではないため正義のヒーロー達に顔バレしていないのだ。
それにロアの見た目はただの幼女。
なおのこと警戒も薄れるだろう。
ガスンッ
「いってぇ……。ちょっとやり過ぎたっすかね?でも服とかももうちょい汚さないとな。」
腕や足などに擦り傷をつけたロア。
少し正義の味方の基地に近寄り大袈裟に倒れる。
ーーーーー
所変わって正義のヒーロー達の基地
その中にある管制室。
そこで一人の青年が声を上げた。
「ねぇ、あれ見て。」
その目が向いているのは、基地の外に向けた監視カメラの映像。
見慣れない女の子が倒れている。
基地のある辺りは街から少し離れており、普段こんな所に自分達正義の味方以外近寄らない。
だから不自然に思ったのだ。
「どうしたカズ。」
「んー、コレ見てよリーダー。」
カズと呼ばれた青年が体躯のいい青年に答える。
リーダーと呼ばれたことから、その言葉通り彼がこの正義の味方のリーダーなのだろう。
いわゆるレッドポジションだ。
まぁ髪の色は鮮やかな青色だが。
「なんだろう。女の子のようだが……。カメラの感度を上げて拡大してくれ。」
そう言われたカズが機械を操作する。
「これは……!」
「あの子怪我してるよ!」
そこに映ったのは腕や足が赤く染まったボロボロの女の子だった。
「リーダー!助けなきゃ!」
「あ、あぁ。そうだな。」
肯定はするものの、少し歯切れの悪いリーダー。
リーダーの中で少し嫌な予感がしているようだ。
このリーダー年齢は20代後半と若いものの、悪の組織のボスとの戦いの経歴は長いものがある。
それゆえだろう。
「じゃあオイラ行ってくるよ!」
そう言ってカズは管制室から飛び出して行った。
「罠……でなければいいのだが。」
大当たりですよリーダー。
さすがだね!
正義のヒーロー達:だいたい6、7人くらいいる
全員でてくるかはわからない
頑張って悪の組織を止めようとしているが、その方法は割とデンジャラス
斎藤カズヤ:今回出てきたカズと呼ばれる青年
小柄で細身、20代半ば、だいたい165cmくらい
金と銀の混ざったような髪色で襟足の長いチャラ男風
キャラクターものの服を好んで着ている
仲間思いで割とお節介焼き、でも同じくらい調子乗り
楽しいことは率先してやる派
リーダー:名前はまだ無い
青髪でマッチョの好青年、20代後半身長は180cmくらい
ジャージと軍服の中間くらいの服(一応制服、着用義務は無い)を着ている
落ち着いた性格で、優しい正義のヒーローの代名詞のような人だがそこそこ抜けている
女性に免疫が無い




