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シールdeイタズラ:寺沢の場合②

そして時間は次の日の夜となる。

もちろんそれぞれが私室で休んでいる時間だ。

それを見計らい、ロアは動き出す。

もちろん、仕事のためでもあるが、イタズラの為でもある。

各々の部屋を廻り、御用聞きをしたり、ゴミの回収をしたり、そんな雑務もロアの仕事である。

一応はちゃんと仕事しているんですよ。


コンコン


「寺ちゃーん、御用聞きに来たっすよー。」


そして件の寺沢の部屋。


カチャリ


「はいはい。」


そんな言葉とともに扉が開かれる。


「ゴミとか溜まってたら出して欲しいっす。……あれ?」


「なに?どうしたのよ。」


「寺ちゃん今、1人だったんすか?たくさん話声が聞こえたからお客さんでも来てるのかと思ったっす。」


そう言いながらロアは寺沢の部屋をのぞき込む。

もちろん嘘である。


「……は?」


「でも、そんな訳ないっすよね。さっきまで自分、皆さんのところ回ってましたし。寺ちゃんが最後なんすもん。……?」


そう言ってロアはあからさまに寺沢のベッドに目を向ける。


「な……なによ。」


「なんでもないっすよ?」


少し動揺したように話すロア、もちろん演技である。


「じゃ!自分もう行くっすね!」


「あっ!ちょっ、ロア!待ちなさい!!」


そしてロアは逃げるように、寺沢の部屋から遠ざかった。



ーーーーー



ところ変わってボスのお部屋。


「以上が報告になるっすよ。寺ちゃん結構ビビってる感じっすねー。」


「ほぉー、いいんじゃねーの?中々手が込んでるじゃないか、面白いから続けなさい。」


「うぃーっす!あ、じゃあ明日の朝にボスにもちょっとご協力を……。」


「ん?いいぞ。」


そんな会話がされていたとか。


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