サイセイ(編集中)
人とは、お金を渡せばすべてを許してくれるのだろうか。
人とは、檻の中に入ればすべてを償えるのだろうか。
人とは、すべてを許してくれるのであろうか。
…なのであれば、これは許されるのであろうか、この光景を。
俺は許される…のか?…いや、これは許されない、何故か、それは、もう直せず、戻らず、何もかも消えた“思い出”なのだから。
そして俺はそっと目を閉じすべてとサヨナラした。
~平成3年6月18日~
朝起きると俺は泣いていた。
何か特別な理由があるといえばある…いや、あったのかもしれない。
しかし、思い出せない。
何を見て、何を思い、何を感じていたのかがわからない。
だが、はっきりとした感情は一つだけ残っている。
それは、「悲しみ」である。
それ以外は思い出せない。
だが、生憎自分が見た夢を思い出そうとする性格は持っていない、忘れたものは大事なものではないと決めつけて、それ以上の散策はやめたほうが身体的にも精神的にもそれが楽である、これが俺、「車 日暮」である。
そんなことを考えていたら部屋に腹が空く匂いが漂ってきた。
勿論、腹が空く匂いだから腹が空くに決まっている、証拠に腹からやる気のない音が出た。
俺は勢いよく布団から出て、部屋を思いっきり出た、さっきの悲しい感情を置いて。
「おはよー」
俺はそういいつつリビングへ入った。
「おはよう、朝ごはん出来てるわよ、もちろん食べるわよね?」
と言いつつ、椅子へ座ったところに炊き立てのご飯と、出来立てのお味噌汁とおかずを並べているのは母である、いつも元気で笑顔が絶えない、弱音なんて吐いているところを見たのは一度もない。
「もちろん食べるよ」
[元気な人には元気に、元気じゃない人にも元気に]という母が作った、母らしい家族のルールに抗わず、元気に答えた。
父は朝ごはんを食べている途中化食べ終わった時に、「おぁよう」と眠そうな顔で入ってくる。
無理もない、父は昨日徹夜で、仕事をしていたのだ。
父は建築業を中心的にやっていた、だが、趣味である小説書きで、2年前にとある出版社主催の、小説コンテストで最優秀賞をとり、それもあってか趣味を仕事に生きていくことになった。
最初は母も俺も祖父祖母だって反対したが、最終的に半強制的に丸く収まって父は小説家になった。
今は、ちょっとスランプらしい、こういう時は父には何もせず、いつもの挨拶だけで済まして、自分はさっさと学校へ行ってしまう。
朝ごはんを食べ終わり、食べたものを下げ、自分の部屋へ戻り、制服に着替え、玄関へ行く。
そして、母から弁当をもらい俺は行ってきますを言い家を出る。
今日も晴れていて、外はムシムシした暑さと一緒にセミたちはやかましく鳴いていた。
暑さとセミの五月蝿さに負けじと、俺は学校を目指す。
今日も見渡す限り田んぼと田んぼと林と古民家を挟んで田んぼだけである。
この光景にはもう慣れていた、と言ってもつい3ヵ月前にこの「日陰村」へ引っ越してきた。
最初は日陰村と言ったらすごくじめじめしてる村ではないのかと思っていたが、村人は元気でいつも挨拶をしてくれる。
勿論、俺は挨拶を返す、この手順は当り前で一般常識のはずだ。
なのにどうして、都会人は挨拶をしないのだろうか、挨拶したら挨拶し返したらどうなんだ、全く…あ、俺も生まれは東京だし、東京に住んでた時には挨拶なんて一度もしてなかったな、俺なんも言えねえわ。
なんてことを思っていると小屋に水車がある曲道が見えてくる。
ここではいつもとある人を待っている。
多分俺より来るのはいつも早いが俺より遅くても数秒で見えてくるような…お、来た来た。
「おはよ~!遅れてごめ~ん!」
その子は俺を見つけるなり手を振り、挨拶しながらこちらへ猛突進してくる。
「サッ!…おはよう、エミ」
俺はそれを避け、挨拶し返す。
「今日も元気だね!ひーくん!」
「…お前がそれを言うか?」
「なにおー!これでも今日は起きるの遅くて朝ごはんを3分の2しか食べれなかったんだぞ!」
「へいへい、気付けなくてすいやせんでしたね」
「む~…あ、そろそろ二人が来ちゃうよ、早くいこ!」
「あ、そうだな行くか」
そこでいつもの他愛無い話をし、俺たちは歩き出した。
初めまして、とっぱと申しますこの度はこの小説を読んでいただき大変にありがとうございました。
この本を書こうとしたきっかけはとある人が自分で小説を書き始めたので自分もやってみようかなーという好奇心からでした、この「日常のような非日常」が私の小説人生の第一歩で、私の最初の作品ですのでもしかしたら誤字や脱字意味の分からない設定があるかもしれません、そこは生ぬるい目でご指摘願います。