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ソロモン72柱の悪魔の序列72位を馬鹿にした結果がこれだよ!

作者: 蟋蟀

 俺の名前はカサルト・アンケテラス。転生者である。俺は確かに一度死んだのだ。

 しかしいまはこの剣と魔法の世界で村人として生活している。

 死んだときに神様にチートや説明をされることなく転生し、単なる村人Aとして転生した。



 知識チートをしようかと思ったがやっぱり知識はたかが知れてるし、成功するかもわからないので極々普通の村の極々普通の村人として生活を送っているのが現状である。


 ただの村人としてこの世界に生まれて19年と少しがたった頃事件が起きた。






 あの日は快晴だった。いつもどうりの変わらない日常を送っていると

「悪魔が!悪魔が出たぞ!女子供とジジイどもは逃げろ!若い男たちと俺が時間稼ぎをする!早く!早く逃げろ!」

突然村一番の戦闘能力の持つダンテさんが同じく言葉を繰り返しながら村を駆け回っていた。


どうやら俺たちが足止めをし、その間に女子供は近くの街までにげさせるみたいだ。


 俺は馬鹿だから悪魔がこの世界ではどのような存在かは分からなかったが人々が恐れを抱く存在だということは理解出来た。しかし恐怖や死にたくないといった感情は出てこなかった。



 俺は生きることに疲れていたのだ。勇者でも何でもなくハーレムが出来るわけでも幼馴染みもいない。おまけにチート無しのハードモードだ。


 分かっている。もちろん分かっている。心の隅では前世でもこの世界でも世界がそんなに甘くないことも、自分中心に世界が回って無いことくらいは分かっている。


 分かっているはずなのに何処かでもしかしらと思ってしまうのだ。


 だから俺は迷いなく武器(木製の鍬)を手に取り悪魔の方に向かって走り出した。




 男たちが集まっている場所に着いた。幸いまだ戦闘は始まって無いみたいだ。

 ーーそしてその中心には蛇がいた。


 蛇?ヘビ?snake?おいおいどういう事だよ。たかが蛇相手に悪魔ってこの世界どうなってんだ。



 こんな俺でも優しく接してくれた(当然だが)母親、そして愛する妹を逃がすために俺は時間稼ぎをするべくに前に出た。(ちなみに父親は俺が赤ん坊の時に他界しているため顔も覚えていない。)

 何処かでもしかしたら蛇だし倒せるんじゃね?と思いながら。このあと俺は後悔することになるのだが当然この時の俺にはそんなこと知る由も無かった。



『何だ?人間。この私に向かってくるその勇気を称賛して一番最初に殺してやる。』

 誰だ?いま喋ったの?声が聞こえる方には蛇しかしない。

「まさかお前が喋ったの?おいおいお前蛇だろ。」

『ほう。まさか蛇を知っているとはな。面白い人間よ!貴様名乗って見よ!』

 蛇って普通の人間知らないの?等と思うのと同時にこの蛇結構おしゃべりだから時間稼ぐだけ稼ごうと思う。

「俺の名前はカサルト・アンケテラス!お前も名乗れ!」

『私の名前はアンドロマリウス。蛇の悪魔なり』

 アンドロマリウス?何処かで聞いたような気がするな?

 うーん






 あ!思い出した!ソロモンが封印した72柱の悪魔の序列72位だ!


「おいアンドロマリウス!序列72位のくせに生意気何だよ。序列72位のくせに。72位の癖に!」

『おい。人間なぜ怒る?だが面白い!人間なのに蛇を知っているし、72位というのは何のことだが知らんが面白そうだ。お前以外の男連中をさっさと殺して魔王様の元に連れていってやる!女子供などどうでも良い。魔王様が楽しんでくださることが私の最高の喜び!』



 え?何なの?え?魔王のところ連れて行かれるの?だがこいつ男たちをさっさと殺すとか言ってるよ?改めて思うと72位でもやっぱり悪魔って強いんじゃね?いや強いに違いない。(確信)


 だがこれで母親と妹が助かるなら魔王のとこでも、どこでも行ってやる。  



 そんなことを考えているとダンテさんを含む全員が死んでいた。俺はぼっちだったのでそこまで悲しみの感情は出てこなかったが、やはり強かったようだ。序列72位でも馬鹿にしなければ良かった。

『では、行くぞ人間』

 俺は答える間もなく転移させられた。









 

 そこは城のような場所だった。しかし、いまにも崩れそうなほどボロボロで王座にはいかにも魔王って感じの人が座っていたので、ここは魔王城なのだと瞬時に悟った。


 これで母親と妹は助かったようだ。ダンテさんたちの犠牲も無駄にならないわけだ。



『魔王様。ただいまアンドロマリウス戻りました。』

『よくぞ帰った。アンドロマリウスよ。さすが我が魔王軍序列7位だな。で、そこの人間は誰だ?』

『この人間は名をカサルト・アンケテラスといいます。面白いそうな人間で魔王様がお喜びになられるかと思い連れて来ました。』

『なるほどな。よく来た人間よ。我が直々に鍛えてやろう。』

 何故鍛えてくれるのかは分からないがそう言うと魔王は俺に向かってにやりと笑った。










 








 このときは魔王もアンドロマリウスもましてや青年でさえ思いもしなかった。

 この青年が師である魔王を倒し人々に英雄と呼ばれる存在になることを。

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