幼子の章2
互いの他は要らない・・・・・・
「君達は・・・・・・私達の友達だよね?」
静かな神殿の中、
シルクは周りを楽しそうに飛び交っている精霊達に話しかけた
抱きしめてはくれないけれど彼らはいつも自分達の傍に居てくれた。
月の加護を受け神の力を与えられた
御子達を精霊達は愛おしみ
よろこんでその力になろうとしていた。
シルクが、手の平を差し出すと風の精が喜んで集い
蕾の花に触れると祝福するように花々は咲き誇り
水は鏡となって過去、未来の画像を運び
炎は、邪を焼き払い
四精は全て従った。
「シルク!」
力強い声に振り向くとカルーがその手の剣に炎の力を宿し
歩いてくる
「・・・・手合わせ・・・していたのですか?」
カルーは、剣が闘いのそのままだということに
気が付いて剣の炎を消し
身体の地の力を消した。
「・・・・・・お前はちっとも出てこないな・・・
お前だとて父上の子、武術の才はあると思うのに・・・・つまらない!」
カルーの言葉にクスクス笑うと
どうぞと跪いていた隣を指す。
「うん」
とその場に座り込んだカルーと一緒に視線を
再び精霊達に戻す。
「同じように精霊が力を貸してくれても、
同じ姉弟でも私とお前は正反対だな・・・・?」
「うん・・・・でもお互いに助け合えて補いあえて
私達は半身同士・・・だね?」
肩を寄せ合って囁きあう
「大好きだよ・・・・・シルク・・・私の半身・・・」
「私も大好き・・・・カルー・・・・カルーが居るから私は一人じゃない」
そっと抱きあった。
「御子様方の健やかなご成長嬉しく思います!
御ん年16になられつきましては、正式に国王、巫子王として
ご即位なされたら如何でしょうか?」
重臣達の言葉に王座に座った二人は、
頷いた後、カルーが一つ提案をした。
「良いだろう、次の「月招きの儀」の良い日を
もって私達は国王、巫子王として
即位しよう・・・・・ただし、
私は、伴侶としてシルク以外を認めない・・・・
シルクも私以外を認めないそれを受け入れよ!」
そっと視線を送ったカルーにシルクは視線を
返し頷いた。
(私達は、お互いしか認めない・・・・・)
2人のどちらをも大切に戴く重臣達は
カルー・ルミエラ=サフラを
国王とし
シルク・フィエル=サフラを
巫子王としました。
重臣達にとっても2人の神の力を持つ血を薄めるのは嫌だったので
喜んで承知いたしました。
温かさを唯一与えてくれる半身・・・・・・
生まれた時からカルーには、シルク
シルクには、カルーしか居なかったのだから・・・。