15/16
vitae aeterunae
誰かが死んだとしても、それはボクに関係のないことだ。
だから興味なんてなかった。
自分の家族とか親戚じゃないただの他人の死がニュースで報道されても、ただ運が悪かっただけだったのだろうとしか思えなかった。
薄情なのは自覚している。幼い頃から何度も言われてきた言葉だ。
別に死んだっていいじゃないか。世界では新しい命が次々と生まれてるんだから。
そんな固定観念がボクの中に根付いて離れない。
「一つ息をしてごらん。
ほら、今のこの一瞬で世界中の何億って人間の中の誰かが死んだ。
一つ息をしてごらん。
ほら、今のこの一瞬で世界中で何人かの命が生まれた。」
誰が死んでも、ボクには全く興味のないことだった。
たとえ親が死んでも、ボクの生には関係のないことだ。
死んだのはボクじゃなくて、異なる身体を持つ他人なんだから。
誰かが死んでも、ボクは生き続ける。命がある限り。
ボクは、そんな生に意地汚いボク自身が大嫌いだった。
vitae aeterunae=永遠の生




