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短編集  作者: 黒澤 由亜
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vitae aeterunae


誰かが死んだとしても、それはボクに関係のないことだ。

だから興味なんてなかった。

自分の家族とか親戚じゃないただの他人の死がニュースで報道されても、ただ運が悪かっただけだったのだろうとしか思えなかった。

薄情なのは自覚している。幼い頃から何度も言われてきた言葉だ。

別に死んだっていいじゃないか。世界では新しい命が次々と生まれてるんだから。

そんな固定観念がボクの中に根付いて離れない。




「一つ息をしてごらん。


ほら、今のこの一瞬で世界中の何億って人間の中の誰かが死んだ。


 一つ息をしてごらん。


ほら、今のこの一瞬で世界中で何人かの命が生まれた。」




誰が死んでも、ボクには全く興味のないことだった。

たとえ親が死んでも、ボクの生には関係のないことだ。

死んだのはボクじゃなくて、異なる身体を持つ他人なんだから。

誰かが死んでも、ボクは生き続ける。命がある限り。



ボクは、そんな生に意地汚いボク自身が大嫌いだった。


vitae aeterunae=永遠の生

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