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死神の執行猶予  作者: 久遠夏目
序章
1/38

プロローグ

 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

 この言は、初めに神と共にあった。

 万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。

 言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。

 光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。

 神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。

 彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。

 彼は光ではなく、光について証しをするために来た。

 その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。

 言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。

 言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。

 しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。

 この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。

 言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。

   (ヨハネによる福音書1:1-14)


       * * *


「こんばんは。あなたのお迎えにきたわ」


 たとえるなら、闇。

 わたしには、感情も涙も必要ない。

 だって、みんな死にゆく運命なのだから。


「こんにちは。私があなたの代わりに泣いてさしあげます」


 たとえるなら、光。

 彼には、感情と涙が必要だ。

 だって、みんな哀しんでいるのだから。




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