表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

船落とし

 ようやく自分が納得できる名前をつけることができました。たびたび名前が変わって申し訳ありませんでした。

 目的地である対空兵器が設置されている建物に到着したとき、当の飛行船は議会庁舎から撤退する冒険者に砲撃を行っている最中だった。キリカと氷雨はバルゲルの指揮の下で船から降ろされた対モンスター用の大型兵器による攻撃の準備を行っている。そんな中で将成は無事に機銃銃座に辿り着くことが出来た。空に向けてペットボトル大の弾丸を撃ち出す機関銃の砲身が四本。そして弾薬箱と思しきデザインの箱に椅子と照準器、全てが揃っていることを確かめると彼は椅子に座る。同時にAR(拡張現実)のような画面が端に表示され、機関砲の残弾、砲身の過熱率などを示す画面が表示される。

MFOにおいてこの手の対空火器には一定時間射撃を続けると砲身がオーバーヒートし一定時間……砲身の冷却が完了するまで攻撃は出来ない、という仕様になっている。また画面に表示されている『100/100』と表示された分の弾丸を撃ち終えるとリロード時間という物が発生し、白いメーターが回復するまで攻撃が出来なくなるというシステムも存在している。機関砲を操作する際はこの二つ、砲身加熱ゲージと残弾を確認しながら攻撃する必要があった。実際ゲームだった頃は上手下手なプレイヤーで戦果が全く異なる。下手な人は即座に叩き潰されることなど当たり前だが、上手い人はそれこそ十数体敵を始末して尚余裕がある。将成自身は可もなく不可もなく、と言った立ち位置だ。回転と角度を調節して飛行船を狙う。飛行船にはこういった攻撃の対策として装甲板と船体にある程度の隙間を設けている。こうすることで例え装甲を抜かれたとしても本来の船体にはダメージを与えないような設計になっている。

 照準器のクロスマークの中央に船を納めると将成はボタンを押した。同時に弾薬箱から繋がるベルトリンクから弾丸が供給開始。四連続で爆音と炎が銃口から迸り、オレンジ色の曳光弾が夜空を流れ星のように瞬いて行った。弾丸は飛行船の装甲板を貫いて穴を穿つのだが、船体そのものへのダメージはないのか変わることなく地上への砲撃を継続していた。弾薬の残量が『82/100』のところで砲身の加熱ゲージが中間の黄色から最高の赤になる中間の色であるオレンジを表示し始めたところで射撃を一旦停止。加熱ゲージが収まるまで待つことにする。


「キリカ、準備の方は順調か?」


 砲身の加熱ゲージが減るまでの間、将成は別の場所でバルゲルと共に準備しているキリカに話しかけた。


『はい。バルゲル少佐が手伝ってくれているお陰で順調ですわ』


 インカムから聞こえてくるのは彼女の声以外に一緒に行った氷雨とバルゲルの声だ。砲撃の爆音や戦闘の音がBGMとして聞こえていないことを考えるとどうやら余り人がいない場所を移動していると考えていい。


「……そうか、疲れてるのに連戦させることになって悪いな」


『いえ、謝らないでください。私はこうして主のために戦えることが出来て嬉しいのです。疲れなんて感じませんわ』


 悪戯っぽく笑う彼女の声を聞いているだけで表情が想像できる。戦場には似つかわしくない声のトーンだが、彼女の声を聞いているだけで将成は自分の心が穏やかになっていくのを感じた。少なくとも彼自身は彼女の存在に助けられている。友人である一存や礼もそうだが、信頼できる友人と上司、そして自分に従ってくれる存在がいるだけでここまで安心できることを将成は知った。


『それでは、通信を切りますね』


 短く言い残すと通信が切れた。インカムをしたまま彼は照準を飛行船に合せ続ける。銃身の冷却が完了したことを確かめると彼は再び射撃を開始した。今度は将成単独ではなく、一存が操作しているロケット弾発射器も攻撃を行う。夜空に山なりの軌跡を描きながらロケット弾が飛行船に降り注ぐがその多くは強固な装甲によって阻まれていることだろう。だが、この攻撃のおかげで飛行船の注意は下に展開する冒険者ではなく、攻撃してきた存在へと向く、相対的にこちらの危険度が倍増することになるが、それさえも楽しむのが将成を始めとした三羽烏の面々だった。

 飛行船も先程から攻撃を断続的に行っている二人に対し、行動を起こすことにしたのだろう。地上への砲撃を停止させると射角を水平にして断続的な砲撃を行い始めた。砲弾の多くは見当違いの方向へ飛んでいくのだが、それでも間近で砲弾が飛び交うというのは余り心臓に良くない光景だ。冒険者は不死の存在だと言われていても、死ぬ感覚がどんなものか判らない以上、命を無視した戦い方は出来そうにもない。

 飛行船の舳先が二人のいる建物がある方向に向く、飛行船の底部にある砲塔のいくつかが二人のいる建物にその砲身を向けていることからも既に攻撃してきた相手がどこにいるのかという凡その見当は付けたと考えていいだろう。既に相手の砲塔や機銃は射程圏内に入っている。そして将成と一存が操作している銃座に供えられた武装類も相手を捉えていた。ここから先は如何にして先手を打ち、一つでも多く相手の武器を破壊した方が勝利する。勿論将成達の側も相手の攻撃を数発でも食らえば即終了だ。だからこそ……


「一存、俺はあの下にある照準器を潰す。そっちはヤバそうな砲塔から先に頼んだ」


『任せろ。きっちり始末して見せるさ』


 飛行船側の命中率を上げる照準機器、それの破壊を最優先で行う。必然的に将成は照準器を狙った後に他の機銃や砲塔を攻撃しなければならないのだが、もとよりこちらは機関銃、貫通力に優れる徹甲弾を使用していたとしても、破壊力のあるロケット弾より威力は劣る。だからこそ攻撃の精度を少しでも落とすべく、彼は照準器を最優先で狙うのだ。一存の力強い返答を聞くと将成は照準器を覗き込み、クロスマークの中央を船体底部にある構造物の中で、砲撃の観測に使用する照準器らしき部分を見つけるとそこに狙いを定める。中央に狙いを定め、コントロールスティックにある射撃ボタンの部分に指を掛ける。既に砲塔の幾つかはいつでも砲撃できるよう回転を始めていた。機銃にも数人の兵士が張り付き、いつでも射撃できるよう準備している。

 先手を打ったのは将成の方だった。ボタンを押しこんだ瞬間四本の砲身から放たれた弾丸が構造物へ飛翔、将成の狙い通りに観測機器に着弾し、立て続けに飛来した二発目、三発目が観測機器を跡形もなく消し去る。続いてその近くにあった機銃にも着弾した。同時に反対側からも砲撃開始、ロケット弾四発が砲塔と船を繋ぐ接続部に着弾し、爆発。金具が破壊されたのか、それとも別の理由かは分らないが、不気味な金属音を立てて外れた砲塔が地面に落ちていく。普通に砲塔を狙ったとしても砲塔そのものの装甲によって阻まれる可能性がゼロだとは言い切れない。だからこそ彼は確実性に成果が期待できる砲塔の接続部を狙ったのだ。立て続けに飛来するロケット砲弾が今度は機銃座に命中、弾薬に引火したのか派手に爆発を起こす。だが、ここまで接近されると将成達の使用する銃座にも被害が出る。事実、数発の砲弾と数十発の機銃弾の影響で設置されている建物の屋根瓦は砕け、屋根の一部には大穴が穿たれているところもある。そして肝心の銃座そのものも既に耐久値の六割を失っていた。

 本来ならばここでアイテム『工具』や数十秒当てるだけで耐久値が回復するという魔法の道具『バーナー』を持った冒険者……通称エンジニアと呼ばれる役割のプレイヤーが即座に修理に入るのだが、将成は今回アイテムバッグ内にその工具セットやバーナーを持ってきていない。そして回復できないということはダメージを受けたままの状態で戦闘を続行することに他ならなかった。

 本来は整備に入り、整備中は他の冒険者が敵の注意を惹きつけなければならないのだが、生憎ここにいるのは将成一人のみ、注意をひきつける人員も修理する人員もいない。そして再び将成は再び座席に座り、照準器を覗き込むと砲身加熱ゲージと残弾数を確認。方針冷却が完了し、機銃の残弾に十分余裕があることを確認すると両ゲージを気にすることなく全力で攻撃を始めた。瞬く間にゲージが伸び、残弾数も減少していくが、将成はあえてそれを見ない。砲塔の装甲を貫いて中に弾丸を送り込み、機銃座を破壊し艦底構造物に次々と大口径弾を叩き込んでいく。そして残弾数が一桁台に達し、砲身加熱ゲージが右端の赤にまで達したところで彼は銃座から離脱する。直後、銃座に艦底部にある砲塔からの弾丸が数発命中し、銃座が設置されていた部分が崩壊、建物の一部を道連れにして銃座は地面に落ちて行った。

 反対側のロケット弾発射機が置かれている建物も将成がいた建物と似たり寄ったりで穴あきチーズの如き様相を呈している。ぐらぐらと揺れている様は今にも崩壊しそうだがかろうじて持ちこたえているようだった。艦そのものの被害はロケット弾の攻撃によるものの方が酷く、左舷側の銃座、砲塔関連は壊滅状態で、何発かはエンジンルームへも着弾しているらしい。船体後部に何十発も撃ち込まれたような跡と、破坑部から噴き出す黒煙が戦闘の凄まじさを物語っている。一存も最後だと言わんばかりにロケット弾を撃ち込むと脱出。こちらは発射機に爆弾を仕掛けていたのか、内部から盛大に炎が噴き上がる。

 船は二人の隠れる建物を通り過ぎた後、ゆっくりと街の外へ出る動きを見せ始めた。先程まであれほど行っていた砲撃も止んでいる。遠くから見ると改めて一存の戦いの凄まじさが理解できた。船体が左に傾いでいるのだ。そして黒煙も側面と底面の二か所から噴き出し、一部ではオレンジ色の炎も見えている。


「……すごいな、一存」


『それほどでもない。沈まなかったあの船もなかなかだ。だがまあ……』


 船の様子を確かめていたその時、低高度をゆっくりと移動する飛行船の底部に地上から白煙を引いた何かが直撃、それまで小さな炎だった火災がここに来て途端に燃え広がった。船体後部が炎に包まれ、船がゆっくり軌道を変え、今度こそと街から出ようとする。恐らくはあれがキリカ達の仕掛けた一撃なのだろうと直感的に理解した。艦底部の至る所から火が噴き出し、環境らしき構造物も窓の部分から火が噴き出しているのが見える。今頃あの船の中は地獄一歩手前の状況で消火活動を行っているのだろうなと将成は他人事のように思った。


『少し想定が甘かった。それだけさ』


 退避していく飛行船を見送りながら将成は一存と合流するべく移動を始める。上空からの砲撃が止んだことは移動中にボスであるエヴァンジェリンに報告済み、今は攻城兵器の破壊を終えた少佐以下、二人の従騎士と合流するべく移動しているところだ。ゲームのようにウィンドウ下に表示されているミニマップは現在機能していない。自前の高精度な地図はあるにはあるが、ここで出すわけにもいかなかった。それからは知ること数分、バルゲル少佐名義で簡易メッセージが送られてきた。定型文や、メールを打つのが面倒なプレイヤー向けのシステムで、今回のメッセージも合流地点が簡潔に記されただけだった。バルゲルが指定したのは議会庁舎からほど近い建物のひとつで脱出支援を手伝えということらしい。将成は走る。デザインもそうだが、付与されているアビリティが優秀なこの装備一式……『国家特別防衛委員会執行官制服』という漢字しか並んでいないこの装備セットはアニメとタイアップして出来た装備だった。同時期に開催されたもう一つのコラボ装備……VRデスゲームを題材としたライトノベルのアニメとコラボした影響で見向きもされなくなっていたが、将成はデザインで一目ぼれしたこともあってコラボ期間中はひたすらこの装備が出てくるエリアで戦っていた。その甲斐あって彼は同様の制服を十着近く保有している。今着ているのはその中で最高難易度の敵を撃破し、尚且つⅡ種からⅦ種までの数字が刻まれた階級章のコンプリート報酬として彼専用にサポートスキルが複数個付与され、彼が使用するスキルを支援したり増幅させることを可能にした専用装備が贈呈されたのだ。ランクは当然最上位のエンシェント級、階級章の数字は最下位の『Ⅶ』だったが、将成にはそれが何よりも嬉しかった。

 そんな思い出の装備は現在も数度の補修を経て使用され続けている。コンバットブーツで地面を蹴って大通りへと出た彼の目の前を通り過ぎて行ったのは数頭の馬に繋がれた幌付き馬車だった。疲労の色が濃い冒険者たちを乗せて馬車は一路港を目指す。二人は馬車の進行方向とは反対側、議会庁舎のある方向へ走りだした。来た時よりも瓦礫や建物の破片が多くなっている。飛行船が撤退する冒険者を砲撃していたためか道端に破壊された馬車の残骸が転がっているのもちらほらと見かける。

 二人が議会庁舎の手前、中央通りをまっすぐ進んだ場所にある噴水広場はを回収した時と同じような構造になっていた。異なるのは噴水の中央にある石像のデザインと広場に接している店が異なるくらいだった。既に噴水前には見覚えのある三人が集まっている。


「大丈夫だったか?」


「はい、こちらは無事です」


 キリカが答える。少しだけ髪が煤けていたが、それ以外はいつもの彼女と同じだ。服装も武器も欠けた部分はない。残る二人もそれは同様で氷雨は一存に褒めてもらっている。従騎士の育成はそれこそ古来から存在する育成ゲームと同様でフィールド上で行う行動をそれぞれ褒めたり叱ったりすることで性格や行動が変化していく。キリカの性格はそれに基づいたものになっている。高い忠誠心と柔軟な思考、そして一度火がつけば徹底的に敵を撃滅する苛烈さ……育成者である将成自身も頭を抱える優秀な従騎士に育ってしまっていた。今の状態になるまでそれこそ紆余曲折、一冊の本として公開できそうな日々だったが、それは同時に将成自身のトラウマを呼び覚ますことにもなるので思考を打ち切る。

 そこで、上空からふわり、と五つの影が合流した。一人は金髪碧眼で容姿端麗という言葉がすべてを表し、スタイリッシュな戦闘用ドレスと金属製の甲冑に身を包んだ女性。そしてその女性の両脇を固めるのは銀髪に細い眼鏡をかけた『美中年』という言葉が似合いそうな男性と、どこか日本人離れした美貌を持つ女性。そして最後の二人は礼とコーデリアだった。


「四人とも元気そうで安心した。久しぶりだな」


 将成、カノン、一存、氷雨の前に降り立ったのは彼が所属することになったギルド『バッドカンパニー』のリーダーことアンジェの姿だった。



 議会庁舎を中心に街の中に八つ存在する広場の一つ、数十分前にカノンを将成によって連れて行かれた広場とよく似た構造の広場の一つでは光輝達と帝国軍の戦闘が一段落したところだった。帝国軍が己の不利を悟って後退していくのを見送りながら彼らはそれぞれ戦闘で受けた傷や疲れを癒す。

 既に奪還作戦は市街地の四割を制圧するに至り、現在も教会騎士団と皇国軍が街へ向けて進撃しているとのことだった。


「…………わかった、こっちは冒険者を探りながら行くよ。クラエスもありがとう。うん、うん、それじゃあ、次は戦いが終わった後で」


 そう言って通信を終えるのは奪還作戦のシンボルであり、士気高揚の存在でもある光輝だった。相手は皇都の宮殿にいるクラエス。奪還のために必要な兵士や物資に関する通信と彼を励ます意味合いでの通信だった。それが終わると彼は愛用の聖剣を見る。自動修復という便利なアビリティがあるためにこの剣は今まで整備いらずだった。光輝自身が剣道をしているということもあって彼の剣との相性は非常によく、事実帝国軍が投入していた装甲魔獣の内、六割近い数を屠るか戦闘不能にしている。


「流石光輝ね。私も負けてられない」


「俺もだ。光輝には悪いがさっきの戦いで勝手に敵の倒した数で勝負してたけどよ。見事に負けちまったぜ」


 戦場の中であっても爽やかに笑う朱音と龍之介、そしてそれを若干離れた場所で見る志乃と晶だったが、不意に響く重低音に空を見上げる。広場に集まっていた他のクラスメイトや兵士達も何の音かと思い空を見上げた時、『それ』は通り過ぎて行った。彼らの頭上を通り過ぎたのは奪還の支援として第二陣が投入されたのと同時に街へ入り、撤退する冒険者に砲撃を加えていた飛行船だった。街に飛行船が到着したとき、彼らは頼もしい視線で船を見送ったが、今通り過ぎて行った飛行船は突入時の綺麗さは微塵も残っていなかった。右舷側は対空火器や銃座が生きている物の、大多数は使い物にならない状態に加え、砲塔の砲身が途中で破裂したり曲がったりしているものもあった。左舷側はもっと酷く、対空機銃、連装砲を含むほぼ全ての火器が潰され、破坑部から噴き出す炎が止まらない有様だった。そして何よりも艦底部にある構造物の至る所から噴き出す炎と黒煙、そして直撃を食らったのか無残な姿を晒す艦底部艦橋が彼らの目をくぎ付けにする。

 あれ程の攻撃を食らってまだ浮いている方が奇跡だ。と皇国軍兵士の一人がこぼした。それは誰に向けた物でもなく、思わず口から出た言葉だったが、それでも多くの兵士やクラスメイトの心情を代弁している言葉だった。圧倒的な火力を持っている飛行船に大打撃を与える。冒険者という存在の恐ろしさに彼らは今になって気付きつつあった。


「……行こう、みんな!!」


 準備を終えた光輝が立ち上がる。それに合わせる形で朱音と龍之介を筆頭とした他の面子も準備を終えて立ち上がった。この数時間の戦いにようやく終わりが見えつつある。冒険者は現在、港に数を集めて退却の準備をしているグループと、陸路で脱出をしようとしているグループの二つがある。クラエスからも先程言明されたが、街を包囲する包囲軍も実際のところは確実に包囲している……というわけではない。意図的に複数の門には兵士を配置せず、脱出のための穴を作っているのだ。

 それはこの世界の住人が冒険者にあこがれつつも一定の恐怖を抱いているということの表れでもあった。だが、事実この作戦は功を奏し、既に街の実質支配を行おうとしていた『葬儀社』というギルドは撤退。議会庁舎に立て篭もり、反撃を行っていた冒険者たちも現在は船に乗って退却する準備を進めている最中だという。光輝達が向かうのはこっち側の港にいる冒険者たちを捕縛し、アステル皇国の主都・ファルエデンに連れて行き、神の下で忠誠を誓わせろ。というものだった。光輝を始め、冒険者に対し手苦汁を舐めさせられている者は意気揚揚とこの命令を引き受ける。ここと似たような構造の広場で数十分前に起きたことを忘れていないのだろう。光輝に至っては先刻の少女を味方に引き入れるための準備までしている。そして光輝の意図を察している朱音はそれに関して口には出さないものの、言い様のない黒い感情を抱えていた。こうしてアステル皇国と聖光教団の連合軍と勇者達数十人はランクネン港へ向けて移動を開始する。


 相変わらずのストックが溜まらない自転車操業中ですが、読んで下さる皆様のためにもう少しがんばってみようと思います。お気に入り登録してくださる方、地の文が長くても呼んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。

 それでは感想、評価等をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ