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7.オアシスっていいね

目が覚めると、そこはオアシスでした。


どうも、アランママの抱っこが気持ち良くて、そのまま眠っていたようです。

オアシスの泉近くに張られたテントのなかで、私はアランママとママさんと一緒に休憩していました。


「あう…おはよう」

眠い目をこすりながら起きると、ママさんが優しく髪を撫でてくれました。

「おはよう、フィリア。お友達は泉で遊んでいるわ」

寝ていてもいいけど、どうする?

ママさんは目で私に聞いてくれます。アランから逃げた私を見て、ピクニックが嫌だと思わせてしまったかもしれません。


「ふぃーもいく!およぐ!」

私は元気いっぱいにテントから出ていきました。泉では父親と子ども達が遊んでいました。

「ぱーぱ!ふぃーも!」

私はパパさんのところに走っていきました。パパさんは私を見ると、目尻を下げて抱っこで迎えてくれました。

「フィリア、お寝坊さん。君も泳ぐのかい?せっかくのワンピースが濡れちゃうよ」

きっとこの世界では、女の子が男の子に混じって遊びだなんてはしたないことかもしれません。

この地域はともかく、パパさんとママさんの国ではそうだと思います。

でも、パパさんは私を抱き上げて、つま先をちょこん、と水につけてくれます。

冷たくて気持ちいい……!!



「ふぃりあ!あそぼう!」

声をかけられて振り向くと、そこには白猫の獣人、フェミニストボーイのジャンがいました。

「じゃん!うれしい!あそぼ!」

私はパパさんに降ろしてもらい、ジャンの手を握りました。

ジャンは私の手を握り返すと、にこっと笑って、他の子どもたちのところに連れていってくれました。

こ、子どものくせに、エスコートできるとか、やるではないか!



泉近くに木々が茂っている場所があり、子ども達はそこで遊んでいるらしかった。

ああ…!ころころとした獣人の子どもたちがいっぱい!

皆夢中になって何かを拾っています。実?枝?よくわかりませんが、私もなんとなく綺麗な実の殻を拾ってみます。


「ふぃーり!みて!きらきら!」

アラン!いつの間にか近くに寄っていたのか。

何かの金具が外れて落ちたんだろうか、きらきらしたものを見せてくれる。

「きらきら!ふぃーもほしい!」

「あっち!いっぱいあった!」

アランはちょっと悩んだあと、私の手をぎゅっと握った。

「ぼくだって!ふぃーりの…ナイトなの!」

アランはそう言ってジャンをぎっと睨んだ。い、一歳児のくせにヤキモチ!ヤキモチ妬いてくれるのこの子は!


正直アランがこんなに懐いてくれる理由は分からないんだけれど、突進が多くてこわいこともあるんだけれど、今のはちょっとキュンってきたよ!

これがセベリア家の血なのか!


私はついつい嬉しくて、アランに引っ張られるまま、皆と離れて茂みに向かってしまった。



心は26歳なのに、迂闊だったと思う。

ここは地球でも、特に治安のよかった日本でもないんだ。





大人から離れて行動すると危ないんだって、すっかり忘れてました。








時にはこんな結び方も。



ジャンル:ほのぼのにつき、ご安心ください*

(ジャンルこら)



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