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4.一歳になりました。

お気に入り登録がいっぱい!嬉しいです、ありがとうございます!

転生してから一年が経ちました。

つまり、フィリアは一歳になりました。



一歳にもなると、立っちもできて、あんよもちょっとできるようになりました!

ママさん達はあんよをする度に、両手を叩いて喜んでくれます。


「マーマー!パー!」

あんよをしながら、ママさんとパパさんを呼びます。

もうね、金髪美男美女がきらっきらの笑顔で私を迎えてくれるんですよ、何でもできるんじゃないかって思いますよ!


転生してから一年、何も知らない世界で生を受けたけれど、さすがに一年も経つと少しずつ周りのこともわかってくる。

どうも両親は隣国からこの国に駐在しているらしく、大使のような役職らしい。服装や見た目もこの国の人と少し違うのはそういうことのようです。

対して隣人のセベリアさんは、この国の貴族のようで、隣国からの客人である私たちを出迎えてくれているのは、このオアシス一帯の領主だかららしい。


これがこの一年で私がわかったことです。

え、大雑把過ぎだろって言われても、赤ん坊に聞こえてくる情報なんてたかが知れてるんだよ!

むしろこの適応力を褒めて!


「パーパア!」

私は赤ん坊らしく、全力でパパさんを呼んだ。精神年齢は26歳でも、うら若き1歳の乙女はちょっと歩くともう限界なのだ。このままだとコケる。

そうして待ってると、目尻をこれでもかと垂れ下げた美男子が抱き上げてくれます。

「ああ、本当にフィリアは賢い子だね。こんなにパパのことを呼んでくれて、愛してるよフィリア」

よーしよし、とほっぺをぎゅうぎゅうとすり寄せてくるパパさん。こんなに娘に甘々だと逆に将来が心配になります。

「パーパ……やー!」

やっぱりママさんに抱っこしてもらおう。そう思って部屋のなかをぐるりと見渡した。



がちゃり、と扉を開く音がして、ママさんが部屋に入ってきた。

あれ、いつの間に部屋から出てたの。というか、アランのパパさんも一緒だー!!ママさんいつの間にお出迎えしてたの?!アランパパーー!!


「あー、パー!だー!」

アランパパー!抱っこー!そのもふもふの胸に抱いて!乙女を優しく抱きとめて!


「おや、フィリアはセベリア殿が大好きなんだね。パパの抱っこでは不満かい?」

パパさんは、少し寂しそうにアランパパと抱っこを代わってくれた。

ああ、若い頃鍛え上げたとわかる厚い胸板、ふさふさとした毛並、お口のひげを少し垂らしながら、アランパパは私を抱っこしてくれた。

「ユーメル殿、すまないな。少しばかり姫君にお相手いただくよ」

アランパパの声は渋い。渋低い。前世で出会ってたら即腰砕けの低音ボイスだ。

私はアランパパが大好きだ。乙女なら一度は夢見る (夢見るよね?!ね!)、親父獣人だもの。



私がアランパパの抱っこにご満悦でいる間、挨拶やら近況やらちょっとしたお仕事まで話を始めたようだ。うんうん、仕事のできる男も好きだよ。背中をとんとんしながら抱っこしてくれるなんて、素敵だよアランパパ!



うっとりばかりしていられない。パパさん達の会話を盗み聞きすると、どうもアランパパは、パパさん達をある会合に誘いにきたようだった。

この地域の有力者を集める会合なんだろうなあ。パパさん大変そうだ。


「わかった、参加しよう。フィリアを連れていっていいんだね?」

「もちろんだ。出会いは多いほうがよい。私もアランを連れていくとも」


…ん?子どもを連れていくなんて、どんな会合なの?


「まあ、アラン様はお元気?うちのフィリアはまだあんよを始めた頃ですけれど、アラン様はもう走れるのかしら?」

「獣人のほうが子どもの成長は早いのは確かだ。だがアランはまだ小走り程度だよ、ユーメルの奥方殿」


え!アランはあんよ卒業してるの!

というか獣人すごいな!


「誘ってくれてありがとう、セベリア殿。私たちは初めての育児だから、心配することもあったんだ」

「この辺りは皆子どもがたくさんいる家庭が多い。親同士の会話も有意義なものになるだろうし、子ども達の出会いはかけがえのないものになるだろう」

「ありがとうございます、セベリア様。フィリア、お友達がたくさんできるわよ」



…………ん?

そ、それはまさか、子どもを持つ親の会合なんでしょうか!

パパ友ママ友の会とかいうやつでしょうか!



フィリア一歳、公園デビューならぬ、会合デビューいたします。


ありがとうございます*

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