1.気づいたら転生してました
初連載。まったり進めていきます。
異世界転生したら獣人に囲まれて萌え死にそうなんですけど、どうしたらいいんでしょう。
美奈ことわたくしは、地球という惑星の日本という島国で、しがないOLをしてました。
真面目に働いて、休日は友人と遊んで、時々男の子と遊んだりして。
いたって健全かつ平凡なOL人生だったんです。
ところがある日、会社に行こうと家を出て、バスに乗ったその瞬間、視界がブラックアウトしてしまい、心のなかで「うわ貧血とか人生初だよ」とか思っていたわけなんです。
そして目を覚ましたら病院……のはずが、なぜか民族衣装を着た美男美女に覗きこまれていたのです。
「……あぅ?」
ひと声出して、自分の体がいつもと違うことに気づきました。
「まあ!あなた、目を覚ましたようよ」
「ああ本当だ。瞳の色を見てごらん、君と同じ色をしているね」
私を覗きこんでいる美男美女は、肩を抱き合い幸せそうなカップルそのもの。
対する私は……満足に体が動かせない、言葉を話すこともできない、赤ん坊になっていたのです。
(…………夢だな、寝よう)
「まあ、まだ眠るのね」
「赤ん坊は寝て育つというからね。私たちの子どもだ、きっと健やかに育ってくれるだろう」
のんびりとしたカップルの声を聞きながら、私は目を閉じました。
まさか自分が本当に赤ん坊に生まれ変わっていて、美男美女カップルが両親じゃないかなんて、咄嗟に受け入れられなかったのです。
こうして私の転生ストーリーは幕開けしました。
まだこの時は、異世界に来てしまったことすら気づいていなかったんですけれど。
ありがとうございます*