is 1 weak
楓「1時間? まぁまぁ...でも長いほうだね。で、それがどうしたの?」
凪「1時間じゃない。1週間。」
楓「え?」
凪「きっちり7日。1うぃーく。」
そんなわけ ないよね。
凪「信じることはできないと思う。」
楓「え、えー。あー。」
凪「落ち着けない? ほら、息吸って〜、吐いて〜。」
楓「すーはー。すーはー。はぁはぁはぁ。」
凪「まだ落ち着けないか。そうか。じゃあ。ぎゅ。」
楓「へ!? ふは〜。ふは〜。えーと...これどういう状況...?」
なんか。よくわからない。
凪に抱きつかれている。
凪「え、落ち着いてもらうために...」
確かに 落ち着いてきたけど。
楓「え、でも... 私達は、女同士だよ?」
凪「楓、想像してみて。目を閉じて。」
「楓、想像して。楓のお母さん。」
「楓はいま、お母さんにぎゅーってされてる。」
「そんな感覚を、想像してみて。」
「できたかな?」
「きっと、簡単に想像できたんじゃない?」
「楓は、その想像の中の楓は、きっと柔らかな気持ちになったんじゃないかな。」
「今の状況と、想像は、違うところもあるよ。」
「楓や楓のお母さんは、私とは違う。」
「でも、今の楓の気持ちは、似ているんじゃないかな。」
「楓は、急にここに来て、色々大変なことがあったんじゃない?」
「私は、姿はとても怪しいし、私を最初に見たとき、楓はきっと混乱してたはず。」
「その証拠といっていいかはわからないけど、最初は私から逃げようとしてたしね。」
「その走る行為はとっても疲れる。いや、きっと、もっと前から楓は、心理的に疲弊してた。」
「今、楓は、とっても疲れているんだと思う。そして、余裕がないんだと思う。」
「それは、肉体というよりも、精神的な疲労だ。」
「今は、自分を休めても、いいんじゃないかな?」
「さっき私は「強い意志。これが大事」って言ったけど、強い意志はずっとは続かない。いつかは弱まる。たまには休むのも、悪くないよ。」
凪「どう? 少しは、安定してきたんじゃないかな。」
楓「うん。ありがとう。凪。」
凪「だいぶ脱線しちゃったけど。落ち着いてもらったほうが話すにはちょうどいいしね。話を戻そうか。」
凪「もう、大丈夫だよね。離すよ。」
楓「そうか、抱きつかれていること完全に忘れてた。」