Null
凪「行くしかないよね。」
楓「うん。」
少しの 時がたち。
凪「楓ってさ、記憶ないんでしょ?」
楓「そうだね。」
歩きながら 問いかけてきた。
凪「名前を思い出したら、また何か思い出すこともあるんじゃないかな?」
楓「うーん…」
考えて みる。
だけど 帰ってくるのは Nullの 値。
楓「何も… 覚えていないな。」
凪「そうかぁ。」
天井が 見えてくる。
凪「終わり…かな?」
楓「やっと…」
そこにあったのは 出口
…ではなく。
凪「これはすごい。」
楓「先が見えない...」
長い 長い 通路。
終わりが見えない。
凪「じゃあ、行こうか。」
楓「えぇ!?」
凪「だってさ、行くところないじゃん。」
楓「そ、そうか。」
歩き始める 凪。
私は ついていくことしか できない。
楓「歩き始めちゃったけど...」
凪「どうした?」
楓「私達は飲み物も食べ物も持ってないけどさ、どうするの?」
凪「どうするって...」
楓「3日飲み物飲まないと死ぬとか聞いたことあるけど。」
どうするんだろう 凪。
凪「...楓さ、さっき悪夢にうなされていたよね。」
楓「うん。」
凪「楓、どのくらいその状態だったと思う?」
楓「うーん... 2、3分とか、長くても1時間とか?」
...凪 無言やめて。
1分経ったような気もする。
凪「...1週間。」