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逃げるか、もしくは。
何段上ったかな。
人の気配が する。
というより 人がいる。
なぜだろう。
人が 居てほしかったのに
この人とは この人からは
逃げなければならない。
しかし にげることは できない。
で き な い。
後ろはもう 閉まっている。
この狭い階段の道に
響く 太鼓の音?
私の息の 音と
太鼓の 音と
風の 音と
かすかな警報音
それらは 私の
恐怖心を 駆り立てるのには
十分だった。
足は 疲れているのに
私は 上へと走り出す
ある人の横をすり抜けて
走る
走る
息が切れる
太鼓の音は止まらず
人は追ってきては いない。
なのに
まるでそこにいるかのように。