Run.
無心で 走って 走って 走り続けた。
追ってくる なにか との距離は どんどん 狭まってくる。
ただ 希望は まだありそう。
楓「出口っぽいドアだ!」
凪が ドア 開けてくれた。
凪「入って!今すぐに!」
私は 頑張った。
凪は ドアを閉めた。
凪「ドア抑えて!」
楓「あっ! うん!」
2秒の 時が経ち
ドアに なにか がぶつかったのだろう。
すごい反動が 私たちを 襲った。
楓「どぁ!?」
凪「大丈夫… もうたぶん…」
凪 そのドアを 開けたら…
… 誰か 倒れている…?
凪「…お疲れ様でした。」
楓「…どういうこと?」
どうして…
凪「例え敵であろうとも、敬意を示す。武士道というのかな。」
楓「そんなものなのかなぁ。まあいいや。」
凪「そうだね。それよりも…そこ。」
そこにあるのは 出口... のような ドア。
凪「まずは、電話しようか。」
楓「どこに…?」
凪「さっきの。警察の人が言っていたでしょ? 住所がわかったら連絡しろって。」
楓「さっき…? まあ、まあそうだね。電話しよう。」
電話が 繋がった。
「はいこちら、110番警察です。事件ですか? 事故ですか?」
楓「前に記憶喪失で、海上の駅で遭難した者です。」
「記憶喪失? 海上の駅で遭難? はぁ?」
(ん? 今誰か海上の駅で遭難と言ったか?)
(俺が言いましたけど…)
電話口の向こうで もう1つの声
(至急変わってくれないか?)
(わ、わかった。)
「他の者に変わります。」
楓「あ、はい…」




