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動き出す物語

 ベリオレット達は、新たな拠点を作ろうと王都アナタリアへとやって来た。この王都アナタリアを新たな拠点にするには、ここにいる王様が邪魔になってくると考えたベリオレットは、カオス教の拠点にする為にここの王と入れ替わる必要があった。ベリオレットは、まず王に接触する為の情報を探し始めたが、中々入ってこなかった。ベリオレット達は、このままさらに情報を探し続けるのか?それとも奥の手のあの方法を使うか?を少しの間考えていたが、考えた末にこれ以上時間は使えないと思い奥の手を使う事に決めて城の城門へと向かった。歩いてしばらくすると城の城門までやって来た。城門にいた兵士は、城門に近づいてきたベリオレット達に声を掛けて来た。ベリオレットは近づいてきた兵士に懐から出した魔法の鏡を他の人間に見えないように見せた。魔法の鏡を見たその兵士は、何かに操られた状態になって目の色が赤く変化させた。目が赤くなった兵士は、ベリオレット達を城の中に入れた。城門にいた兵士を操ったベリオレットは、何事も無く城の中に入り、王様への謁見を求めた。ベリオレット達は、言葉巧みに王との謁見をする事が出来て、その謁見の間の前までやって来た。謁見の間に入り王と謁見するとベリオレット達は、王にうまいこと機嫌を取る事が出来て王に気にいられた。その行動は、王を油断させる為に有効だった。ベリオレット達は、王に完全に気にいられるまでは目立つ行動を避けた。

 ベリオレット達が、城に入って数週間が経って王からの信頼を完全に勝ち取っていた。王からの信頼を勝ち取ったベリオレット達は、その信頼を勝ち取った事を利用して城にいた人間達に魔法の鏡を見せて操って行き自分達の教えであるカオス教を浸透させていった。ベリオレット達は、魔法の鏡によって操った城の人間を、城の誰も来ない部屋へと集めていた。その部屋は、ベリオレット達の術の効果なのかその部屋でいくら大声を発しても周りに聞こえる事はない状態になっていた。その部屋で操った人間達にカオス教の教えを何回も何回も伝え続けて、カオス教の人間になった人間は、さらに城の人間をベリオレット達の元に連れてきてその人間もカオス教の人間へとなっていった。城の人間のほとんどがカオス教の人間になった時、その部屋でのカオス教の教えの声は最大になった。ベリオレットは、その様子を見て笑みを浮かべた。

 カオス教の浸透は、王の知らない所で王以外の人間全員まで広がっていた。城の中は、カオス教の信者だらけでそこまで広がっていくとベリオレット達は、この城をカオス教の拠点にする為の最後の作業に取り掛かった。ベリオレット達は、王の目の前に来ると王にこの王都アナタリアの城を貰うと伝えた。王は、一瞬ベリオレット達の言葉に驚いたが、ベリオレットの要求を断った。だが、城に知る人間は誰も王に味方する者はおらずに王はベリオレット達によって捕らえられて牢に入れられた。そして王都アナタリアの城は、ベリオレット達の新たな拠点として使われる事になった。捕らえられた王は、牢に入れられたがその後何かされる事もなく牢屋の様子を見ている事だけしかしていなかった。

 ベリオレット達が元々いた王様を牢屋に入れてから数年の時が過ぎていった。ベリオレットは、王都アナタリアの人間に新たな王として知られていた。元の王が亡くなったという嘘の情報を添えていた。元々いた王様は牢に入れられてもそのまま生きていた。その王が牢屋で騒いでいるという情報を受けてベリオレットは、牢屋に向かう事にした。王が囚われている牢屋は、普通の場所からではなく特別な入口がある場所にあった。ベリオレットは、王がいる牢屋に来ると、それを見た囚われの王は、激しく怒った感じでベリオレットに「お前を信用しなければよかった。お前はいずれ私の手で・・・・・・」と叫んだ。その言葉を聞いてベリオレットは、王の様子を見てまだ元気が残っているなと感じて安心して牢屋を後にした。ベリオレットが牢屋から離れても王の叫び声は牢屋に響き渡った。それからしばらくして王都アナタリアで城の牢屋の奥から叫ぶ声が聞こえてくるという噂が広まっていった。

 オルドラは、城にうまい事忍び込んだ後に怪しまれないように牢屋へと進んで行った。すると牢屋の奥は頑丈に封鎖されていた。オルドラは、頑丈に封鎖されていたその場所を拳で壊してその奥へと進んで行った。だが、オルドラはその時気づいていなかった。後ろから怪しい影がオルドラを狙っていた。オルドラが牢屋の奥へと進んで行くと人の叫び声が聞こえてきた。だが、その叫び声が何処から聞こえてくるのかオルドラにはわからなかった。しばらくの間その叫び声の聞こえる場所を探していた。オルドラが叫び声のする方向に進んで行くと、そこには普通の牢屋ではない特殊な牢屋が現れた。オルドラは、その牢屋を調べようとその牢屋へと歩き出した。薄暗い牢屋には何者かがいた。牢屋にいたその何者かは、現れたオルドラに叫び声を発した。オルドラは、その叫び声を聞こうとしたが、その時オルドラの背後から兵士が現れてオルドラを囲んだ。オルドラは、兵士に対して抵抗した。だが兵士の数は多く力が強いオルドラであっても敵う事はなく捕まってしまった。そしてオルドラは牢に入れられて、オルドラが入った牢屋の奥はさらに頑丈に封鎖された。

 ベリオレットは、城の中で王としてパレットに関する人間の情報を探していた。そんな時、兵士から牢屋の奥に入ろうとしていた人間を捕まえたと報告があった。ベリオレットは、牢屋の奥に入った人間が封鎖されていた所を入って元の王の叫び声を聞いたかもしれないと思って、その人間を特別に監視しながら頑丈に封印されていた場所を兵士にさらに頑丈にするように指示を出した。しばらく牢屋に入れられている人間を見ていたが、その事を話している気配を見られなかった。ベリオレットは、気配が見られないとわかってその後あまり気には留めなかった。ベリオレットの元にある報告が入ってきた。カオス教の集団がパレットを連れ去った時にいた人間が今は魔王として成長して暗黒のオーラを纏っている事を知ったベリオレットは、その魔王をどうにかする手立てを考え始めた。

 ベリオレット達が王都アナタリアに着いた頃、特異な能力を持っている人間達の集落でサタスンとパレットは過ごしていた。そんな時長老から二人とも呼び出された。二人は、長老の家へと向かって長老の家に着くと、長老が家から出てきてサタスンとパレットはある場所に連れて行かれた。サタスンとパレットが連れて行かれた場所は、不思議な雰囲気のする空間だった。その空間に入った二人は、体の動きが重く感じて長時間いる事が出来ないような感覚に陥った。長老は、この不思議な空間である事を話しだした。長老の話では、この場所はこの集落に伝えられている術の修行場であるということだった。長老は、サタスンに「その術を覚えたいか?」と聞いてきた。サタスンは、間髪入れずに「覚えたい」と言った。長老は、サタスンの言葉を聞いて術を教える為に全力を出す準備をした。長老が全力を出す準備をしたのを見たサタスンも修行の準備をした。長老とサタスンの修行が始まった。長老とサタスンの修行は熾烈を極めたものだった。修行は長時間にわたって、この不思議な空間では長時間の修行は体力の消耗も激しかった。その空間にいたパレットは、体力を消耗させたサタスンを回復させる事でサポートした。長い修行の末にサタスンは、集落に伝わる術を習得する事に成功した。

 習得に成功したサタスンは、しばらく集落でゆっくりすることにした。それから数日サタスンは、集落に伝えられている術を習得して集落でゆっくりと過ごしていた。その時間がずっと続くと思っていたサタスンは、長老から急遽呼び出された。長老の家に行くとパレットも呼び出されていて、長老からある情報が伝えられた。長老から伝えられた情報とは、パレットを連れて行ったフードを被った集団が王都アナタリアという場所で何かを起こそうとしている事を知らされた。それと共に長老からその王都アナタリアに向かってフードを被った集団がどんな事をするのかを調べて悪い事をするのを止めてほしいと頼まれた。サタスンとパレットは、フードを被った集団に顔がばれないようにフードを被って王都アナタリアに向かう事にした。サタスンとパレットは、集落を出て王都アナタリアへと歩き出した。数日かかったがようやく王都アナタリアへと辿り着いた。王都アナタリアに辿り着いたサタスンとパレット達は、王都アナタリアの城下町の暗い雰囲気を感じていて暗黒のオーラに包まれているようだった。サタスン達が町の人間に聞き回るとある噂を聞く事が出来た。噂によると魔王ゼルスによるものだと話していた。魔王ゼルスが暗黒のオーラを纏うその原因がパレットにある事はわかっていた。ゼルスに会いに行った方がいいのもわかっていた。だがパレットが生きているとわかると、またフードを被った集団が狙って来る事もわかっていてゼルスに会いに行けなかった。その状況が今の出来事を作っていた。複雑な思いも抱きつつフードを被った集団の動きが無いかを調べ続けた。

 集落では、長老の指示のもとサタスン達のサポートをする為に集団が王都アナタリアに向けて出発した。しばらくして王都アナタリアに着いた集団は、パレットとサタスンの二人に会って長老から言われた事を伝えた。パレットとサタスンと集落の人間は、これから動き出す集団の名前を影の天秤と名付けた。影の天秤は、王都アナタリアでフードを被った集団がどんな悪事をするのかを総力を挙げて調査する事にした。数日調査をしてもそれらしい情報は入ってこなかった。影の天秤に入ってくるのは、前の王様が亡くなって新しい王様が就いたという情報だけだった。影の天秤は、さらに情報を掴む為に王都アナタリアでしばらく過ごす事にした。だがもうこの時にはフードを被った集団が行動していた事はまだ知らなかった。

 ベリオレットは、魔王を倒す為の人材を集める事にした。ベリオレットは、兵士に優秀な人材の情報を集めるように指示を出した。兵士はその指示を受けて情報を集める為に各地に向かった。ベリオレットが魔王を討伐出来る用意をしていた時、普通の人間には気づかない時空のずれを感じていた。その時空のずれをベリオレットは見覚えがあった。あの時、そうベリオレットがこの時代に来た時に感じた時空のずれだった。時空のずれは、一瞬だったが誰かが時を越える術を使った事を現していた。その事に不安を感じたベリオレットは、魔王討伐の準備を速める事にした。

 ベリオレットが感じた時空のずれを感じ取っていた人間が何人かいた。その中で魔王ゼルスにパレットの居場所を知らせた謎の二人組は、この時空のずれを感じて何が起こったかを分かりつつも今自分達が動くべきではないと思って結界を張った小屋でその時を待つ事にした。またアルカット神殿の北の方でもこの時空のずれを感じ取った者がいたが、その人間が運命を左右する事になるとは誰も知らなかった。

 影の天秤は、王都アナタリアでフードを被った集団の情報を引き続き探していた。そんな時、世界ではある異変が起こっていた。その異変は、普通の人間にはわからないほどの小さな異変だった。影の天秤の中にいたパレット達は、その異変を感じ取っていたがその異変が今後どういった変化をもたらすかはわかっていなかった。影の天秤とは違って王都アナタリアでは少し動きが慌ただしくなっていった。王都アナタリアの王が何故か人を集め出した。影の天秤は、城で慌ただしくなっている原因を探り始めた。影の天秤が城の動きを探って分かった事は、この王都アナタリアの王がゼルスを倒す為に人を集めているという事だった。パレットとサタスンは、もちろん影の天秤は魔王となったゼルスの事を知っていた。ゼルスの事を知っていたパレット達は、王の行動を不審に思いその後も城の動きを監視し続けた。

 一方その頃、魔王ゼルスがいる魔王城でもその時空のずれを感じ取っていた。魔王ゼルスは、片腕のタリスタに暗黒のオーラが弱まっている場所に部下を送って調べるように指示を出した。指示を受けたタリスタは、部下をその場所に向かわせた。数日後・・・・・・調べて来た部下からの報告は、アナタリアという場所にいる王がゼルスを倒す為に人を集めているという情報だった。ゼルスは、人間達がどんな事をしてきても返り討ちにしてやるつもりで表面上では笑いながらも念の為にその後の動向も探らせるように指示を出した。その後、特に情報が入ってくる事は無かった。

 ベリオレットは、魔王討伐の為の人間を集めていて兵士達の情報から三人はもう見つかっていた。一人は、王都アナタリアにちょっと前に来た兵士のツクレードという人間で剣の腕がたって魔王討伐に必要だった。もう一人は、牢屋にいた腕力が強くあの牢屋の事を知っているかもしれないオルドラという人間だった。もう一人は、この王都アナタリアの魔法屋にいる魔力の強いと噂されるリメリアという人間だった。三人は決まっていたが、後一人ぐらい誰かいないかを悩んでいた。ベリオレットが魔王を討伐しようとしているという情報は、世界中に広まっていた。だが人々は、その事に興味を示す事はなかった。世界は、そんな人間だけではなかった。ある町で一人の青年がその魔王討伐に向かおうとベリオレットが王に成り代わっている王都アナタリアに向かっていた。王都アナタリアに向かっている青年の名はパルといってある人間の末裔だったが、パル自身はその事を知らなかった。パルが立ち上がった事で運命の歯車が動き出した。パルが王都アナタリアに向かって歩き続けて数日後王都アナタリアに辿り着いた。

 一方その頃、ベリオレットは王都アナタリアの魔法屋にいるリメリアという人間の元に手紙を持たせた兵士を送ろうとしていた。兵士は、ベリオレットの指示を受けてリメリアの元に急いでいて、そして魔法屋に辿り着いた。兵士は魔法屋にいたリメリアにベリオレットからの手紙を渡した。ベリオレットの手紙を渡した兵士は、城へと戻って行った。ベリオレットからの手紙を受け取ったリメリアは城に行く準備をして城へと歩き出した。

 パルは、街の中を歩いて行くと遠くに見えていた城が近づいてきた。城に着いたパルが門に近づくと兵士に止められた。兵士は、「何のために城に来た」とパルに問いかけてきた。パルは、兵士の問いかけに「魔王討伐をする為に来た」と答えた。すると兵士は、王に聞いてくると言ってその場を離れた。兵士は、城の中に入ると王の元へと急いだ。ベリオレットは、まだ後一人を誰にするか悩んでいた。そんな時にベリオレットの元に兵士がある報告をしてきた。その報告とは、魔王討伐をする為に王に会いたいという人間が来たというものだった。ベリオレットはその報告を聞いて魔王討伐をする為の後一人になれるのではないかと思って兵士に中に入れるように指示を出した。兵士はその指示を受けて門の所で待っているパルの元へと戻って行った。門の前で待っていたパルの元に兵士が戻ってきて中に入っていいと言われ中へと入った。その様子をベリオレットは、隠れて魔王討伐に行かせても大丈夫かを確認してピッタリだと判断して謁見の間に向かった。そんなことも知らずにパルは、城の中を歩くと中にいる兵士は、街の人間とは違いなぜだか明るい感じがした。広々とした広間に着くと、よく見ると上に上がる階段を見つけたが、少し他の場所に行こうとした。城へと向かっていたリメリアは、城に着くとある部屋に通されてその場所で静寂で長い時間待たされた。王との謁見できるその時まで・・・・・・

 パルがまず向かったのは、兵士の駐屯所だった。駐屯所には、兵士が何人かいて雑談をしていて暗さはなく魔王が支配している世界とは別世界に思えた。そんな中、その空気を一変させるようにある人間が怒声を上げ始めた。その怒声は凄まじく兵士は驚きで崩れ落ちた。パルは、その出来事を無視して次の所に向かった。その怒声を出した人間は、ツクレードで、そのツクレードの元に兵士がやってきて王から呼び出しを受けた。パルは、次は牢屋に向かってみようと思って牢屋への道を探していると、地下へと続く階段が見えてきてその階段を降りた。階段を一歩一歩と降りると牢屋が現れた。罪人達は、思ってもいない来客に声をあげてざわめき始めた。パルは、そのざわめきを無視して奥に進むと、力が有り余っているのか暴れている人間がいた。その人間がいた場所のその奥に何かありそうなぐらい頑丈に行けないようにされている場所があった。だがパルは、その場所に行く事が出来ない為に牢屋を後にして階段をのぼり謁見の間へと向かった。パルが牢屋から謁見の間に向かった後に牢屋に兵士が現れた。牢屋に現れた兵士は、オルドラの前に来ると王から呼んで来いと言われたというとオルドラを牢屋から出してある場所へと連れて行った。

 時は遡り、王都アナタリアの魔法屋にいるリメリアに兵士がベリオレットからの手紙を渡していたその時、影の天秤のパレットとサタスンは、その様子を隠れて見ていた。パレットとサタスンはリメリアが城に向かうのを追って城の前までやって来て、リメリアが城に入ったが城の中にフードを被った集団が潜んでいる可能性を考えて城の外で追った人間が出てくるのをひたすら待っていた。

 謁見の間に辿り着いたパルは、中に入るとそこには王に成り代わったベリオレットが目の前いた。運命の歯車が動き出す謁見が今、始まりを迎えていた。


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