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一つの出来事が起こした代償

ゼルス達はアルカット神殿から魔王城へと戻って来ていた。戻って来たゼルス達はすぐさま今の魔王の元へサタスンの事を報告する為に向かった。急ぐゼルスの足音からもオーラが漂っていてそれは魔王の部屋まで続いていた。ゼルスが魔王の元へと向かっているその時に漂っているオーラの強さに魔王城にいた魔物達は近寄る事さえできずにいた。魔王の部屋に辿り着いたゼルス達は中へと入り魔王にサタスンの事を報告した。報告を受けた魔王はただ一言だけ「分かった」と言ってゼルス達をさがらせた。ゼルスはその場所から出て自分の部屋に戻ろうとすると微かにすすり泣く声が聞こえていた。その魔王の微かにすすり泣く声を聞くと魔王の悲しみを痛いほど感じる事が出来た。魔王の部屋から自分の部屋に戻ったゼルスはタリスタと共にサタスンのその後を探るように他の者に伝えた。一方その頃、集落の長老の指示で集落の人間と一緒にアルカリアの町で過ごす事になったゼルは平和な時間をこの場所で過ごした。それからしばらくして運命の出会いが訪れる事になる。

 アルカット神殿にパレットの行方を探す為に集落の人間が辿り着いていた。集落の人間は急いで神殿の中へと入って複雑な構造になっている内部をひたすら進んで行った。ひたすら進んで行った集落の人間は広い開けた場所に辿り着いた。集落の人間は特別な直感でこの広い場所に何かあると感じるとその場所を探索し始めた。探索し始めていた集落の集団は祭壇のある場所の床に手が引っかかる場所を見つけた。その引っかかる場所を持ち上げるとそこに下へと続く階段が現れて降りていった。階段を降りて奥に進んで行くと部屋があった。その場所に入った集落の集団はパレットが倒れているのを発見した。集落の集団が発見したのはパレットだけではなくもう一つ知らない人間がいた。パレットと知らない人間は息をしていなかった。パレット達のその様子を見て集落の集団はある術の詠唱をし始めた。女王鏡を良くする為に急いでいた集落の集団は術の詠唱スピードの時間を速めた。そのおかげか詠唱の時間はすぐに終わり集落の人間はパレット達にその術を施した。息をしていなかったパレット達は術を施されてゆっくりと息を吹き返した。そして体力が落ちていた二人を集団の中に二人の人間がパレットともう一人の人間をアルカット神殿から運び出した。残りの集落の人間は再び先ほどとは違う術を詠唱し始めた。集落の人間が詠唱したその術は分身を作る術でこの場所にパレット達の分身を作ってここにパレット達を閉じこめた人間達が戻ってきても気づかれないように死の偽装をした。死の偽装を完了させた集団は先に神殿の外に運び出したパレット達の後を追ってアルカット神殿を出て集落へと向かった。先に集落に向かっていた人間は体力の衰えたパレット達を連れて向かっていた。しばらくするとパレット達は意識が戻って来た。意識が戻ってきたサタスンは自分達を連れて行こうとしている集団をあのフードを被った集団だと勘違いして暴れようとしたがパレットはサタスンが暴れようとしているのを制止させた。パレットはこの人間達の事を知っていた。集落の人間だと・・・・・・パレット達は集落の人間について行く事にした。集落に向かう途中でパレット達の体力は回復していった。そして後から追って来た集落の人間も合流した。さらに進んでついて行った場所は周りが自然に囲まれていて一見するとそこに集落がある事がわからないようになっている場所だった。その場所を見てパレットは「戻って来る事になるとは・・・・・・」そう呟いた。パレット達が連れてこられた場所はパレットが昔いた集落だった。パレット達は集落の集団に連れられて集落の中を歩き長老の家まで連れて行かれた。長老の家に着いて中に入ると長老からパレットに「何とか生き返ってよかった」と言ってきた。長老とパレットの間にしばらくの間沈黙が漂っていた。その沈黙を破るように何もわからないサタスンが「ここは何処なのか?」と言った。その言葉を聞いた長老はサタスンにこの町の事を話した。サタスンは長老の話を静かに理解しようと聞いていた。長老の話を聞き終わるとパレット達は長老の家を出てしばらくこの町で過ごす事にした。

 フェアリー族の里の再建と書物に記した研究の成果を持って拠点へと戻って来たメイトスはこの拠点で会ったロストリアに研究した事を報告に行こうとロストリアの元へと向かった。ロストリアの噂はメイトスの元にも伝わっていてロストリアがいる学術都市オシエーテへと歩きだした。拠点を出て数日経って学術都市オシエーテに辿り着いた。辿り着くとそこにいた人間にロストリアの居場所を聞くと書物の保管庫になっている図書館にいると教えてくれてその場所へと向かった。図書館に辿り着くとそこにはあの時別れたロストリアがいた。ロストリアはメイトスの姿を見つけると図書館の自分の部屋へと招いた。ロストリアの部屋で久しぶりの再会を果たしたメイトスはロストリアが去ってから新たにわかった時を越える術やこの世界の未来の事を書き記した書物をロストリアに渡した。ロストリアはメイトスから書物を受け取るとしばらくの間色々な話で盛り上がった。話が終わるとメイトスは再び拠点へと戻っていった。

 魔王城にパレットの情報を持ってきた謎の二人はその後エリザレス山脈の麓の奥に小屋を作りその場所に結界を張って次の時代が来るのを待ちながらフードを被った集団の事を調べながらひっそりと暮らす事にした。アルカット神殿でゼルス達を逃したカオス教の集団はカオス教の拠点へと戻ってくると少しの間表舞台から姿を消した。だがそれは表向きだけだった。ベリオレットは着々と次の時代で起こる出来事の為の準備をしていくのだった。

 探るように指示をして数年後たった今もサタスンに関する情報はわからなかった。洞窟に居たであろうパレットの情報はあの洞窟からアルカット神殿で見た混沌と絶望を叫んでいたフードを被った者達が連れて行った事まではわかったがその後の消息は一向にわからなかった。

 魔王城にあったゼルスの部屋ではゼルスが「またしても助けられなかった。またしても・・・・・・もっともっと何者にも負ける事の無い強大な力が欲しい」と何回も何回も叫び続けた。ゼルスの部屋に響くその悲しい叫び声にゼルスの体に馴染んだ暗黒のオーラが共鳴して暗黒のオーラの力を増大させていった。そして世界は絶望と混沌に包まれた。




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