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フードを被った集団と引き離される二人

 ゼルスとパレットが過ごしていたダークリアは魔王城とも呼ばれていた。その魔王城で過ごしていた二人の運命を狂わしていく謎の集団が近づいていた事をゼルスとパレットはその時は知らなかった。ベリオレット達が組織化したフードを被ったカオス教の集団は拠点になっている場所からある目的の為に魔王城へと向かっていた。魔王城へと向かう途中でカオス教の集団の事に気づいた人間は誰も一人いなかった。カオス教の集団は数日歩き続けてようやく魔王城へと辿り着いた。魔王城に辿り着いたカオス教の集団はその勢いのまま魔王城の中へと侵入していった。道中は気づかれなかったカオス教の集団だったが魔王城の近くでパレットの監視をしていた集落の人間が気づいていた。集落の人間は怪しい集団が魔王城に入って行くのを見てすぐさま集落の長老に報告する人間を送った。それ以外の残った人間は怪しい集団を追って魔王城へと入って行った、その人間達が見た光景は想像を超えていた。

 フレイルがカオス=コントンを去ってから数百年の時間が過ぎていた。数百年経ってもフレイルは特殊な能力でまだ生きていてあの時辿り着いた場所で暮らしていた。町の人間達はそこにいる人間が数百年も生きていることなど知らなかった。ひっそりと過ごしていたフレイルの元にある情報が入ってきた。その情報はカオス教なる集団で密かに動いているという情報だった。フレイルはそのカオス教について調べ始めた。【カオス】そう名前についていて胸騒ぎがしたからだった。調べ始めてしばらくしてカオス教について色々と分かってきた。カオス教の核となっているのはブレイン達が作ったカオス=コントンの集団だということが分かってきてフレイルはカオス=コントンの集団が関わっている事を知るとカオス=コントンがどのように関わっているのかさらに詳しい事を調べる為にカオス=コントンがいた場所へと向かう事にした。フレイルはその場所を出て歩き続けてカオス=コントンのあった場所にやって来た。そこで見た光景は・・・・・・

 カオス教の集団が魔王城に向かって行った後にカオス教の教祖になっていたベリオレットは集団がカオス教の拠点にある人間を連れてくるのを待っていた。静かに待っているとその静寂を破るように拠点の外から騒がしい声が聞こえてきた。

 フレイルがカオス=コントンのあった場所で見た光景はフレイルが去る前に見た光景とは全く変わって拠点が要塞化されていた。『一体何があったのか?』そう思いながらフレイルは要塞化された元カオス=コントンの拠点の中へと入って行こうとしたがその歩みを止める者がいた。要塞化した拠点の外にいた見張りがフレイルの歩みを遮ってきた。フレイルは見張りが前を遮った事に構わずに拠点へと入っていく。見張りは何とかフレイルを止めようと攻撃を仕掛けてきた。フレイルはその見張りの攻撃をものともせずに見張りを引き離して中へと入った。その様子を自室の窓から見ているとその場にいた人間に見覚えがあってその人間の事を調べた時に見た顔だった。ベリオレットはその人間が向かっている場所に急いだ。

 フレイルが拠点の中に入ると中にいた人間はフードを被った顔がわからないような服装をしていた。そんな人間達を気にせずに拠点の建物に入っていった。フードで顔を隠していた人間達は突然現れた不審な人間に抵抗したがフレイルは気にも留めずに建物の奥へと進んで行くと豪華な場所に辿り着いた。フレイルが周りを見渡しているといきなり声が聞こえてきた。

 ベリオレットがその場所に着くとフレイルは振り返ってベリオレットの姿を見て一言「ブレイン・・・・・・」と呟いた。ベリオレットはフレイルがこの場所に来る事が分かっていて「やっと現れたか・・・・・・」と言って未来からやって来た事を伝えてフレイルにカオス教に入る事を迫ったがフレイルはベリオレットからその事を伝えられてもカオス教に入る事を拒絶して去ろうとしていた。ベリオレットはフレイルに「何かあったらカオス教の人間が行く」と言った。フレイルの去って行く影が遠くでと離れていった。その様子を見て「運命に逆らえないぞ」と呟いた。

 カオス教の集団が魔王城の中へと入っていったかなり前、魔王城で生活していたゼルスとパレットは普段と変わらない日々を過ごしていた。平和な日々を過ごしていたそんなある日魔王城に悲鳴が巻き起こった。ゼルスは外から聞こえる悲鳴を聞いてパレットの安否を確認する為にパレットの元へと向かっていた。パレットの元へと向かっていたゼルスは時間が経つにつれて増えてくる悲鳴の数にさらに不安になって歩くスピードが速くなった。急いでパレットの部屋に辿り着いて部屋のドアを開けて中に入るとパレットは部屋に籠っていた。パレットの姿を見て少し安心したゼルスはしばらくの間パレットの部屋で何かが収まるのを待ち続けた。

 時間は少し前に戻って魔王城に入ったカオス教の集団は魔王城の中にいるはずのパレットという人間を探していた。カオス教の集団は魔王城の中を探し続けていてさらに奥へ奥へと進んで行くとそこだけ豪華な部屋があった。カオス教の集団はその豪華な部屋の扉を開けた。

 ゼルスとパレットは部屋にいると部屋に近づく足音が複数こちらに向かって来ていた。その足音が扉の前で止まったと思ったその時、扉が開いてフードを被っている集団が部屋に入ってきた。その集団はゼルスとパレットの顔を見ると迷わずパレットを連れて行こうとした。ゼルスはパレットを連れて行こうとする集団の手を振り解こうと必死に抵抗したが今のゼルスとその集団との間には力の差が歴然としてあった。その集団は振り解こうとするゼルスの手をあっさりと解いてパレットを連れ去って行った。ゼルスはその光景を茫然と見ている事だけしか出来なかった。パレットを連れて行った集団はその部屋を出て行った。集落の人間は魔王城の中へと入った所でパレットが連れて行かれるのを黙って見ている事しか出来なかった。

 一方その頃、集落の長老の所まで報告をする為に向かっていた人間は長老の元に辿り着いていた。その人間は長老にパレットが住んでいる場所に怪しい集団が近づいていると報告をすると長老は集落の人間を魔王城に向かわせた。魔王城に向かっている集落の人間の足取りはかなり急いでいた。集落の人間はかなり急いだが集落の人間が魔王城に辿り着いたのはパレットが連れ去られてから二日以上経ってしまっていた。急いできた集落の人間はパレットを監視していた人間と合流して詳しい話を聞いた後にもう魔王城にパレットがいない事を知りつつも入って行った。魔王城の中に集落の人間が入って最初に向かったのはパレットを託したあの魔族のゼルスが今どうなっているのか?を確認する為にゼルスを探して回った。魔王城はパレットを連れて行った人間達によって少し壊されていた。集落の人間はさらに奥へと進んで行くとあの時のパレットを託したゼルスが倒れ込んでいた。集落の人間はゼルスに近づくとゼルスは怪我とかはしていないものの意識は失っているが大丈夫だという事を確認すると魔王城を後にして二手に分かれてパレットを探す人間と集落の長老に報告しに行く人間に分けて行動していった。集落の長老に報告しに行く人間は来た道を引き返して行った。パレットを探す人間は魔王城からパレットを連れ去って行った情報を集める為に魔王城の周りの場所に散らばって情報を集めようとしたがパレットと連れ去った人間達の情報は入ってくる事は無かった。

 ロストリアが去って行った後、メイトスはあの不思議な体験をした時に倒された人間が持っていた紙に書かれていたフェアリー族の里という場所を探す為に旅に出る事にした。拠点にしていた場所から数週間探しながら歩き続けた。メイトスの特殊な能力の効果かはわからないが見えないように隠されていたフェアリー族の里を見つけた。メイトスが見つけたフェアリー族の里に向かおうとするとフェアリー族が倒れていた。メイトスはその倒れているフェアリー族に近づいて意識があるか確認した後にその倒れているフェアリー族が目覚めるまでその場で待つ事にした。しばらくして倒れていたフェアリー族は目覚めるとメイトスを見て驚いていた。だがメイトスは目の前にいるフェアリー族が自分の姿をいて何故驚いているのかわかっていなかった。目のまえのフェアリー族はメイトスに名前がマールだという事を名乗ってきた。そしてメイトスに「フェアリー族の里に行かないと!!」と言ってフェアリー族の里に向かおうとした。メイトスもフェアリー族の里に向かおうとしているマールの後を追っていきフェアリー族の里に辿り着いた。

 フェアリー族の里の中に入るとフェアリー族が大勢いた。里にいたフェアリー族はマールと少し違っていて里にいたフェアリー族は目の色が赤く変化していて自分の意識がなく操られているような気配がした。メイトスが何かに操られているようなフェアリー族に話しかけても返事がなくフェアリー族のマールが話しかけても同じ感じだった。マールが困り果てているとマールに話しかけられたフェアリー族がマールに襲いかかっていた。それと同時に静かに忍び寄っていた何者かに操られているフェアリー族が全てマールへと向かっていた。メイトスはその動きに気づきマールに向かっている攻撃を受け止めて反撃しようとした。だがメイトスが反撃しようとしているのを止めようとマールが「傷つけたらいけない」と叫んでいた。メイトスはなぜマールがそう言うのか疑問に持ちながらもマールの言葉に応えて反撃する事を止めて操られたフェアリー族の攻撃を受け止める事に全力を注いだ。マールは操られているフェアリー族の攻撃を受け止めながらもそのフェアリー族を元に戻す方法が無いか考えていた。そして攻撃を受け止めながらも考えた末にある方法を試すようだった。マールはオカリナを取り出して吹き始めた。すると・・・・・・

 マールが吹いたオカリナから出た音色はフェアリー族の里全体に鳴り響いた。だがメイトスにはそのオカリナの音色は聞こえていなかった。オカリナの音色は操られていたフェアリー族達には聞こえていて操られていたフェアリー族達は苦しみだした。音色が聞こえていないメイトスは突然襲って来ていたフェアリー族が苦しみだした事に驚いた顔をした。フェアリー族を操っている何かとオカリナの音色がフェアリー族の体の中で戦っていてしばらくの間マールとメイトスはその様子を見守る事しか出来なかった。操られたフェアリー族達はオカリナの音色と操っている何かの戦いによってさらに悲鳴をあげていた。悲鳴をあげた後にフェアリー族達は意識を失った。操られていたフェアリー族達が意識を失ってから少し時間が経った後、操られたフェアリー族達は意識を取り戻したが今の状況がわからない様子で何があったかを近くにいたマールやメイトスに聞いてきた。操られていたフェアリー族達はマールとメイトスが話す出来事を聞いて操られていた時間の出来事を理解する事が出来たようだった。マールはこのフェアリー族の里に残って再建しようとした。メイトスが周りをよく見ているとフェアリー族の里は見えていない所は破壊されていた。フェアリー族の里のフェアリー族達を操っていた何者かが破壊したのか?それともあの夢のような建物で悪意のオーラを放っていた人間の仕業なのか考えつつもメイトスもマールの気持ちを汲み取ってこのフェアリー族の里に残ってマールを助けた。

 フェアリー族の里で操られたフェアリー族と戦った時からしばらくしてフェアリー族の里を再建しようとしていたマールからある話を聞かされた。マールから聞かされた話はマールがこの時代の人間ではなく違う地代から時を越える術を使ってこの時代に来たという事だった。メイトスはマールから聞かされた内容に少しだけ驚くと同時にあの書物に纏めた内容を思い出していた。【時を越える術】その言葉はメイトスの中で心の中に残っていた。メイトスはマールに時を越える術について詳しく聞いた。マールはメイトスから聞かれて時を越える術の事を詳しくメイトスに教えた。そしてマールは時を越える前にもメイトスという人間がいてそのメイトスからある術を教わったと言ってその術をメイトスに教えると伝えた。メイトスはマールが言った言葉で初めて会った時のマールの驚きの意味がようやくわかった。そしてメイトスはマールからその術を教えてもらう事にした。それからメイトスはマールからの修行を受ける事になった。それから里の再建と同時にマールからの修行を受けたが新鮮で熾烈を極めた。メイトスはマールとの修行でマールから術を学ぶと同時に時を越える術などの書物の事を詳しく調べていった。マールに時を越える術の事を聞いたがマールも知らない事があってその事はわからずじまいだった。それからフェアリー族の里の再建は順調に進んで行く中さらにもう少しフェアリー族の里で過ごしているとフェアリー族の里の再建が完了した。それを見届けるとメイトスはマールに別れを告げて拠点へと向かった。

 メイトスの拠点でメイトスから貰った書物を持って去っていったロストリアはロストリアが拠点にしていた場所に戻って独自にその書物の研究を重ねていた。それからその書物の研究をしていたロストリアの名前は世界中の学者の中で知られるようになっていき多くの学者がロストリアの拠点に訪ねてくるようになっていった。ロストリアを訪ねてきた学者はロストリアの拠点でロストリアと一緒になって研究しようとしてロストリアの拠点を中心に町を作りだした。その町はさらに学者達が集まってくると研究の町として栄えていった。そしてロストリアの拠点だった場所には世界中から書物が集まり始めてその町はいつしか学術都市オシエーテという名前で呼ばれていった。学術都市オシエーテには世界中の書物を保管する為の場所が作られてその場所は図書館へと変わっていった。ロストリアと集まった学者達はその書物の保管庫である図書館でそれぞれの研究を進めていった。ロストリアはその図書館の地下にメイトスから教えて貰った高度な文明の技術で自分だけの部屋を作ってメイトスに貰った書物に書いてある出来事について研究を続けた。

 カオス教の集団に連れて行かれたパレットは何日も何日も歩かされて足が棒のようになって疲れ始めていた。疲れ始めても休憩もとれないパレットはさらに険しい山脈を登らされていく。精神的にも肉体的にも限界が近づいていて何処に連れて行かれるのかわからない状況になってもゼルスの事を思い続けていた。その状態から逃げだそうにも自分の周りにはフードを被った人間達が守っていて逃げ出す事が出来なかった。険しい山脈を越えると次は木々が密集している樹海と言われている所にやって来た。カオス教の集団はパレットの様子がおかしい事に気づくと拠点まで連れて行く事は無理だと判断してパレットを連れて樹海の中を通って行くとその樹海の中にある洞窟まで連れてきた。そしてパレットをその洞窟の中に閉じこめた後にカオス教の集団は二手に分かれてパレットを見張る人間とある事をする為に動く人間に分かれて行動を開始した。パレットを見張る人間は洞窟の外でパレットが洞窟を抜け出さないかをずっと見ていた。ある事をする為に動く人間達はベリオレットと共にいた者が多くベリオレットから聞いていたメイロー樹海の中にある石が置かれている場所に向かった。その場所に辿り着いたカオス教の集団は石が置いてある場所で結界を作る術を詠唱し始めた。その場所は術の詠唱が鳴り響き術の

 詠唱がしばらく続き結界を作る術は完成してメイロー樹海にその術の効果が広がってパレットを閉じ込めている洞窟は普通の人間には見えないようになった。結界の術を完成させた集団はパレットがいた洞窟へと戻った。洞窟に閉じこめられたパレットは洞窟の中を見終わると外に出ようと試みた。見た感じは何も無いように見えていたが確かにある目に見えない結界のようなものが張られていてパレットは洞窟を出る事が出来なかった。結界の術を完成させたカオス教の集団が戻って来て結界が張られているのを確認するとカオス教の集団はパレットの見張りを何人か置いて行った後拠点へと戻って行った。

 しばらくするとパレットはメイロー樹海の洞窟に閉じこめたカオス教の集団はベリオレット達がいるカオス教の拠点へと戻ってきた。ベリオレットは帰ってきた集団にパレットがいない事に気づいて集団に話を聞いた。集団はパレットについて全てをベリオレットに話すとベリオレットはわかったと言って集団にパレットを注意深く監視して何かあったら知らせるように言って自分の部屋へと戻った。部屋に戻ったベリオレットは集団の前では分かったフリをしていたが内心では悔しがっていてその気持ちはベリオレットの中で強く鳴り響いていた。

 タリスタは魔王城から少しの間離れていたが戻ってくると城の状況を見て真っ先にゼルスの部屋へと向かった。ゼルスの部屋に向かうとゼルスはおらずに次にパレットの部屋へと向かう事にした。パレットの部屋に辿り着くと部屋の中には意識を失っていたゼルスがいて抱えながらゼルスの部屋へと運んだ。そして部屋のベッドに置いた後部屋を出てゼルスが意識を取り戻すまで待ち続けた。

 パレットを連れて行かれて意識を失っていたゼルスは集落の人間がやって来た後しばらくして意識を取り戻した。パレットがいた部屋にいたはずが自分の部屋のベッドに横たわっていた。後から聞いた話によるとタリスタが意識を失っていた時に運んできたようだった。体力は回復していたがパレットを失った事で何かをするという気力は完全に無くなっていた。ゼルスの心の中はパレットを失った喪失感とパレットを連れて行った集団に対する憎しみが心の中を占めていた。そんな無気力な状態が二年続いて部屋からもほとんど出る事はなかったが魔王から次の魔王になる為の修行をするように言われてその教育係の人間を紹介された。それから五年間の間その教育係の修行を受ける事になった。ゼルスはその修行でパレットを失った喪失感が和らげばいいとそう思いながら修行を続けた。タリスタはあれからもパレットの行方を探す為に情報を集めていた。

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