それぞれの派閥
ベリオレット派がロストリアを探しに行く少し前、カオス教の拠点ではそれぞれの派閥が争いを起こしていた。その場所にいたジュレイドは、他の幹部達がカオス教の教祖の座を争っていたがいち早くカオス教の拠点を去っていた。ジュレイドを慕っていた人間達は、ジュレイドの後を追ってカオス教の拠点を去っていた。ジュレイドとジュレイドを慕う人間はジュレイド派を作ってメイロー樹海へと向かっていた。数日後、メイロー樹海へと辿り着いたジュレイド派は樹海の中へと入ると樹海の奥深くに自分達の拠点を作り外の世界と極力干渉しないようにしながらもカオス教の教えを只ひたすら守り続けた。五千年後の世界ではその存在すらもわからないようになっていた。
カオス教の拠点で教祖の座を争っていたタタンは、ジュレイドが去った後に魔法の鏡の力が薄まりかけていたのか少しずつ少しずつ薄れかけていた記憶が浮かび上がってきていた。そしてタタンはカオス教の拠点を離れてある場所に向かって走り出していた。タタンがカオス教の拠点を離れた事を知ったタタンを信じる人間はタタンの後を追った。タタンとタタンを信じる人間は、フェアリー族の里までやって来た。タタンは、フェアリー族の里の前に来ると忘れていた記憶を取り戻した。そしてフェアリー族の里が復興されている様子を確認するとそこから少し離れた場所に拠点を作った。タタンとタタンを信じる人間は、その拠点でタタン派と名乗りフェアリー族の里にまた同じような出来事にならないように見守りながらタタン派の拠点で信じる仲間と共にゆっくりとカオス教の事を忘れようと過ごしていった。
カオス教の拠点にいたメグリアットは、他の幹部達と教祖の座を巡って争っていたが、自分と自分の考えに同調する人間を連れてカオス教の拠点を去ってメグリアット派を作りメグリアット派の拠点を探してアルカット神殿へと向かっていた。カオス教の拠点からアルカット神殿までの道のりをなるべく人目に触れないように移動してようやくアルカット神殿へと辿り着いた。メグリアットとメグリアット派の人間は、アルカット神殿に着くとそこを拠点として活動を開始した。メグリアット派は、カオス教の教えを広める事を基本として積極的に行動して勢力を増やしていった。五千年後のメグリアット派はベリオレット派に次ぐ第二の勢力となっていた。
カオス教の拠点で教祖の座を争っていたトクリットは、最後までベリオレット派と拠点で争っていたが、何を思ったのか拠点を去って行った。トクリットは、トクリットを信じる者と一緒にトクリット派を作り新たな拠点を作り王都アナタリアから少し離れた場所へと向かっていた。王都アナタリアから少し離れた場所に来るとトクリット派は、その場所に新たな拠点を作りトクリットを教祖としてカオス教の教えではなくトクリットの教えをトクリット派の人間全体に広めさらに勢力を拡大させていった。だが王都アナタリアが完全に荒廃した後は、トクリット派に関する情報が伝わる事は無かった。
ベリオレットの近くにいた幹部達はそれぞれの拠点で過ごしていたが、只一人だけその後の消息が分からない人間がいた。アルトンと呼ばれていた人間だけが忽然と消えて姿がわからなかった。