魔王ゼルス封印
パル達が魔王城へと向かっていた時にパレット達はフードを被った集団を追って行くと周りの風景が見た事ある懐かしい風景になってきていた。その風景はあの昔いた魔王城の風景だった。自然と涙が溢れてきそうになるのも我慢しながら進んで行き魔王城に近づくとより鮮明に浮かんできた。四人組とフードを被った集団が魔王城に向かっているという事が分かった時パレット達の中に嫌な光景が浮かび上がっていた。浮かび上がった光景が起こらない事を祈りつつも魔王城に辿り着くと魔王城にいた者しか知らない道を使って城の中へと入って行った。パレット達は秘密の道を使って魔王城に入るとある場所へと向かっていた。ゼルスがいるだろうその場所に・・・・・・最悪の状況にならないようにと祈りながら走っていくとゼルスの姿が見えた。
広すぎる部屋にいたのは暗黒のオーラを纏った魔王ゼルスが立っていた。パル達が現れた事で広すぎる部屋には魔王ゼルスが放つ暗黒のオーラとパル達が放つ信頼のオーラの相反する二つのオーラが混ざり合いその部屋を支配していた。二つのオーラはどちらかが強いというわけではなく拮抗していた。その二つのオーラが漂う中パルはその拮抗を破ろうと魔王ゼルスに攻撃を仕掛けた。魔王ゼルスはパルの動きを冷静に見ていて攻撃を仕掛けてきたパルに対して同じように攻撃を仕掛けた。両者の力は互角で何回も剣が交差にぶつかり音が激しく響き火花が飛びそうだった。パルと魔王ゼルスの剣がぶつかって何回目かにツクレードとオルドラが加勢しようと入ってきたがそれを阻むように魔王ゼルスの片腕であるタリスタが素早く二人の攻撃を防いでいた。何とかこの拮抗を崩す為にリメリア防御と回復の術を使い味方のサポートに回っていた。一方その頃、魔王城に侵入していたカオス教の集団はパル達を追って来ていた。カオス教の集団は進んでいる奥で誰かが戦っている音がしているのを聞いて『パル達と魔王か』とそう思いながらその場所に突入する前に術の詠唱を始めていた。パル達と魔王達の攻撃の応酬は数時間にもおよんでいて一向に勝敗がつく気配がなかった。カオス教の集団は戦っている場所に突入するタイミングを計っていた。しばらく様子を見ていた集団は戦っていたパル達と魔王の意識がこちらに向いていないとわかるとそろそろ突入する機会だと考えその場所に炎の術を放った。パレット達は柱に隠れてその様子を見ているとゼルスと四人組が戦っていた。助けようとしたその時フードを被った集団がゼルスに向けて術を放った。
そこにいる誰もがこのまま戦いが膠着すると思っていたがその思いは裏切られて何処かから炎が飛んできた。飛んできた炎は魔王ゼルスに見事に当たった。魔王ゼルスに炎が当たった事で拮抗していた戦いに歪みがもたらされた。パル達はその歪みがもたらしたその隙を見逃さなかった。パルは魔王ゼルスに攻撃をした。『勝った!!』と思っていたがもう少しで魔王ゼルスに攻撃が当たる・・・・・・そんな時炎が飛んできた方向とは反対の方向から素早く四人組の集団が現れてパル達の攻撃を防いだ。魔王ゼルスの片腕のタリスタもパル達に向かっていった。みんなの意識がパル達と四人組へと移っていた。それを待っていたかのように炎が現れた方向からフードを被った集団が現れた。炎が現れた方向から現れたフードを被って顔がわからない集団を見たパル達は現れた謎の集団が何者かわからない顔をしていたが謎の四人組と魔王ゼルス達はその集団の風貌に見た事のある顔をしていた。突然現れたフードを被った集団は何かの術を詠唱し始めていた。魔王の片腕であるタリスタはフードを被った集団に向かっていった。フードを被った集団は自分達に迫ってくるタリスタに術を詠唱している人間とは別の人間がタリスタに向かって術を放ち距離を取らせると他の人間がタリスタに追撃を放ち金縛りの術を放った。タリスタは術の効果によって行動する事が出来なくなってしまった。その事によって魔王ゼルスは只一人孤立していた。謎の四人組はパル達の動きを防ぐので一杯で魔王ゼルスの方にまで手が回っていなかった。突入してくるまでに術を詠唱していた人間は魔王ゼルスにめがけて術を放った。魔王ゼルスは避けようと試みたが運悪く避けきれなかった。魔王ゼルスは受けてしまった術の効果によって封印されようとしていた。そんな状況で魔王ゼルスは「いつかお前達を必ず倒してやる・・・・・・」と言葉を残して封印されてしまった。魔王ゼルスが封印されるとフードを被った集団は使命を終えて去って行った。四人組の集団と戦っていたパル達は魔王ゼルスが自分達ではなくフードを被った集団の手によって封印されたその光景にしばらく戦うのをやめた。それと同時に四人組の集団は「変える事が出来なかった」と小さく呟いて去って行った。パル達はフードを被った集団と謎の四人組に違和感を持ちつつもその場から立ち去って平和が訪れた事を報告する為に王都アナタリアに帰る事にした。魔王ゼルスの封印を間近で見たタリスタは只ゼルスの傍で立ち尽くす事しか出来なかった。