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エントスを巡る出来事

 パルが謁見の間に入ると王様がいたが横を見ると大勢の兵士が並んでいて圧迫感のある光景だった。パルが謁見の間に入った後に謁見の間の扉がゆっくりと閉まった。パルは今目の前にいる魔王討伐をする為の人間を集めている勇敢な王と対峙していた。対峙している王のオーラは他の人間とは少し違っているように感じて他に表す事が出来ないものだった。パルはそのオーラを持つ王に向かって一礼するとその時の謁見の間は王を警護する為に圧迫感があったその雰囲気をさらに拡大させていた。パルが一礼してしばらくして王がようやく語りかけてきた。「お前に魔王を倒す事が出来る実力があるのか?どうなのか答えてみろ」と王はパルに問いかけた。王の問いかけにパルはこう答えた。「俺の実力は魔王を倒して証明してみせる・・・・・・この世界の未来に魔王はいらない。魔王討伐に行かせてくれ!!」そう言うと王は何故か不思議な笑みを見せた。一瞬王が見せた不思議な笑みをパルは見逃さなかった。だがパルは王の不思議な笑みの真意までは今はまだわからなかった。

 一方その頃ある部屋に通されたリメリアはしばらく待った後迎えに来た兵士に連れられて謁見の間まで向かっていた。オルドラは兵士に連れられて謁見の間の扉の前まで連れてこられてその場所で待つように言われた。オルドラが待っていると少しして兵士の姿をしたツクレードがやって来た。やって来たツクレードはオルドラに「何故この場所にいるのおか?」と聞いた。ツクレードはこのオルドラが牢屋にいた事は知っていたのでこの場所にいる事に疑問を持っていた。オルドラはツクレードの言葉に「分からない」と答えて少し話をしていると一人の人間がやって来た。リメリアは兵士に連れられて謁見の間の扉の前に辿り着くと謁見の間の前に二人の人間が同じように扉の前で待っていた。リメリアを含めて謁見の間の扉の扉の前にいた三人が謁見の間の扉を開けるとそのまままっすぐに進んだ。

 勇敢な王はパルが答えた内容に喜び魔王討伐に向かいたいと言ったパルに許可を出して冒険に必要なお金と装備を渡した。王から装備とお金を受け取ったその後謁見の間の扉が開いて足音が三つ聞こえてきた。パルはその後ろから聞こえてくる足音で振り返るとそこには兵士の駐屯所で怒声をあげていた人間と牢屋で暴れていた人間と後一人見た事のない人間がこちらに向かって来ていた。パルが向かって来ていた三人を見ていると勇敢な王は現れた三人をパルに紹介し始めてこの三人と魔王討伐に行ってくれと言った。パルと三人は王との謁見を終わらせると謁見の間を後にした。謁見の間を出たパル達は再度お互いに名前を名乗り出した。兵士駐屯所で怒声をあげていた人間はツクレードと名乗って剣の扱いがうまいらしい。牢屋で暴れていた人間はオルドラと名乗って怪力で力が凄くあるらしい。もう一人の人間はリメリアと名乗って魔法や術の扱いがうまい事がわかった。パル達は勇敢な王から貰った装備を身に付けた後に城の入口へと向かった。魔力の強かったリメリアは謁見の間の近くに潜む四つの魔力を感じていたがその魔力が何なのかはわからなかった。リメリアが感じた四つの魔力は一体何だったのだろうか?運命の歯車が影響しているのかその時はわからなかった。

 パル達は城を出て城下町に向かって歩きだした。城下町は人通りも少なく悲しみに溢れていてパル達は城での雰囲気とは違う街の雰囲気に魔王討伐の難しさを痛感しながらもゆっくりと街の入口へと向かって行く途中でリメリアは今まで働いていた魔法屋を通り過ぎていく時にまたこの場所に戻って来ると強く願っていた。街の入口に着くと魔王討伐の為にまず何処に行くのかを四人で考え始めた。これから始まる魔王討伐が世界を救う道になって行くと思っていたパル達はこの時あんな事になると思っていなかった。魔王を倒す旅が今から始まる。

 パル達が謁見の間から出て行ってから少ししてその謁見の間で王のフリをしていたベリオレットとカオス教の幹部が何やら小さい声でやり取りをしていてベリオレットはついさっきまで会っていたパルという人間の事が気になっていた。ベリオレットは「あのパルという人間をどこかで見たような感覚がして何処で見たのやら・・・・・・なぜかわからない何処で見たのか・・・・・・」と言うと幹部は一言「どうしますか?」と答えて指示を待った。ベリオレットは少し考えた後に幹部に「厄介な事になるとあの計画の邪魔になる。監視して障害になるようだったら倒せ」と言った。幹部はその指示を聞いて実行する為に謁見の間を出ようと扉の方へと歩いて行った。その様子をベリオレットはしばらく見ていた、幹部が向かった扉に聞き耳を立てていた人間がいたがベリオレットとカオス教の幹部はその事を知らなかった。ベリオレットは幹部が謁見の間を出て行くと奥にある部屋へと入って行った。

 一方その頃、王都アナタリアで人間達の動向を探っていた魔王ゼルスの部下は人間達の新たな動きに気づき魔王城に戻って魔王ゼルスに報告しに来ていた。部下達が掴んだ情報はパルという人間がゼルスを討伐する為に人を集めていた王に会って魔王城に三人の仲間達と一緒に向かってくるという情報だった。さらに部下からパルという人間はゼルスが探していたパレットという人間に似ているという情報も付け加えた。ゼルスはその情報を聞いてざわつき驚きを隠す事が出来なかった。ゼルスはその情報からパルという人間の情報を集めるように部下に追加で指示をだした。まさかパレットについて何かわかるかもしれないと思ってしばらくゼルスの頭の中はパレットの事でいっぱいになっていた。ゼルスはそこで「そうだ」と言ってパレットの情報を持ってきた謎の二人組の事を思い出して探すように指示をした。だがその謎の二人組が何処にいるか見つける事が出来なかった。そして・・・・・・

 王都アナタリアの城下町の入口で仲間と話し合ったパル達はここから少し先にあるアリトリーの町に行く事にした。アリトリーという町は王都アナタリアよりはかなり小さい町だったが旅人達が酒場に立ち寄る事が多くその為に魔王に関する情報が何かあるかもしれないと考えて向かう事にしたのだった。パル達は頭の中に少し期待を膨らませながら歩いていると川が見えてきて川の流れは穏やかでそこだけ魔王の影響を受けていないようだった。川に架かっている橋を渡りアリトリーへと続く道を進んでいたが王都アナタリアからずっと歩き続けていたパル達は少し疲れて来たのでアリトリーの町まであと半分の所で少しだけ休憩を取る事にした。

 カオス教の幹部は謁見の間を出た後に部下を連れて魔王を討伐しようとしているパル達の後を追った。幹部は連れて来た部下にパル達が向かうであろう場所に先回りするようにして初めに部下と操った魔物と共にエントスの町に向かうように指示をした。幹部自身はパル達を追ってアリトリーの町へと向かった。部下と一緒に行った魔物は指示を受けて先回りしてエントスの町へと向かった。その速さは異常な速さでしばらくしてエントスの町に辿り着くと町を襲撃し始めた。魔物の襲撃をエントスの人間は抵抗していたが人ではない魔物の攻撃は強く虚しくも負けてしまった。そして魔物の襲撃を受けた町の風景は見る影も無い状態になってしまった。襲撃を終わらせたカオス教の集団と操られた魔物はエントスの町の近くにあった洞窟で息を潜める事にした。

 ベリオレットは謁見の間の奥にある部屋に入っていた。謁見の間の奥にある部屋にはベリオレット以外は入る事が出来ない事になっていた。ベリオレットはその奥の部屋で王として動いている時には見せない顔をしていた。その顔は憎しみに溢れていてパレットの末裔に対する憎しみがその部屋を覆い尽くしているが部屋には特殊な結界が張られているのか憎しみが外に漏れる事はなかった。ベリオレットがその部屋に入って数時間後、その部屋からベリオレットが出てきてまた王の顔をして戻ってきた。そしてある動物を連れてくるように兵士に指示をした。

 アリトリーの町へと向かっていて疲れて休憩を取っていたその時にパル達は自分達の今までの事を話していた。あの謁見の間で偶然会った四人はその話で盛り上がっていたがここまで歩いた疲れがとれると休憩を終わりにしてアリトリーへと道を再び一歩一歩進んで行ってアリトリーにようやく辿り着いた。パル達が町に着いた頃には空は暗闇に溢れていて建物には灯りがついていた。パル達は宿屋を探す前に酒場に行って魔王に関する情報を得ようと酒場を探しながら町の中を歩き続けた。アリトリーの町はそんな大きな町ではなかったからすぐに酒場の場所に辿り着いた。

 時は少し遡ってパル達が王都アナタリアの城から出てくる少し前、影の天秤は城に入った人間が出てくるまで待ち続けていた。それからしばらく時が過ぎてその人間が城から出て来た。その人間は他に三人の人間と一緒に影の天秤達の横を通って行った。パレット達はその四人組の後を追いかけていきその四人組はアリトリーの町へと向かっている事が分かるとパレット達は四人組の監視を他の人間に任せてパレットとサタスンは先回りしてメイロー樹海へと向かう事にした。

 アリトリーの酒場に辿り着いて酒場を見ると酒場はそんな大きくない規模だったがその場所だけは賑やかだった。パル達は酒場の中に入っていくと酒場のマスターが「いらっしゃい!!」と言った。マスターの横を通過して奥にある四人掛けのテーブルの席に座った。パル達は料理を注文し終えて待っている間に他愛もない会話をした。酒場には何人かの旅人らしき人が噂話をしていてパル達はその噂話を聞いていないフリをしながら聞いていた。その噂話にはパル達が欲しかった魔王に関する噂はなかったがる噂話が気になった。ある旅人が「ここから北にあるエントスの町に魔物の群れが現れたらしい」と言っていた。そして旅人の横にいた人間が「俺もその話を聞いた事がある」と言っていた。パル達は旅人達の噂話を聞いて何かを思ったのか北にあるエントスの町に行く事を決めた。パル達は出てきた料理を平らげて酒場を出て宿屋に向かった。パル達を監視していたカオス教の幹部はアリトリーの町に辿り着くと気づかれないように陰からパル達の動きを監視した。監視しながら聞こえる話はエントスが魔物に襲われたという話だった。その事を知ると計画がうまくいったと思って笑みを浮かべながらパル達の監視を続けた。

 宿屋に向かったパル達は疲れている中で明日に備えて宿屋へと足早に向かって宿屋に着くと宿屋の入口のドアを勢いよく開けた。宿屋の主人はやって来たパル達に挨拶をしてきた。パル達が部屋を取ると宿屋の人間はその部屋までパル達を案内した。部屋に入るとパル達は明日に備えて装備を見直ししたりして眠りについた。太陽の光が地平線から上がって地面を照らしてきて朝がやってきた。パル達は魔物の群れが現れたというこの町から北にあるエントスの町へと向かう事にした。アリトリーの町を出てエントスの町までの道は一本道で何が起こるわけもなく魔物の群れが現れたエントスの町に辿り着いた。

 ベリオレットは指示をだした動物が来るまで幹部に指示をする事を文書で書いて待っていた。しばらくすると兵士が指示をしていた伝書用の鳩を持ってくるとベリオレットは兵士が持ってきた伝書用の鳩の足に書いておいた文書を括り付けてその伝書用の鳩をアルカット神殿の方に向けて飛ばした。飛び立った鳩は凄い勢いで瞬く間にアルカット神殿に向かって行った。鳩が見えなくなった空をしばらく眺めていたベリオレットはその後自分の部屋に戻って事の顛末の情報が来るのを待つ事にした。王都アナタリアからパル達を追っていた人間から情報がぞくぞく届いていた。

 パレットとサタスンはパル達の事を他の人間に任せて途中にある町を通らずにいち早くメイロー樹海に向かってようやく辿り着いた。メイロー樹海に入ったパレットはその場所で少し立ち止まった。サタスンはその様子を見て心配したがパレットはメイロー樹海のある場所へと歩きだした。何かの異変が起こったパレットの後をついて行ったサタスンは目の前に現れた洞窟を見て少し考えた。ゼルスがあのパレットがいると言われて向かった洞窟なのかとそう考えていた。パレットは洞窟の前までくるとそのまま中へと入った。中に入るとその場所であの時と全く変わらなかった。あの時のままの光景を見てパレットはメイロー樹海に入った時の感情を抑えきれずに震えが止まらなかった。ガタガタガタガタと震えの止まらないパレットだったがその場で手紙を書き始めた。震える手で【あの人に・・・・・・あの人に会いたい】と書いた。途中の文章はパレットの涙で滲んでいた。パレットはその手紙をその場所に置いて洞窟を出てメイロー樹海を抜けた。メイロー樹海を抜けたパレット達はエリザレス山脈を登っていた。そんな時に王都アナタリアの方向から鳥が飛んで来ていた。パレット達は山頂でしばらく休憩をしているとその飛んで来ている鳥の足に紙のようなものが括り付けているように見えた。パレット達は王都アナタリアから飛んできていた鳥を怪しんでその鳥が何処に行くのかを見続けていた。するとその鳥はエリザレス山脈を越えて北の方角へと向かって行った。鳥が向かって行った方角にはアルカット神殿があった事を思い出したパレット達は休憩を終えてエリザレス山脈を反対側に降りていくと王都アナタリアから向かった怪しい鳥の向かった方向へと向かって歩きだした。

 エントスの町に辿り着いたパル達は町の惨状に声すらも出せなくなっていた。建物は倒壊していて元の町の状態もわからなくなっていて町の人の姿はほとんどなかったがちょっと向こうの方に人影らしきものが見えた。人影の見えた方向にパル達が進んで行くと一人の人間がいたがその人間は魔物によってなのかひどい傷を負っていた。パル達はその人間に話を聞くと魔物は山沿いの洞窟へと消えていったと言った。パル達はその話を聞くと町を襲った魔物を退治する為にエントスの町を出てその洞窟へと向かった。

 エントスの町を襲ったカオス教の集団と魔物はエントスの町の近くにある洞窟へとやってきていた。洞窟の中を進んで奥へと進みそこでしばらく身を潜めていた。カオス教の集団は洞窟の奥で魔物から少し遠い場所でくつろいでいた、そんな時待ちかねた人間が現れた。その人間とは・・・・・・

 パル達はエントスの町を出て山沿いに進んで行くといかにも怪しい洞窟を見つけて魔物に気づかれないように中に入って行った。中に入ると周りは暗闇で奥に進むと道が二つに分かれるいる場所が現れて左右に分かれていた道をパル達も二手に分かれて魔物を探して行く事にした。右の道にはパルとツクレードが行く事になり左の道はリメリアとオルドラが行く事にした。右の道をパルはツクレードと進んでいると物音が聞こえてきた。その物音はまだハッキリとはわからないが人が動いている時に出す音ではなかった。パル達はさらに道を進んで行くとその音はどんどん大きくなっていきさらに進むとそこには魔物達が集まっていた。パルとツクレードが魔物達が集まっているのを見たその頃左の道を進んだリメリアとオルドラは続いていた道をさらに進んで行った。リメリアとオルドラが進んでいた道は特に何かあるわけでもなく只ひたすら暗い道を進んでいた。パルとツクレードは見つけた魔物達にひっそりと近づこうとしたがうっかり何かに当たって物音をあげてしまった。魔物は物音に気付き物音がしたこちらの方向を見てパル達の姿を確認すると一斉に襲いかかってきた。パルはツクレードとすぐに連携を取って魔物に一撃を与えようとした。初めての連携でうまくはいったがそれでも魔物もその連携に反応してパル達の攻撃をうまく躱してきた。パル達は攻撃を止めて一度距離を取って魔物と対峙する事にした魔物もパル達が攻撃を止めたことに何かを思ったのか魔物も距離を取ってきた。

 一方その頃、カオス教の集団も魔物がざわめいているのを見て侵入者が来たのを知って少し遠い場所で魔物と侵入者との戦いを見物していた。魔物と侵入者の戦いは長い時間続いていた。カオス教の集団はその戦いの行方を見守っていたがしばらくすると謎の四人組がこちらに近づいて来るのが見えていた。カオス教の集団はあまり自分達が暗躍している事を知られる事を嫌った為にこの場所を去る事にした。魔物達と侵入者の戦いは続いていてその戦いの結果を知らないままカオス教の集団は洞窟を出て侵入者が誰だったのかを知る為に洞窟の入口で待っていた。カオス教の集団は王都アナタリアにいるベリオレットにこの情報を伝える為に人を送った。

 魔物との対峙はしばらく続いたがここでもう一方の道を行っていたリメリアとオルドラが魔物達を見つけてこっちに走ってきた。魔物達は突然現れたリメリアとオルドラの方に意識を向けた。その一瞬を見逃さなかったツクレードが意識を他に向けた魔物達を倒していった。


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