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約束
拙い文章かもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
これはフィクションです。
「もうないのか?」
2袋まるまる平らげた彼女は不機嫌そうにしながらも、どこか楽しみだと言わんばかりに聞いてきた。
「もうないよ」
明らかに拗ねている。耳としっぽがあればきっと、思い切り垂れ下がったことだろう。
「ねぇ、僕のお願いは聞いてくれないの?」
等価交換。漫画で得た知識だけど、ここでも通用するだろうか。
「…っこ」
「え?」
「もう一個、同じものを持ってこい。そうすればお主の願いを聞いてやってもいいぞ」
不機嫌そうな顔をしているが、声色が変わった。
楽しみにしている人の声。よかった。
「わかった、また明日持ってくるね」
口角が少し上がったのがわかった。
明日もまた持ってこよう。今度はカ○トリーマアムも持ってこようかな。
僕も彼女も帰る足取りは軽かった。
読んでいただき、ありがとうございます。
こんちゃんは素直じゃないですね。